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いつもあの日に還ってしまう

3.雨……

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ゆらゆらと、ブランコを漕ぐ。
彼の胸の中で眠る時の心地よさに、少しだけ似ていた。

ぽつ、ぽつと、頭上に、地面に小さな雫が落ちてくる。
小さな染みが、1つ、2つ……と増えていき始める。

「雨……」

あんなに晴れていたのに。
綺麗で爽やかな……彼のようなブルーが広がっていたのに。
いつのまにか私の頭上には、灰色と黒の間の重苦しい色が広がっていた。

そういえば、今日の天気予報で夕立が降ると言っていた気がしたが、よく覚えていない。
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