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第二部 高校生編

うしなうもの、すてるもの ♡

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 まずはキスからだ。

 俺となじみの始まりの性戯。
 流石に覆いかぶさってするのは初めてだが、俺となじみの唇が合わさることはそれ以上の安心感を齎す。

 お互いの発情具合がわかる。
 なじみも俺も汗ばんでいるのに、相手の熱を強く感じることはできない。それは同程度に発情し、同程度の体温上昇が起きているからだ。

 そしてそれ以上に、舌の位置。
 普段なら密着した唇の中で絡まる舌が外に出て、お互い突き出した舌が空中で交わっている。
 逸っているんだ。早くこれ以上の所に行きたくて。お互いに。

 ちゅぷ、ぴちゃ。

 普段なら何でもない水音が、こうも艶めかしく聞こえるのはなぜだろう。
 女性が性感を得るのは精神的な所が多いという。この水音に『性』を感じるのは、今精神がそういう所にいるからか?

 舌に遅れた唇が合流する。
 なじみとの密着感が上がる。
 水音がくぐもり脳に響く。すべての感覚がなじみの存在だけを伝えてくる。

 舌で味わい鼻で嗅ぎ耳で楽しみ脳で喜ぶ。

 今この瞬間こそ、真になじみを独占している。
 この時間があるだけで、なじみの体に俺の旗を打ち立てたような気分だ。

 ただ少し懸念もある。
 それはこれが『キス』でしかないという事実。
 唇を合わせて舌を絡めただけでこの有様だ。
 もし『本番』が始まったら・・・。

 なじみも俺と同じ考えに至ったのだろう。体が同時にブルリと震える。

 めくるめく悦楽の渦。
 それに巻き込まれる事実への期待と、わずかな不安。
 確実に人生観が変わる予感。

 嗚呼、きっと薬物乱用者が最初に薬を乱用するとき、きっとこんな心地だ。

 それでも俺はなじみをぎゅっと抱きしめる。
 大丈夫、なじみには俺が居る。どれだけ変わっても、俺が。

 なじみは唇を少し離して微笑んだ。挑戦的な笑みだ。
 大丈夫、私にはケーくんが居る。私がどれだけ変わっても一緒にいてくれるでしょ?
 そしてケーくんにも、ね。

 言葉など何一つ交わしていない。
 けれど何を言ったか、何を言いたいかは手に取るようにわかる。

 セックスは最高のコミュニケーションだと誰かが言った。
 俺は今それを実感として理解した。おそらくは、なじみも。

 なじみの肩に手を付け、そこからなでるように脇腹へ下げていく。

「ふうっ、んぅ・・・」

 これだけでなじみの吐息には甘い色が宿り、漏れていく。
 脇腹まで這った腕はそのままなじみの体を上り、やがてなじみのへそに至る。

 まるで焦らすようにへその周囲をグルグルとなぞる俺の指。

 なじみは両手で口を押え、必死に声を漏らすまいと努力している。
 しかし間近にいる俺にはその息遣いが鮮明に感じ取れる。そこから覗く確かな”色”も。

 俺の指はいきなり周回を止め、五指を開いてなじみの腹を撫で上げた。

「んんんんんんん!!?」

 まさか腹でイクとは思わなかったのだろう。驚きに目を見開くなじみ。
 しかしなじみの服の中に突っ込まれた俺の手のひらは緩めこそすれど、止まらずなじみの腹をなで続ける。

 さしずめメインディッシュの前のオードブルだが、それでも十分気持ちいい。俺も、なじみも。

「なじみ、なじみ」

 このセックスが始まってから、初めて声を上げた。
 時間にすれば10分もたっていないだろうに、ずいぶんと久しぶりに感じる。

 なじみは荒く息するだけで答えないが、視線が雄弁にどうしたの? と聞いている。

「女の子の体はね、精神が高ぶると『感じる』んだ」

 知ってる。

「つまり精神が高ぶりさえすれば、『どこでも感じる』ってことさ」

 !?

