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【番外編】4(犬山side)
しおりを挟む俺、犬山直樹は男に恋をしている。
別に男が恋愛対象とかそういう趣味ではない。最初は彼に対しても友人として普通の感情を持っていた。
しかし、近づけば近づくほど俺の心を惹き付けられる。ノリが良くて優しいし一緒にいて楽しい。男子校の寮生活なんて華が無くてちょっと嫌だなんて思っていたが、そんな考え直ぐに吹っ飛んだ。今は彼女よりも友達といた方がずっと楽しい。まあ女の子は可愛いけどふざけてワーワー騒ぐ事なんて出来ないし、それに比べて男の方が楽しいんだろーな。
しかし、そういうことでは無いことに俺は気付いてしまったのだ。
「犬山ー!ぶち殺せ!!」
「へーい、犬山ぶっちぎっていきまーす」
猫宮の声に応え、画面の向こうにいるゾンビに銃を向ける。
その日はゲーセンにあるゾンビのシューティングゲームを楽しんでいた。
暗闇の中腐った肉塊が迫ってくるのはゲームといえど、結構ビビる。だが、隣にいる猫宮が恐怖どころか笑顔でゾンビの頭を撃っている為、恐怖心は薄れた。暗闇でよく見えないが、猫宮は真っ黒な瞳を細め生き生きとしてる。てかよく見たら睫毛長ぇな。目細めたら睫毛で瞳見えねえし。
「おい、犬山!」
猫宮は突如目を見開き、俺の名前を呼ぶ。視線を画面に移すと、もう近くまでゾンビは迫っていた。
「ギャァアアアア!!猫宮、死ぬな!!!」
情けない声で叫び、咄嗟にゾンビに背を向け猫宮をしっかりと抱き締める。その後GAME OVERと低い機械音で告げられ、照明が付いた。
しかし未だ胸が釘を打つように痛く動悸を繰り返す。すると、腕の中にいるものが震え始めた。パッと腕を離して彼の顔を覗くと、猫宮は耐えきれないといったように吹き出した。
「ぶっ、犬山、お前俺の彼氏かよ!ははっ」
ヒーヒーと腹を抑えて馬鹿にするように笑う彼に対して、いつもは怒るがその時は体が硬直して中々声を出せなかった。
「ん?犬山?」
「……か、彼氏。ま、まあ俺は彼氏だって錯覚させちゃう程イケメンだからな!惚れるなよ?」
「調子乗るな」
はははは、と肩を組み笑い合う。そしてさっきの恐怖なんて吹っ飛んだように次はどこ行くかと会話を交わす。だが、俺の心臓は未だ動悸が激しいままだった。
彼氏、カレシ、karesi……。
猫宮の声が頭から離れない。横を見ると猫宮の白い肌にほんのりと頬に淡い赤が染まっているのが見えた。ゲームに熱中していたせいか汗が首を伝う。柔らかいがクセのある毛を靡かせて、白い歯を見せて笑う。
「……見過ぎ。惚れるなよ?」
俺の真似をしたようにニッと笑う姿に、完全にノックアウト。俺の心臓は大砲で撃たれたように胸がきゅっと締め付けられた。
自分が信じられない。相手猫宮じゃん!普通のそこら辺にいるような男じゃん!何でこんなにドキドキしてんだよ!目を覚ませ!
猫宮は男猫宮は男、と脳内で反芻するがやっぱり胸のドキドキは止まらない。その日は猫宮を見る事が出来ず、無理矢理理由を付けてその場から逃げ出した。
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