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最終章
第375話 レイの戦い
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◇◇◇
デ・スタル連合国とフォルド帝国の国境にある広大なビオル湿原を流れるモルシュ河は、満月の日に両岸を繋ぐ浅瀬が現れる。
その天然の橋に、白狂戦士と化したモンスターたちが侵攻。
モンスターの種類は、最低のEランクから最高のAランクまで多岐にわたる。
身体能力が数倍に跳ね上がる白狂戦士。
アルの体感ではランクが二つ上がり、EランクはCランク、CランクはAランクと同等になる。
Aランクともなると、固有名保有特異種を遥かに凌ぐ能力だ。
狂戦士毒によって白くなった眼球を大きく見開き、牙を剥き出しながら浅瀬を進むモンスターたち。
だが、浅瀬の中央から先に進むことは叶わなかった。
紺碧色の鎧を纏う一人の剣士が浅瀬の中央に立つ。
ラルシュ王国の王妃レイだ。
レイの前にCランクの赤頭熊が出現。
咆哮を上げながら巨大な爪を振り上げる。
三メデルトの巨体から繰り出される大爪が直撃すれば、人間など跡形もなく消えるだろう。
だが、グリーズが大爪を振り下ろすことはなかった。
鈍い音を立て、砂地に転がるグリーズの頭部。
さらに猛火犖の突進や、腐食獣竜の群れも瞬時に首を斬り落としていく。
後頭部で一本に結わった金色の髪が大きく揺れる度に、一頭のモンスターの首が飛ぶ。
まさに神速だ。
「相変わらず信じられない強さだな」
「あ、あれが今のレイ様の実力なのか……」
レイの十メデルト後方で控えているリマとウィル。
剣を抜き構えているが、まだ二人の元にモンスターは到達していない。
レイの強さに加え、レイの両脇にいる始祖の存在が圧倒的だった。
雷の神のエルウッドと、火の神のヴァルディだ。
エルウッドが広範囲に雷の道を放ち、モンスターの動きを止める。
ヴァルディは全身に炎を纏い、炎の矢となりモンスターの首を消滅させていく。
「エルウッドの凄さは知っているつもりだったけど、この雷は想像を絶するな」
「あの馬はヴァルディだっけ? 炎を纏ってるんだけど……」
これまでレイや始祖たちと行動していたリマですら驚いている。
始祖の戦いを初めて見るウィルは、ただ呆然と眺めていた。
――
すでに百頭以上は斬っているレイと始祖たち。
「ウォン!」
「ヒヒィィン!」
「大丈夫よ! あなたたちこそ無理しないで!」
始祖二柱に声をかけられたレイが、モンスターを斬りながら答えた。
呼吸は乱れておらず、体力に余裕が感じられる。
「ウォウウォウ!」
エルウッドが吠えると、レイはこれまでと違う気配を察知。
剣士としての本能が全身に危険信号を送る。
「あれは!」
森の食物連鎖の頂点で、暗殺者と異名を持つAランクの槍豹獣が出現した。
「サ、サーベラル!」
レイが叫ぶと同時に姿を消し、猛烈なスピードでレイに襲いかかる。
「速い!」
すかさずヴァルディが突進。
岩と岩が衝突したかのような音を発生させ、サーベラルの攻撃を防ぐ。
サーベラルは身体を捻り、しなやかに着地。
そこへ間髪いれず、エルウッドが雷の道を放出。
だが、そこにサーベラルの姿はない。
「ダーク・ゼム・イクリプス以上ね」
白狂戦士となり能力が底上げされたサーベラルは、かつてアルが激闘の末に討伐したサーベラルのネームド、ダーク・ゼム・イクリプスを超えるスピードだった。
姿を消したサーベラルは、すでにレイの眼前に迫っており、右爪を振り下ろしている。
「ヴァルディ、エルウッド。ありがとう。おかげで速さに慣れたわ」
ヴァルディとエルウッドの攻撃で、サーベラルの動きを見切ったレイ。
サーベラルの右爪は空振りとなり、レイの真横を通り過ぎながら地面に滑り落ちた。