「なじみ、お前の全身がおかしくなるくらい気持ちよくするぞ」

 ・・・お願い、します。

 なじみの言については視線から読み取っただけだが、おおよそ外れてはいまい。
 ちなみにこの理論は適当である。
 しかし適当でもいいのだ。『今からおかしくなるくらい気持ちよくされる』となじみが確信するのが重要なんだ。そのためにわざわざ声に出して、自信満々といった風を装ったのだ。

 ここから当分は胸も尻も女陰も触らない。

 男のロマンとして有名なこの三か所だが、実は前者二つは脂肪の塊でしかないため、かなり高ぶらないと性感は得られないし、女陰は他の所で性感を得て濡らし切ってからでないと敏感過ぎて逆に痛い。
 なお、男のロマンは人によって若干ずつ変わることを明記しておく。

 なじみと俺の上体を起こして、ベッドに向かい合わせで座るような体勢を取る。
 未だになじみはぽや~とした状態から抜け出せていないので、移行は簡単だった。

 そのままなじみの上半身を脱がし、ブラジャーのみにしてしまう。
 なじみのバストは大きいので、ブラジャーはさして可愛らしいものではなかった。

 そういや最近サイズ聞いてなかったな。
 パッと見だとFは堅そうだが・・・まあ、後でいいか。

 なじみの半裸に見惚れてしまい、なじみの体が冷えてしまったので抱きしめて温度を上げなおす。

 キスをしながら背中を撫でると、時々ピクンと体が跳ねる。
 おそらくそこが『良い位置』なのだろう。

 その『良い位置』を探しながら、時々脇のくすぐったいところをかすめるように手を動かす。
 なじみの体がムズがるが、そこで見つけた。

 そこを撫でるたびになじみの体が跳ねる。ここがなじみの背中の性感帯だろう。
 おおよその位置を腕に覚えさせ、今度はそのまま二の腕を撫で上げる。

 ほっそりとしていながら、肉付きを感じさせる柔らかさも兼ね備えている。

「おおう!?」

 耳元で『ぬちゃり』という音がしてヌルヌルしたものが耳を擦っていった。

「女の子に、おなかと二の腕の話はだめぇ・・・」

 なじみの反撃だ。
 どうやら少し気にしていたらしい。
 ベストだと思うのだがなぁ。細すぎても扱いに気を遣うし。折れそうで。俺のように筋肉質だと特に。

「でも、もっと綺麗でいたいのが乙女心なの」

 なじみはもう上限だから現状維持でいいと思うぞ。

「そんなこと考えてたら現状維持すらできないよ。常に緊張してないと」

 心の緩みはお腹の緩みってか?

「おほぉう!?」

 耳を甘噛みされた。
 そのままハムハムされているが、これは気持ちいいというより恥ずかしい。でもこれまでにない新感覚だ。

 あー・・・でも気持ちいいは気持ちいいな。マッサージ的な意味だけど。
 耳にはツボ多いからなあ。

 ふと気づくと、俺の両手はなじみの両手と恋人つなぎをしていた。
 なじみはそのまま俺を引っ張って、ぼすんとベッドに戻る。

「なじみ?」
「もう、入れて?」

 俺の足の間で、なじみが器用に下半身をくねらせてショートパンツを脱ぐ。

「我慢できないの。それに私、ケーくんにも気持ちよくなって欲しい」

 全身を徹底的に快楽漬けにすることは今の俺にはできない相談らしい。
 童貞にそんなテクを期待する方が無理な話か。

 なじみが自分のショーツを脱ぎ捨て、脇に放った。
 ベッドの脇からべしゃり、と何かが叩きつけられる音がした。

 その音だけで、なじみのマンコがどれほど濡れそぼっているのか察せられる。
 なじみはかえって赤面してしまったが。

「わかった。入れるぞ」

 意識を少し股座に向ける。
 射精する精液に『生殖能力なし』、『相手の絶頂に同期』を付与。これで妊娠の心配はなく、なおかつなじみと同時に絶頂出来るだろう。
 それと『手加減』のスキルを発動する。おそらく処女には苦しいレベルの性感が生まれるから。

 次の瞬間、俺のそれは瞬く間に膨張しチンポへ変貌する。

「うわ、大きすぎない? 入るのかな・・・?」
「入るだろ。俺たち以上に相性のいいペアが居ると思うか?」
「ふふ、思えない」
「なら大丈夫だ」

 巨大化したチンポをなじみのマンコにあてがい、狙いを定める。

「ゴムは?」
「要らない」
「行くぞ?」
「うん、来て」

 あえて擬音で表現するなら、『ずぬりゅう』といったところか。
 そんな感じにマンコはチンポを飲み込み、途中何かを突き破るような感覚のみ残して、なじみの最奥に到達した。

