物置小屋

黒蝶

文字の大きさ
1,311 / 1,909
1人向け・イベント系

月光の羽衣と星屑の芒(すすき)・共通話(2人向け・奪い愛)

しおりを挟む
「...さて。もうすぐ約束の満月だ。
迎えに行くから僕のところに早く帰っておいで...美しい姫。
やっと会えると思うと、今から待ち遠しいよ。
これから君を迎える準備をしておこう。
ようやく約束を叶えられる...。」


『待ってください、美しい姫。
あなたはどうしてそんなに人を避けるのですか?
まるで、はじめから誰の手もとるつもりがなかったかのような...だからあのような無理難題を私たちに突きつけたのでしょう?
他の者は諦めてしまいましたが、私はあなたのことを諦めたくありません。
満月に、月からの使者...?
そんなの絶対認めない!あなたが月に向かうことを望んでいるのなら止めたりはしませんが、そうは見えないのです。
何か悩み事があるから、物鬱げな表情をされているのでしょう?
...私でよければ話を聞かせていただけませんか?
たとえ叶わぬ恋でも、私ができることならなんでもしたいのです...。

話は分かりました。
私に最後まで協力させてください。
あなたの涙はとても綺麗ですね。今まで見たどんなものより、ずっと輝いています。
私の袖くらい気にしないでください。あなたの涙はとても綺麗ですから、汚れたりしません。
...さあ、共に想いを綴ってみましょう。』


『今宵はいよいよ満月ですね。夜間の見廻りを増やします。
なのでどうか、安心してお休みください。
...もうきたのか。ここでお待ちください。』

「僕の愛しいかぐや姫、約束どおり迎えにきたよ。
さあ、その姿を僕に見せてくれ。
そして早く月に帰ろう。」
『少し待ってください...!』
「誰だ、おまえは?何故術で動けなくなっているはずの人間がこちらに向かってくる?」
『彼女は渡さない。
...どうかもう少しだけ時間をくれないだろうか。』
「ふざけたことを...これだから人間は嫌なのだ。
すぐに欺き、騙し...それでも平然と立っている。
僕には感情というものが分からない。
だから、おまえがどう思っているのかなんてどうでもいい。
とにかくかぐや姫を返してもらう。
...もうこんな汚い場所にいる必要はない。
早く出ておいで。」
『今すぐ他の者を解放しろ。
誰もあなたのことを傷つけようとは思っていない。
かぐや姫が本当に大切なら、もう少しだけ待ってほしい。』
「ふざけたことを申すなら、他の使者たちに言って無理矢理にでもここを通してもらう。
今すぐそこをどけ。」
『私はどくつもりはない。まだどけない。
...あの方がそれを望んでいるということが何故分からないのだ!』
「そんなことは知らない。早く姫を渡せ。
...渡さぬと言うなら、やはり力づくで通してもらうしかない。」
『体がいうことをきかない...。
かぐや姫、どうかお急ぎください。』

「やっと見つけたよ、姫。
そんなものはいいから、早く帰ろう。
この瞬間を、ずっと待っていた...君のことをずっと考えていたよ。
さあ、早く行こう。もう待ちきれない。」
『姫...!』
「何故まだ動けるのだ?
下手をしたら息絶えるかもしれないというのに...。」
『私は姫を愛しています!
だから、今ここであなたの想いを聞かせてください!
あなたが何をしていたのか、ちゃんと伝えてください。
...決して、後悔しないように。』
「それは是非とも知りたいな。
...君の口から聞かせてくれる?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
共通話はここまでです。
平たく言うと、『かぐや姫』といいますか、『竹取物語』の使者と貴公子の奪い愛です。
「」は使者、『』は貴公子の台詞です。
約束を叶えたい使者、一途な貴公子...どちらと結ばれるのか、という物語にしました。
個人的に、本来ならば燕の子安貝を探しにいって死んでしまうという貴公子が不憫で仕方なく...また、かぐや姫が月に無理矢理帰らなければならなかったというのを回避したくて、どちらか選択できるようにしたかったのです。


因みに、諸説あるのですが貴公子たちについて付け加えると、

仏の御石の鉢→自ら制作したものを持っていき、即行見抜かれ大失敗。

蓬莱の玉の枝→職人に頼んで作らせ婚約成立1歩前までいくが、姫の目の前で未払いのお金の請求をされたことにより大失敗。

火鼠の皮衣→商人から高額で購入し、姫の前で火をつけてみるとかなりの勢いで燃えて貴公子自身も詐欺にあったことが発覚。

龍の首の玉→2度の嵐にあい、病に倒れ諦めた。

燕の子安貝→燕の巣で光っていたものを梯子のようなものを使用してなんとか掴むも糞であった為、驚いて落下しそのまま死去。


...ということらしいです。
上2人は自業自得なのですが、他の3人...特に下2人は残酷だなと感じたのを覚えています。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

会社員の青年と清掃員の老婆の超越した愛

MisakiNonagase
恋愛
二十六歳のレンが働くオフィスビルには、清掃員として七十歳のカズコも従事している。カズコは愛嬌のある笑顔と真面目な仕事ぶりで誰からも好かれていた。ある日の仕事帰りにレンがよく行く立ち飲み屋に入ると、カズコもいた。清掃員の青い作業服姿しか見たことのなかったレンは、ごく普通の装いだったがカズコの姿が輝いて見えた。それから少しづつ話すようになり、二人は年の差を越えて恋を育んでいくストーリーです。不倫は情事かもしれないが、この二人には情状という言葉がふさわしい。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...