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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ
第337話:有効活用。別名、押し付け
しおりを挟む生産者組とは、ここでまた別れる事になった。
相変わらずお金は受け取ってもらえないので、インベントリにある訳の分からない素材を押し付け……譲る事にした。
とりあえず肉以外は要らなエヘンオホン使えなゴフゴフ邪魔……言い方を変えてもどうしようも無いな。肉以外は俺には必要の無い無駄な物なので、欲しい物を選ばせる事にした。
「勿体ないから売ったら良いんじゃないですか?」
俺がインベントリから取り出して並べていく物を見て、綺羅が提案してくる。
いやいやいや。
「同盟の綺羅やリコンスがあれだけレベルアップするほどの戦闘回数だぞ?金に困ってると思うか?」
あ~みたいな、ちょっと残念な物を見る視線を三人に向けられる。
綺羅は解るが、残り二人に同じ視線を向けられるのは納得いかんけどな。
幻想世界では、ドロップ品はボス以外はフィールドに落ちるが、お金は全て直接インベントリへ入る。
拾い忘れられても困るからだろう。
金額は、経験値と連動しているのか貢献度で違う。
世知辛い設定だよな。うん。
同盟でなくパーティーなら均等割なのも経験値と同じだ。
余談だが、俺がログオフ中に従魔が倒した分もちゃんと増えるからな。
「そうですよね。同盟なのに1億F\増えてました」
遠くを見つめる綺羅の台詞に目を見開いたのは、爺さんと斗苫斗的だけではない。
俺もだ。
リッチブルか?リッチブルのせいなのか!?
え?綺羅が1億増えたって事は、俺は?
もうね。金額がどっかの国家予算を越えた時に怖過ぎて、それ以来金額をちゃんと確認していない。
【桜屋】で凄い久しぶりに見た残高は、0が増えていた。見ないフリをした。
インベントリから出した物を全て有効活用出来て満足した俺は、生産者三人とにこやかに別れた。
三人が疲れた顔をしていたのは、気のせいだろう。
「三人が引き取らなかったら、ここに置いていくだけだから」
と言った俺は悪くない。多分。おそらく。
「ところで、皆暑くないのか?『むつきしま』は夏だぞ?」
ポンチョやら何やらを着ている従魔達。
<むしろ着ている方が快適なのじゃ>
ユキの尻尾が激しく揺れている。
そうか。綺羅の服だったな。
<全然重くないし、動きも阻害しないにゃ>
スピネルが2本足で立ち上がり、クルクルと回ってみせる。
歩くのは四つ足なのに、カトラリーは使うし、2本足で立ち上がって回る事も出来るのか。
ケット・シーは今までの従魔ともまた違う感じだよな。
動物と獣人の間みたいな感じ?
レベルが上がったら二足歩行になるとかか?
ちょっと楽しみだな。
キャッキャと楽しそうに歩くチビッ子組をガルムの上から眺める。
スピネルもチビッ子組に仲間入りしているので、要はガルムとユキとムンド以外はチビッ子組になるのか。
ムンドはイキった中学生なので、素直に仲間に入れないだけなのだが、本気で遊びたい時には仲間に入れて貰ってるから良いだろう。
本当に思春期の中学生だな!
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