問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第三章  【王国史】

3-98 誤った力

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「まぁ、それはうちの秘蔵品の一つなんだけどね……」




「ヴァスティーユ!!」




エレーナもこれで会うのは二度目になる。






「また、あなた達?私たちに付きまとうのは、いい加減にしてほしいわね……ホント」






呆れたように手を広げて肩をすくめるヴァスティーユが、自分の名前を呼ぶエレーナに告げる。






「……これは、お前が仕組んだことなのか?」







ステイビルは視線をヴァスティーユに移し、ヴァスティーユがここに来た真意を確かめる。

ヴァスティーユは、ハルナの顔をチラッとみて視線をステイビルに合わせた。






「偶然よ……偶然。たまたま、このドワーフに縁があっただけ。なんだか、私好みないい匂いがしてたからね、声をかけてみたのよ。そしたら力が欲しいっていうじゃない。だから、貸してあげたのよ剣をね」





「ブウムは……こうなる可能性があることを知っていたの?」





怒りの感情を抑えつつ、サナがヴァスティーユに問いかける。
声がした氷の壁の向こうに目線をやり、話しかけられたドワーフに答えを返す。




「えぇ……もちろん伝えたわ。この剣が闇の力を持った剣であることも……ね。そのうえで、彼はこの剣を持つと決めたのよ……アナタのためにね」





「――ヴァスティーユ!!」






明らかにサナを惑わそうとしていると感じ、エレーナが氷の球を浴びせる。





しかし、その攻撃はヴァスティーユの周りで守っている黒い霧に当たり腐食して届くことはなかった。




「ちょっと、行儀が悪いんじゃない?親の顔が見たいわね……ったく。いまは、この娘と話してたでしょ?あんたたちは、そんな卑怯なやり方するのね……」




ヴァスティーユは嫌味がたっぷりと乗った目つきで、エレーナのことをほくそ笑む。




「このぉ……」



エレーナが次の攻撃を加えようとしたその時、アルベルトから止められた。




「よせ、エレーナ!」



「で、でも……!?」




「くっくっくっ……そうそう、おとなしくしてなさい。どうしてもっていうなら後でちゃんと相手してあげるから……ただし、この世から消えてもらうことになるけどね」





「それで、私のため……とはどういうことでしょうか?」





「サナ!?」






その質問を、イナがサナの肩に手をかけて止めようとした。
しかし、サナはヴァスティーユから視線を逸らさず身体をねじりその手を外した。






「聞きたいでしょ?なぜこのドワーフがこうなった理由を」






サナは怒りを必死にこらえながら、ヴァスティーユの姿だけを見つめる。
自分には攻撃をする魔法も技術もない、何かあった場合は殺されるかもしれない。



だが、気持ちで負けてはいけないとヴァスティーユと対峙した。






「……ふん。ま、いいわ。このドワーフはね、力が欲しかったのよ。誰にも負けないような力が……この町はいま二つの派閥があるそうね、町を解放することの賛成派と反対派がね。でも、この町の”長老たち”は自分の意見に賛成してくれなかった。あまつさえ、自分の反対の意見の方に耳を傾けるようになっていた……そう聞いていたわ」



「そうね……間違いではないけど、そう捉えられても仕方がなかった。一方的に相手を従わせるだけじゃだめなの、でなければ大勢の人が不幸になってしまうから」






サナは、意識をなくし黒剣に取り込まれそうになっているブウムの姿を見ながらそうつぶやいた。





「だけど、このドワーフはその方法しか思いつかなかったのよ。暴力という手段しか……ね。そのためには圧倒的な力が欲しかった、自分のライバルにも勝てる力が欲しかったのよ」




「だが、そんなの擬物の力を得たところで……何も変わりはしないんだ。ブウムよ」





デイムが吐き捨てるように、聞超えてはいないであろうブウムに対して言葉を投げかける。






「それで、私のためって……」





サナがもう一度、その言葉の意味を訪ねた。






「あら、本当にわからないの?……この男も可哀想ね、デイムって言ったわね?あなたも……」





その言葉にデイムは、下衆な笑顔でみるヴァスティーユの顔から眼をそむけた。







「この男はね、好きだったのよ。あなたのことが……自分がドワーフをまとめて、あなたの傍に居たかったみたいね。長老と一般市民じゃあね、つり合いなんて取れないでしょ?」








