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種付けサンタさん登場②
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「朱莉、起きて、朱莉…」
「んん…うーんー、何よぉ」
朱莉が不機嫌そうな声を上げて目を覚ます。誰だって快適な眠りを邪魔されたら機嫌も悪くなるだろう。眠い目をこすりながら時計をチラリと見ている。どうやら僕の隣にサンタがいることには気が付いていないようだ。
「ええ?まだこんな時間じゃない」
「朱莉、凄いよ。サンタさんが来たんだ」
「はあー?いい歳して何言って…」
朱莉はようやく僕の方を見る。そして、僕の隣に知らないおっさんがいることに気がついた。朱莉は驚きのあまり一瞬固まり、それから悲鳴を上げた。
※
あれから数十分が経った。サンタはひたすら自分が怪しいものではないと説得を繰り返していた。朱莉は最初よりは落ち着いたものの、依然として警戒したままだ。
「本当にサンタがいるわけないじゃない!ゆう君、警察だよ!このヤバいおっさんを早く連れてってもらわないと!」
「だから!ワシはサンタなんじゃ!」
…先ほどから話は平行線を辿っている。そりゃあ、そうだろう。こんな状況、理解しろという方が無茶というのものだ。僕もさっきまでそんな感じだったと感慨にふける。そんな僕の様子が癪に触ったのだろう。朱莉は僕に対しても声を荒げる。
「なんでゆう君は受け入れているのよ!」
「そりゃあ、まあ…先に目が覚めて、色々あったからな」
僕はそう答えるので精一杯だった。僕がこれから朱莉にさせようとしていることを言えるわけがないから。
「何よそれ!ゆう君、もうこんな所出ようよ!何されるか分からないよ!」
「ま、待った!」
帰り支度を整え始めた朱莉を僕は慌てて止める。これには朱莉も驚いたようで、困惑した表情で僕の顔を見ている。
「ゆう君、どうしたの?」
「あ、いや…」
言葉が見つからず言い淀んでしまう。そんな僕の様子を見て、サンタはニヤニヤと笑っている。そしていきなり、爆弾を投下した。
「ふふふ、そこの彼氏君は寝取られ願望があっての。ワシと朱莉ちゃんのSEXが見たくて仕方がないのじゃ」
誰にも言ってこなかった僕の秘密を、さらりと暴露された。目眩がするほど頭がクラクラして、僕の心がきゅうっと締め付けられる気がした。
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