魔女の理想郷で〜それは誰かを待ち続ける少女の話〜

無月

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2章 約束と忘れた思い出

19.事件と驚き

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双子の屋敷の探検に付き合いながらいつもより遅く食堂へたどり着いた真夜は部屋中に広がるいい匂いにくぅ、とお腹を小さく鳴らした

「あら、魔女さま!おはようございます」
「もう、おそようかしら、夕飯いい匂いだから楽しみだわ」
「もう少しで出来上がるのでお待ちくださいな」

そう言ってキッチンに戻るエーデルの背を見送り双子と共に夕食は何かとワクワクとしながら笑いあった

◇◆◇◆◇◆


カチャカチャとエーデルが用意してくれた食事を食べながらじいやに言われた言葉を聞き返した

「来れなくなった?」
「えぇ、何でも事件に巻き込まれたそうで」
「事件?あの子が?」
「商人と言うだけで疑われたそうですよ」

あら大変ねと話していると口元を汚しているクロエの世話を焼いていたリオンがおずおずと「どんなかななんでしょうか?」と聞いてきた

「あら?知らないかしら、貴方たちのお兄さんを保護してくれた商会の会長よ」
「え、お兄様の?!」
「はい、今回はエーデル嬢のお兄様もコチラに参ると聞いていたのですが…
手紙の様子から見るにどうなる事やら…」
「しかし珍しいわ…あの子がこんな厄介事に引っかかるだなんて」

昔から、生い立ちと、天性の感の良さから幾度もの修羅場を乗り越えてきた彼が巻き込まれただなんて、かなり大事なものなのでは無いだろうか…?
心配だし、ネコに頼んで送り込もうかしら…

「ですので、双子の洋服も頼んでおきました
…お嬢様?」
「…ん?なんて?
ごめんなさい、考え事してたから…」
「いえ、王族貴族絡みの事件だとの事ですので到着が送れるようです。
ですので、双子の洋服をもってきてもらえるように頼んでおきました。」
「まぁ、思っていた以上に厄介だわ…
やっぱりネコを放っておきましょう
なるほど、ありがとう」
「それが良いかと」

今あの子がどこの国に居るのかは分からないが巻き込まれたのなら本拠地にしている国では無いのだろう。あの国だったならついでにネコたちにお使い頼めたのに、だなんて、余計な事を考えながら双子の頭を撫でた

「お兄様…ご無事かしら…」
「あぁ、魔道具があったとしても生身を狙われてしまってわ…」
「まぁ、万が一何かあってもあの子が何とかするわ
鍛錬を怠っていなければ簡単な魔法も使えるはずだし…」
「あの子って…会長さんの事ですよね…?
魔法が使えるって…!どうして商人なんてやっているのです?!」
「そんな…私が教えたの簡単なものよ?
それにあの子は最初っから商人を目指していたし…」
「本来魔法が使えるだけで国の魔法使いと召し上げられる存在なんですよ…!!」

頭を抱えるリオンに、あぁだからあの国の王族は妙にあの子に腰が低いのかと納得した。

「まぁまぁ…
さて、いつ頃来れるのかしらねぇ…」
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