首を斬られ、切断部から血が吹き出し、巨体が細かく痙攣している。
だが、すぐに新しいモンスターが現れた。
「レ、レイ様!」
後方からリマが叫ぶ。
「最悪だ……」
ウィルが声を漏らす。
リマもウィルもAランク冒険者として、モンスターの知識は豊富だ。
その二人が、前方に出現したモンスターを見て、全身に冷たい汗をかいている。
現れたのはAランクモンスターで、草原の王の異名を持つ牙獅獣。
体長は十メデルトもある大型モンスターだ。
風格のある鬣と鋭い大牙、四本の手足には巨大な爪。
まさに王の風格を持つ、四肢型獣類の頂点の一角である。
だが通常種のラーヴェなら二人は驚かない。
討伐経験もある。
現れたのはラーヴェのネームド、レ・オルだった。
名前の意味は地上の王者だ。
「まさか! レ・オル!」
レイもその存在に気付いた。
三十メデルトほど先で、ゆったりと歩くレ・オル。
二柱の始祖も警戒する。
「レイ様! レ・オルに集中して! 他のモンスターは対応します!」
「レイ陛下! こっちに回してください!」
リマとウィルがレイの元へ走る。
「そうね。さすがにレ・オルと戦いながら、他のモンスターは対応できないわ」
「討伐隊にも出てもらって、モンスターの突破を防ぎます」
「ええ、リマお願い。ここからは総力戦になるわね」
後方にはクロトエ騎士団団長のジルとデイヴが控えている。
「じゃあ、他のモンスターはこっちは任せてください」
「ありがとうリマ」
リマが後方に合図。
クロトエ騎士団の討伐隊が抜刀し、進軍を開始した。
「エルウッド、ヴァルディ、行くわよ」
「ウォン!」
「ヒヒィィン!」
レイと始祖二柱が、レ・オルに向かって走る。
「ゴウゴォォウォォォォ!」
レ・オルが咆哮をあげると、低音によって周囲の空気が振動。
身体の芯まで響く恐るべき音。
その咆哮を聞く者は、それだけで絶望的な恐怖心が生まれる。
レイは左手の指輪にそっと目を向けた。
「アル、力を貸して!」
そしてレ・オルに向かって、死の彗星を放つ。
◇◇◇
デ・スタル連合国とフォルド帝国の国境にある広大なビオル湿原を流れるモルシュ河は、満月の日に両岸を繋ぐ浅瀬が現れる。
その天然の橋に、白狂戦士と化したモンスターたちが侵攻。
モンスターの種類は、最低のEランクから最高のAランクまで多岐にわたる。
身体能力が数倍に跳ね上がる白狂戦士。
アルの体感ではランクが二つ上がり、EランクはCランク、CランクはAランクと同等になる。
Aランクともなると、固有名保有特異種を遥かに凌ぐ能力だ。
狂戦士毒によって白くなった眼球を大きく見開き、牙を剥き出しながら浅瀬を進むモンスターたち。
だが、浅瀬の中央から先に進むことは叶わなかった。
紺碧色の鎧を纏う一人の剣士が浅瀬の中央に立つ。
ラルシュ王国の王妃レイだ。
レイの前にCランクの赤頭熊が出現。
咆哮を上げながら巨大な爪を振り上げる。
三メデルトの巨体から繰り出される大爪が直撃すれば、人間など跡形もなく消えるだろう。
だが、グリーズが大爪を振り下ろすことはなかった。
鈍い音を立て、砂地に転がるグリーズの頭部。
さらに猛火犖の突進や、腐食獣竜の群れも瞬時に首を斬り落としていく。
後頭部で一本に結わった金色の髪が大きく揺れる度に、一頭のモンスターの首が飛ぶ。
まさに神速だ。
「相変わらず信じられない強さだな」
「あ、あれが今のレイ様の実力なのか……」
レイの十メデルト後方で控えているリマとウィル。
剣を抜き構えているが、まだ二人の元にモンスターは到達していない。
レイの強さに加え、レイの両脇にいる始祖の存在が圧倒的だった。
雷の神のエルウッドと、火の神のヴァルディだ。
エルウッドが広範囲に雷の道を放ち、モンスターの動きを止める。
ヴァルディは全身に炎を纏い、炎の矢となりモンスターの首を消滅させていく。
「エルウッドの凄さは知っているつもりだったけど、この雷は想像を絶するな」
