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夏彦ルート
第59話
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珍しく夏彦が焦っていて、その姿に少しだけ驚いた。
「…冬真のところに届け物を渡してたら、ショーの手伝いを頼まれたって話してた。
ショーには間に合わなかったみたいだけど、まさかこんな事態になってるなんて思わなかった」
「ハル、」
「冬真たちがいるなら、彼女と一緒にいてもらえばいい。秋久にだけは手伝ってもらった方がいいかもしれないけどね」
春人さんは間髪入れずに話し続けて、夏彦を独りで行かさせないようにしている。
「大丈夫、手負いひとりで無理でも俺たちは強いから」
「…お願いします。独りで行かないでください」
頭を下げると、夏彦は困ったような表情を向けた。
「分かった、俺の負け。…だけどもし、まずい状況になったら、」
「おまえも連れて逃げる」
春人さんにはなんでもお見通しみたいで、夏彦がふっと息を吐く。
「本当に敵わない」
そうして元の部屋に戻ると、秋久さんたちがソルト相手に苦戦していた。
「やっぱりなかなか人にはなつかないのか」
「秋久さん、もう少し前に…春人、来てたの?」
「ついさっき来ましたので、ショーには間に合いませんでした。
…すみません、時間がないので手短に話しますね」
春人さんが事情を大まかに話すと、秋久さんがため息を吐いた。
「…成程な、状況は理解した。それなら俺も行かないと…冬真、ここを頼む」
「え、うん…分かった」
話はあっという間にまとまって、3人が裏口に向かって歩いていく。
その途中で夏彦がふり返ってこちらに駆け寄ってくる。
そして優しく頭を撫でてくれた。
「それじゃあいってきます。…月見ちゃん、すぐ戻ってくるからそんなに心配しないで」
「すみません。私が強かったら一緒に行って役に立てたのに…」
「充分だよ。ありがとう」
心配で仕方ないけれど、他のふたりが一緒なら多分大丈夫だろう。
「…もどかしい?」
「え、あ、はい。何かできればと思うのですが、私は弱いので…」
「そう。それならそれなりの戦い方があるけど」
「え…?」
冬真さんはそう話すと、何か小さな機械みたいなものを取り出した。
「…多分これであの人たちを追える」
「そんな方法、思いつきませんでした…」
「まあ、一般の人にはできないだろうけど。これで見られるはず」
それを大きなモニターに繋ぐと、すぐに映像が写し出される。
「…まだ来てないみたい」
「そう、なんですね」
ソルトが悪戯しないように気をつけながら、画面の様子を見守る。
そうしてしばらく見ていると、夏彦に危険が迫っているのを感じた。
「あ、あの…」
「何?」
「これって、向こうの人たちとお話できますか?」
「一応これを使えばできるけど、」
「お借りします」
走っても間に合わないと判断した私は、画面に少ししか写っていない夏彦に声をかけた。
「…夏彦、気をつけてください。近くにちょっと怖い雰囲気の人たちがいます」
「…冬真のところに届け物を渡してたら、ショーの手伝いを頼まれたって話してた。
ショーには間に合わなかったみたいだけど、まさかこんな事態になってるなんて思わなかった」
「ハル、」
「冬真たちがいるなら、彼女と一緒にいてもらえばいい。秋久にだけは手伝ってもらった方がいいかもしれないけどね」
春人さんは間髪入れずに話し続けて、夏彦を独りで行かさせないようにしている。
「大丈夫、手負いひとりで無理でも俺たちは強いから」
「…お願いします。独りで行かないでください」
頭を下げると、夏彦は困ったような表情を向けた。
「分かった、俺の負け。…だけどもし、まずい状況になったら、」
「おまえも連れて逃げる」
春人さんにはなんでもお見通しみたいで、夏彦がふっと息を吐く。
「本当に敵わない」
そうして元の部屋に戻ると、秋久さんたちがソルト相手に苦戦していた。
「やっぱりなかなか人にはなつかないのか」
「秋久さん、もう少し前に…春人、来てたの?」
「ついさっき来ましたので、ショーには間に合いませんでした。
…すみません、時間がないので手短に話しますね」
春人さんが事情を大まかに話すと、秋久さんがため息を吐いた。
「…成程な、状況は理解した。それなら俺も行かないと…冬真、ここを頼む」
「え、うん…分かった」
話はあっという間にまとまって、3人が裏口に向かって歩いていく。
その途中で夏彦がふり返ってこちらに駆け寄ってくる。
そして優しく頭を撫でてくれた。
「それじゃあいってきます。…月見ちゃん、すぐ戻ってくるからそんなに心配しないで」
「すみません。私が強かったら一緒に行って役に立てたのに…」
「充分だよ。ありがとう」
心配で仕方ないけれど、他のふたりが一緒なら多分大丈夫だろう。
「…もどかしい?」
「え、あ、はい。何かできればと思うのですが、私は弱いので…」
「そう。それならそれなりの戦い方があるけど」
「え…?」
冬真さんはそう話すと、何か小さな機械みたいなものを取り出した。
「…多分これであの人たちを追える」
「そんな方法、思いつきませんでした…」
「まあ、一般の人にはできないだろうけど。これで見られるはず」
それを大きなモニターに繋ぐと、すぐに映像が写し出される。
「…まだ来てないみたい」
「そう、なんですね」
ソルトが悪戯しないように気をつけながら、画面の様子を見守る。
そうしてしばらく見ていると、夏彦に危険が迫っているのを感じた。
「あ、あの…」
「何?」
「これって、向こうの人たちとお話できますか?」
「一応これを使えばできるけど、」
「お借りします」
走っても間に合わないと判断した私は、画面に少ししか写っていない夏彦に声をかけた。
「…夏彦、気をつけてください。近くにちょっと怖い雰囲気の人たちがいます」
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