「あああああああああああッ!」
「うおおおおぉぉぉぉ・・・」

 気持ち良すぎる・・・ッ!
 これがマジカルチンポの力なのか。あるいはなじみがいわゆる『名器』なのか。

「なじみ? なじみ! 大丈夫か!?」

 ハッと気が付きなじみの安否を確認する。
 処女膜は一気に破った方がいいと思ったのだが、あんなに絶叫していては気が気でない。

「だいじょう・・・ぶ。ちょっと、きもち、よすぎて・・・えへぇ」

 確かに幸せ一杯と顔に書いてあるが、呂律が回っていない。

「い、一旦抜くぞ」
「だめ! 抜かないで!」

 なじみの足が俺の腰をからめとるように巻き付く。
 いわゆる『だいしゅきホールド』状態だ。

「いま、幸せと気持ちいいでいっぱいなのぉ・・・お願い」
「・・・ああ、わかった」

 さて困った。
 なじみの子宮口と鈴口が完璧にフィットしている。
 興奮してチンポが膨らめば、それに興奮してなじみのマンコが締まる。
 息をしてチンポが動けば、それを刺激にマンコが締まる。

 正直、ただ突っ込んでいるだけでも最高に気持ちいい。
 しかし射精に至るほどではない。どうしてもここから動かないとイケないだろう。

「なじみ、動いていいか?」
「・・・抜かない?」
「抜かないから」
「ちゃんと中で出してね?」
「勿論」
「責任取ってくれる?」
「告白した時点でそのつもりだ」

 なじみがゆっくりと足を開き、俺の体が自由になる。

 それに合わせてゆっくり体を引くが。

 抜かれてしまうと勘違いしてか万力のように締め付け、逃さんとする。
 それだけでもお互いにイってしまいそうになるが、イかない。

 ギリギリまで引いて差し戻すと、まるでカギと錠前であるかのようにぴったりとハマる。まるで元々一つの生物だったんじゃないかと思えるほどのフィット感だ。
 やがてポルチオを突き、なじみが鳴く。

「アアッ! イッ・・・けない!」

 ここでもう一度抜こうとすると、またも同じ様な挙動。
 ポルチオを突くと、なじみがまた鳴く。

 おかしい。
 いくら何でもイケなさすぎる。

 しかしそのことに気付いた時、すでに手遅れだった。
 快楽を求める体は答えを求める脳を置き去りに腰を振りまくる。

 そのたびに極上の快楽が生まれるが、決して絶頂には至らない。本来ならすでに10回は絶頂しているはずだ。しかし至らない。

 到達できない頂を目指して、到達できた頂を目指して。
 なじみに叩きつける腰はすでに最高速にまで達し、腰を打ち付ける音に切れ目を見つけられない程であった。

「クソッ、なんで、なんで、イケないんだっ!」
「アアッ! ひぎぃ! アッ!」

 理性も止め時も失って、ただ腰を打ち付け合い喘ぎ合う。
 閃光が脳全体に広がったころ、間違って『手加減』のスキルを解除してしまった。
 すると。

「あっ。イックウウウウウウウウウウウウ!!!!」

 なじみが絶頂し、それに同期して俺も盛大に射精する。
 なじみの最奥、子宮口にチンポを擦りつけながら、全力全開の種付けだ。

 最も、生殖能力を消しているので赤子など生まれないのだが。



 抜きだしてみると、なじみのそこは下品な音を響かせた。
 それとは裏腹に、なじみの寝顔は酷く安らかで、宗教画めいた美すら感じさせた。
 股から精液を流す女神など聞いたこともないが。

 しかしこの女神に種を流し込んだのは他ならぬ俺自身なのだ。
 そう考えるとなじみに対する独占欲が満たされていく気がする。

 マジカルチンポの効果で身体的には疲れていないのだが、全力で腰を振りまくっていたのを考えると精神的に疲れを感じて、そのまま眠ってしまった。
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