「あの馬はヴァルディだっけ? 炎を纏ってるんだけど……」
これまでレイや始祖たちと行動していたリマですら驚いている。
始祖の戦いを初めて見るウィルは、ただ呆然と眺めていた。
――
すでに百頭以上は斬っているレイと始祖たち。
「ウォン!」
「ヒヒィィン!」
「大丈夫よ! あなたたちこそ無理しないで!」
始祖二柱に声をかけられたレイが、モンスターを斬りながら答えた。
呼吸は乱れておらず、体力に余裕が感じられる。
「ウォウウォウ!」
エルウッドが吠えると、レイはこれまでと違う気配を察知。
剣士としての本能が全身に危険信号を送る。
「あれは!」
森の食物連鎖の頂点で、暗殺者と異名を持つAランクの槍豹獣が出現した。
「サ、サーベラル!」
レイが叫ぶと同時に姿を消し、猛烈なスピードでレイに襲いかかる。
「速い!」
すかさずヴァルディが突進。
岩と岩が衝突したかのような音を発生させ、サーベラルの攻撃を防ぐ。
サーベラルは身体を捻り、しなやかに着地。
そこへ間髪いれず、エルウッドが雷の道を放出。
だが、そこにサーベラルの姿はない。
「ダーク・ゼム・イクリプス以上ね」
白狂戦士となり能力が底上げされたサーベラルは、かつてアルが激闘の末に討伐したサーベラルのネームド、ダーク・ゼム・イクリプスを超えるスピードだった。
姿を消したサーベラルは、すでにレイの眼前に迫っており、右爪を振り下ろしている。
「ヴァルディ、エルウッド。ありがとう。おかげで速さに慣れたわ」
ヴァルディとエルウッドの攻撃で、サーベラルの動きを見切ったレイ。
サーベラルの右爪は空振りとなり、レイの真横を通り過ぎながら地面に滑り落ちた。
首を斬られ、切断部から血が吹き出し、巨体が細かく痙攣している。
だが、すぐに新しいモンスターが現れた。
「レ、レイ様!」
後方からリマが叫ぶ。
「最悪だ……」
ウィルが声を漏らす。
リマもウィルもAランク冒険者として、モンスターの知識は豊富だ。
その二人が、前方に出現したモンスターを見て、全身に冷たい汗をかいている。
現れたのはAランクモンスターで、草原の王の異名を持つ牙獅獣。
体長は十メデルトもある大型モンスターだ。
風格のある鬣と鋭い大牙、四本の手足には巨大な爪。
まさに王の風格を持つ、四肢型獣類の頂点の一角である。
だが通常種のラーヴェなら二人は驚かない。
討伐経験もある。
現れたのはラーヴェのネームド、レ・オルだった。
名前の意味は地上の王者だ。
「まさか! レ・オル!」
レイもその存在に気付いた。
三十メデルトほど先で、ゆったりと歩くレ・オル。
二柱の始祖も警戒する。
「レイ様! レ・オルに集中して! 他のモンスターは対応します!」
「レイ陛下! こっちに回してください!」
リマとウィルがレイの元へ走る。
「そうね。さすがにレ・オルと戦いながら、他のモンスターは対応できないわ」
「討伐隊にも出てもらって、モンスターの突破を防ぎます」
「ええ、リマお願い。ここからは総力戦になるわね」
後方にはクロトエ騎士団団長のジルとデイヴが控えている。
「じゃあ、他のモンスターはこっちは任せてください」
「ありがとうリマ」
リマが後方に合図。
クロトエ騎士団の討伐隊が抜刀し、進軍を開始した。
「エルウッド、ヴァルディ、行くわよ」
「ウォン!」
「ヒヒィィン!」
レイと始祖二柱が、レ・オルに向かって走る。
「ゴウゴォォウォォォォ!」
レ・オルが咆哮をあげると、低音によって周囲の空気が振動。
身体の芯まで響く恐るべき音。
その咆哮を聞く者は、それだけで絶望的な恐怖心が生まれる。
レイは左手の指輪にそっと目を向けた。
「アル、力を貸して!」
そしてレ・オルに向かって、死の彗星を放つ。
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