その言葉を聞いて、サナは呆然とする。
足の力が抜けて、膝を床に付けた。


その身体を支えたのは、たまたま近くにいたブンデルだった。








「わたしの……せい?」




「違う……サナのせいじゃない!」








ブンデルは、サナの近くで励まそうとする。
が、ヴァスティーユはさらに楽しそうに追い打ちをかける。




「ブウムも可哀想よね、今まで気付いてもらえないんだからね。結構あなたにアピールしてたみたいだけど、本人が気付いてないなら、それは全くの無意味よね!!」





言い終えたヴァスティーユは、声に出して笑った。
それを聞いている周りの者の気持ちを、小馬鹿にして逆なでするかのように。



だが、サナの耳にはその笑い声も届いていない。
自分のために、ブウムがこんな姿になってしまった。




「……さて、そろそろ魔剣が目覚めそうね」





いままで ジュンテイから吸い取っていたものをヴァスティーユから吸収していたようだ。
実はヴァスティーユはそのことに気付いていて、時間を稼いでいただけだった。





「それじゃ、私はここで帰るわね。後は、この剣に任せるわ……アナタたちがいなくなったらこの剣回収しに来るから、せいぜい頑張ってね」




「待ちなさい!!」





そう言い残してヴァスティーユは姿を消し、意識のないブウムはゆっくりと剣を杖にして身体を起した。









意識のないブウムはゆっくりと剣を杖にして身体を起した。

その表情は険しく、もはや目の前にいるものが敵か味方かの区別や大切な人の判断も付いていない。



サナたちもブウムの名を何度も呼ぶが、戸惑うそぶりすら見せない。





「グルルルル……」




先ほどとは違った様子を見せるブウム、アルベルトのことを警戒しているようにも思える。





「……?」




不思議に思うステイビルは、あることに気付いた。



「アルベルト、その剣少し私に貸してくれないか?」



「あ、はい」





アルベルトは腰に掛けていた剣を外し、鞘に入った状態でステイビルに渡した。






「グワァッ!!」






今度は、ステイビルに対してブウムが牙をむく。





「やっぱり……この剣が。これはジュンテイ殿から頂いた剣だったな」






そいうとステイビルは、再びアルベルトに剣を返した。



「はい、このドワーフの町を訪れた人間が、置いて行った剣だとも聞いています」



アルベルトもすぐに対応できるように、渡された剣を素早く腰に収めた。






再び警戒する剣が移動したことにより、ブウムは緊張が最大に達し今にも襲い掛かろうとしている。


ブウムは低い体勢で剣を身構え、飛び出す準備をしている。






「……来るぞ!」



その声と同時に、ブウムはアルベルトに襲い掛かる。

アルベルトは素早く刀を抜いて、ブウムの突きを刀でいなす。



弱った意識の中、ジュンテイはアルベルトの剣の技量に感心するが今はそれどころではない。
ドワーフの問題のために、人間がその対処をしてくれている。







――ギン!!ギャリ!!カン!!!






ブウムはアルベルトの技術とは反対に、力任せにただ剣を打ち付けるだけの攻撃を繰り返してくる。




しかし、アルベルトは瞬時にしてその方向と速さを感じ取り、どの角度で刀を合わせればいいかを計算し最小限で弾く。


自分の攻撃が全く無意味なものであることを感じたブウムは、苛立ち始め大振りになりその攻撃も単調になり始める。
そして疲労が見え始めたのか、打ち付ける力も徐々に抜けてきている。



そのことをアルベルトは見逃しはしない。




ブウムが振り下ろした剣は、アルベルトによって軌道を変えられ床に突き刺さった。
剣が抜けず、動きが不自由になり戸惑いを見せている。




(――今だ!)



アルベルトは、剣を握る手が床から離れない事をチャンスと思い、その両腕を切り落とそうと刀を振り上げた。




その時……





「――ま、待ってくれ!!」




振り下ろされた刀は、丁度肘関節部の手前で止まった。




「どうしました……デイム殿」





ステイビルが、その声の主に問いかける。







「その手を切り落とすのは、待っていただけませんか?





「それは、どうしてですか?」






「もし……もし、ブウムが助かる方法があるのなら、腕を切り落とされてしまっては生きていくことが難しくなります。他の方法は……ありませんでしょうか」




ブウムの言葉に、イナたちも頷く。



とはいえ、凶暴化してしまったブウムを止めるにはこれ以上のチャンスはない。





ステイビルはとにかく、このチャンスを逃さない様にエレーナにはまり込んだ剣の床を凍らせてもらった。
闇の力による浸食で氷は解けていくが、その上から更に凍らせることにより時間を稼ぐことができた。






「それで……何かいい方法はあるのですか?」





ステイビルは、デイムに対して質問をした。

しかし、その答えが返ってくることはなさそうだった。






「始めの頃、凶暴化したブウムはこの刀に何かを感じていましたね?」




そう告げたのはアルベルトだった。




「……もしかして、その刀に怯えているんじゃないか?」






ジュンテイが、気付いたことを口にする。



ブウムはもともと、黒剣の魔力によって魔物となってしまった。
この行動は全て、剣の意思による行動ではないかと推測した。





「……この刀も、もとはと言えばどこからか来た人間が使っていたものだった。何かの不思議な力を持っていても不思議じゃない」


「それで、この”刀”はどのような力が……?」


「いやそこまでは……な。今までずっと、誰の手にも渡しておらんかったからな。だが、あの変わってしまったブウムの反応から、そう思っただけさ。魔物もどちらかといえば知性は低く野生の動物に近い存在だからな、本能のままに生きているのだろう。強い者に従い、弱い者には蹂躪し、敵は排除する」


「それをこの刀に感じ取った……と?」








ジュンテイは、ステイビルの言葉に言葉なく頷く。


アルベルトはその話しを聞き、刀を目の前の高さに持っていき、刃に描かれた特徴的な波の模様を眺める。





「……もうダメ。時間切れよ!」






――バン!!



「ギシャァアアアア!!!」





エレーナがそう叫ぶと、黒剣を抑えていた氷が弾け飛んだ。


魔物と化したブウムは、体力を回復させ復活した様子だ。




「す、すみません。あなた方にとってはせっかく好機だった状況を」



デイムが、アルベルトに詫びる。






「いや……あなた方の仲間を想う気持ち、わかります。それと、何とかブウムさんの身体の傷付けぬように努力いたします」




「うん、さすがアル!!私も協力するわ」


「わ、私もお手伝いします!」




「……それじゃ、第二試合といくか。相手がお待ちかねだ」




そういうと、ハルナたちは再び黒剣と対峙した。












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