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冬真ルート
第37話
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中庭でお花の水やりをさせてもらいながら、ぼんやり空を見上げる。
ずっと黙っているわけにはいかないので話しかけてみることにした。
「あ、あの」
「どうかした?」
「その…さっきの人は、お友だちですか?」
訊いてしまっていいのかなんて分からない。
ただ、仲良しさんに見えたけれどどういう関係なのか知りたくてつい言ってしまった。
「牛久とは腐れ縁というか…まあ、何故か懐かれてる」
冬真の話し方から考えると、関わるのを嫌がっているようには聞こえない。
他にも仲がいい人がいるのを知れて嬉しい…なんて話したら困らせてしまうだろうか。
「別に話しかけられるのは嫌じゃない。ただ、お人好しだからなんとなく騙されたらどうしようって考えるだけ」
お仕事の関係ではなく、ということだろうか。
答えてもらえたことにほっとしたのと同時に、やっぱり周りの人たちをよく見ているんだと感激した。
「そんなに微笑ましかった?」
「はい。私にとっては微笑ましかったです」
「…そう」
話してくれる相手がいるのはきっと楽しい。
少なくとも、私は今この瞬間を楽しんでいるつもりだ。
「…ねえ」
「は、はい」
「変なことを訊いてもいい?」
「変なこと、ですか?」
冬真は歩みを止めてその場で私の方をふりかえる。
「…あの花、どこでもらったものなの?」
冬香さんのことに気づいたのだろうか。
ただ、それなら今みたいな質問の仕方はしないような気がする。
「同じ物を買いに行きたい、ということでしょうか?」
「ごめん、そういうわけじゃない。だけど、もしそれが人からもらったものなら何か意味がこめられてる」
「意味、ですか?」
どうして冬香さんが私に花を飾っておいてほしいなんて言っていたのか、まだ分かっていない。
冬真に訊いたらその意味を知ることができるかもしれない…そう思うと、話した方がいいのかもしれないと考えた。
ただし、冬香さんの名前は出さないでおこう。
「その花、警告や忠告っていう花言葉がある。だから、万が一相手が意味を知ってて贈ってきたなら…って考えた」
まさかそんなメッセージがこめられていたなんて思っていなかった。
「…お菓子のラムネ屋さん」
「え?」
「お菓子のラムネ屋さんって何ですか…?」
この質問に、冬真はただ困ったような表情を浮かべる。
いきなり質問してしまったからだろうか。
「ごめんなさい。ちょっと聞いてしまって…」
「……この前のラムネ屋集団のなかにそういう奴等がいるっていう報告は受けてる。
だけど、それが絶対存在するともしないとも今の段階じゃ断定できない」
「そう、なんですね。…悪い人なんでしょうか?」
「少なくとも、今の僕たちからすれば悪い人だよ。動機が何であれ、違法薬物を売りつけるのは悪いことだから」
冬真はそう話して私に向き直る。
「…君はあいつと接触したの?」
ずっと黙っているわけにはいかないので話しかけてみることにした。
「あ、あの」
「どうかした?」
「その…さっきの人は、お友だちですか?」
訊いてしまっていいのかなんて分からない。
ただ、仲良しさんに見えたけれどどういう関係なのか知りたくてつい言ってしまった。
「牛久とは腐れ縁というか…まあ、何故か懐かれてる」
冬真の話し方から考えると、関わるのを嫌がっているようには聞こえない。
他にも仲がいい人がいるのを知れて嬉しい…なんて話したら困らせてしまうだろうか。
「別に話しかけられるのは嫌じゃない。ただ、お人好しだからなんとなく騙されたらどうしようって考えるだけ」
お仕事の関係ではなく、ということだろうか。
答えてもらえたことにほっとしたのと同時に、やっぱり周りの人たちをよく見ているんだと感激した。
「そんなに微笑ましかった?」
「はい。私にとっては微笑ましかったです」
「…そう」
話してくれる相手がいるのはきっと楽しい。
少なくとも、私は今この瞬間を楽しんでいるつもりだ。
「…ねえ」
「は、はい」
「変なことを訊いてもいい?」
「変なこと、ですか?」
冬真は歩みを止めてその場で私の方をふりかえる。
「…あの花、どこでもらったものなの?」
冬香さんのことに気づいたのだろうか。
ただ、それなら今みたいな質問の仕方はしないような気がする。
「同じ物を買いに行きたい、ということでしょうか?」
「ごめん、そういうわけじゃない。だけど、もしそれが人からもらったものなら何か意味がこめられてる」
「意味、ですか?」
どうして冬香さんが私に花を飾っておいてほしいなんて言っていたのか、まだ分かっていない。
冬真に訊いたらその意味を知ることができるかもしれない…そう思うと、話した方がいいのかもしれないと考えた。
ただし、冬香さんの名前は出さないでおこう。
「その花、警告や忠告っていう花言葉がある。だから、万が一相手が意味を知ってて贈ってきたなら…って考えた」
まさかそんなメッセージがこめられていたなんて思っていなかった。
「…お菓子のラムネ屋さん」
「え?」
「お菓子のラムネ屋さんって何ですか…?」
この質問に、冬真はただ困ったような表情を浮かべる。
いきなり質問してしまったからだろうか。
「ごめんなさい。ちょっと聞いてしまって…」
「……この前のラムネ屋集団のなかにそういう奴等がいるっていう報告は受けてる。
だけど、それが絶対存在するともしないとも今の段階じゃ断定できない」
「そう、なんですね。…悪い人なんでしょうか?」
「少なくとも、今の僕たちからすれば悪い人だよ。動機が何であれ、違法薬物を売りつけるのは悪いことだから」
冬真はそう話して私に向き直る。
「…君はあいつと接触したの?」
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