問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第三章  【王国史】

3-71 水脈を探して

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翌日、ステイビルたちはエルフと共に山に入っていく。



まずは、集落の水が湧き出る泉から山に向かい、エルフの力で水脈をたどっていく。

だが、水脈が枯れているため追跡がなかなか難しい状況だった。








「……ということは、あまり状況は変わってないですね」



「そうだな、これでは初めの状況と何も変わっていないな」








エレーナの言葉にステイビルも同意する。



ブンデルは、背中に冷や汗をかいている。




自分のせいではないとわかっていても、自分の能力が役に立っていない。
この状況に、また用無しの烙印が押されてしまうのではないかと、ハルナたちにバレない様に焦る心を必死に抑えていた。









「ブンデルさん……」


「え!?……あ。ご、ごめんなさい!」








ハルナから急に声を掛けられて、思わず誤ってしまった。







「いえ、別にブンデルさんが誤ることでは……それよりも、他に何か判ったりしないですかね?」




「あぁ、そうだね。水脈は枯れているが、少しは流れているみたいだ。だが、少なすぎるのと山を上がっていくと地面が厚くなっていくので、追いづらくなっているな」







その言葉に対し、エレーナはひらめいた。







「って言うことは、水の量が増えればその流れを追えるっていうことね……」



「ま、まぁそうだな。だけどそうするには、上の方から水が流れてこないと……」



「ヴィーネちゃん。下の水を感じ取れる?」


「うん、多分。……あ、これかな?」



「――え?」







ブンデルは驚きと同時に、恐怖を感じる。
もしも、本当に精霊に見えてしまうと、自分がここにいる必要性が亡くなってしまうからだった。







「じゃあ、そこから上に向かって水を送ってみて」



「わかった!」








……ゴゴゴゴ



地響きを鳴らしながら、水が重力に逆らい逆相をしていくのを振動で感じる。
そして、ボン!と音が鳴り響き山の中腹から噴水のようなものが立ち上っているのが見える。






「な、なにアレ!」



「あそこに何かありそうだな……行ってみよう!」






そういって、ステイビルは水が噴き出ている場所を目指して山を登り始め、ステイビル、エレーナ、ハルナとその後を追いかけていった。






「……え、あ。ちょっと待って!?」







呆気に取られていたブンデルは置いてけぼりになりそうだった、急いでステイビルたちの背中を追いかけていった。





山の中腹点前に登ってきたところで追いついたハルナとエレーナは、ステイビルとアルベルトが何かを調べていることに気付いた。





「はぁはぁ……どうか……したのですか?」




「うむ、ここの辺りを見てくれ」




高い木の下に草木が生い茂っており、ステイビルはその周辺一帯を見るように促す。




「――?これが何か?」




「……わかりませんか?不自然な草木の生え方をしているんですよ」





追いついたブンデルが、ステイビルが指摘した違和感に気付く。




「そう言われてみると……」



草木が枯れ気味な周囲一帯で、ある周囲だけ元気に生い茂っている場所がある。




「これは、エルフなどが使う”自然の力”によって人工的に造られた場所ですね」




「自然の……力?」





ハルナが、聞き慣れない言葉に聞き直した。



「そうです。ちょっと見ててください」






ブンデルはもともとあった場所とは別の方向を向き、ゆっくりと息を吸い込む。





『健やかなる成長を……”ログホルム”』




その言葉が唱えられた途端、周囲の草木が反応をして枯れかかった草が勢いよく成長していく。
そこには、明らかに何らかの力によって作られたといった感じの緑が出来上がった。






「す……すごい!」





エレーナも初めて目にするエルフの力に驚き、思わず声を挙げてしまう。




「と、こういうような力を使ったものがいるということです」




「ということは、エルフがこの近くにいるのですか?」





アルベルトが、ブンデルに確認をした。




「いいえ。私の知る限りでは、この辺りにはエルフは居ないはず……」



「では一体……誰が」



「わかりません……とにかく、注意してください」



「何か罠が仕掛けてあるかもしれん。ゆっくりと一列になって進んで行こう」



ステイビルの提案で、ハルナたちは横一列になって足元を木の枝で刺して確かめながら進んで行く。
次第に地面が先ほどの噴水の影響か、湿りを帯びてきだした。



何かに近付いている気配を感じ始め、さらに注意して列を進めていった。






そして、ハルナたちは先ほどの水が噴き出ていたと思われる穴を発見した。
辺りは水浸しで、ハルナたちの服も草木に付いていた水で濡れてしまっていた。



「あーあー。誰かいますかー」



ハルナは垂直ではなく斜めに開いた穴をのぞき込んで、。
だが、声は響くだけで何の音も返ってこなかった。




「ハルナ……それは、子供がやる行動よ?」






エレーナは、ハルナの行動をみて呆れる。



「えへへへ、エレーナもやりたいんじゃないの?……あ。」





――ボコっ





照れ隠しで笑いながら、頭を掻くハルナの足元が崩れ落ちる。







「きゃああああああ!!」




「ハルナ!ハルナァァ!!」




「エレン!危ない!!!」




ハルナは崩れた穴の中に滑り落ちて、エレーナたちの前からその姿を消した。



その穴の中を覗き込み。ハルナの名前を叫ぶエレーナ。
アルベルトは脆くなった地面が危険と感じ、穴からエレーナを引き離した。




穴からは、ハルナの声は聞こえてこなかった。










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