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黄乃本 遥 続篇
第7話
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《回想》
☆「真人」
▲「...」
真人はどんどん森の奥へと進んでいく。
その当時、このあたりは開発の土地だった。
『危険!』という看板を押し退け、遥は真人を追いかけていた。
真人にはある事情があり、全てを投げ出そうとしていたのだ。
それにいち早く気づいた遥は、真人を止めるつもりで追いかけ続けた。
そこで見えたのが、木々が重なりあっている場所だった。
▲「やっぱりここは、綺麗だな...」
☆「真人!」
▲「遥?どうしてここに...」
☆「おまえ、また何か抱えこんでいるだろう」
▲「...どうして遥には分かっちゃうのかな」
真人は苦笑しながら、話しはじめた。
▲「ちょっと嫌なことがあって...。でも、遥も何か悩んでいるでしょ?見ていれば分かるから」
☆「悪かった。最近家が煩わしくなってな...雪たちのことを追及されているんだ」
▲「そんなことが...」
そうして二人は、日が暮れるまで話しつづけた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆「それから俺たちは、時々ここで話をしていた」
遥は話を少し省略しながら、当時のことを思い出していた。
▲「懐かしいね」
☆「そうだな」
二人の笑顔を見て、黒羽はふわりと微笑んだ。
(遥が楽しそうでよかった)
▲「そういえば、今日はどうしてここに?」
☆「...どうなるのか、不安になってな」
どうなるのかというのは、恐らく会社の事だろう。
真人は遥をじっと見つめ、静かに語りかけた。
▲「みんなで一緒に考えよう。俺も情報を集めているし、雪が一生懸命何かしてくれているようだから。今は俺たちを信じて?」
☆「...ああ。俺の周りは、優秀なメンバーが揃っているからな」
遥はいつもの調子を取り戻したのか、余裕がある笑みを見せていた。
「私にも、何かできることはある?」
☆「ならば、料理を用意してほしい。...他の奴等も集めて、礼がしたい。材料は用意するが、俺は料理ができないに等しいからな」
「分かった」
▲「俺はそろそろ行くよ。みんなには伝えておく。明日行ってもいい?」
☆「ああ」
「明日...!どうしよう、何を作ろうかな」
☆「おまえが好きなものを言ってくれればいい」
「う、うん...」
そのあと、黒羽の頭の中は献立のことでいっぱいになっていた。
☆「真人」
▲「...」
真人はどんどん森の奥へと進んでいく。
その当時、このあたりは開発の土地だった。
『危険!』という看板を押し退け、遥は真人を追いかけていた。
真人にはある事情があり、全てを投げ出そうとしていたのだ。
それにいち早く気づいた遥は、真人を止めるつもりで追いかけ続けた。
そこで見えたのが、木々が重なりあっている場所だった。
▲「やっぱりここは、綺麗だな...」
☆「真人!」
▲「遥?どうしてここに...」
☆「おまえ、また何か抱えこんでいるだろう」
▲「...どうして遥には分かっちゃうのかな」
真人は苦笑しながら、話しはじめた。
▲「ちょっと嫌なことがあって...。でも、遥も何か悩んでいるでしょ?見ていれば分かるから」
☆「悪かった。最近家が煩わしくなってな...雪たちのことを追及されているんだ」
▲「そんなことが...」
そうして二人は、日が暮れるまで話しつづけた。
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☆「それから俺たちは、時々ここで話をしていた」
遥は話を少し省略しながら、当時のことを思い出していた。
▲「懐かしいね」
☆「そうだな」
二人の笑顔を見て、黒羽はふわりと微笑んだ。
(遥が楽しそうでよかった)
▲「そういえば、今日はどうしてここに?」
☆「...どうなるのか、不安になってな」
どうなるのかというのは、恐らく会社の事だろう。
真人は遥をじっと見つめ、静かに語りかけた。
▲「みんなで一緒に考えよう。俺も情報を集めているし、雪が一生懸命何かしてくれているようだから。今は俺たちを信じて?」
☆「...ああ。俺の周りは、優秀なメンバーが揃っているからな」
遥はいつもの調子を取り戻したのか、余裕がある笑みを見せていた。
「私にも、何かできることはある?」
☆「ならば、料理を用意してほしい。...他の奴等も集めて、礼がしたい。材料は用意するが、俺は料理ができないに等しいからな」
「分かった」
▲「俺はそろそろ行くよ。みんなには伝えておく。明日行ってもいい?」
☆「ああ」
「明日...!どうしよう、何を作ろうかな」
☆「おまえが好きなものを言ってくれればいい」
「う、うん...」
そのあと、黒羽の頭の中は献立のことでいっぱいになっていた。
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