55 / 69
秘密裏の命令 (オズワルドside)
しおりを挟む
「こ、これって…手紙ですか?」
「そう。これはロザリア嬢からで、お茶会参加を了承するっていう手紙よ。私からお茶会に招待する手紙を書いて郵便配達員に渡したの。そして、この手紙が届いた。もちろん、貴方の好きな子も離宮に誘ったの」
「…えっ!?そ、それって…」
オズワルドの脳裏に急にアナベルが浮かび上がり、急に顔がボンっと赤くなる。
それを見たリディアは、口角を上げてこう話を続けた。
「ふふっ。まぁ、このお茶会は男子禁制だから、実際には君の好きな子は参加できないんだけどね」
「……へ?」
「あら?私、間違った事言ったかしら?ロザリア嬢の執事であるアンディくんが好きなのよね?」
「え?…え~…」
リディアの推測に『確かに間違ってないけど』という顔をしながら、オズワルドは視線を泳がせて冷や汗をかいた。
「い、いや…間違ってはないんですけど…俺、男色家じゃないですよ?」
「あら!そうなのね!?でも、ごくたまにあるじゃない?本当は女の子が恋愛対象だけど、たまたま男の子を好きになっちゃった!っていう」
「な、ないですって!恋愛小説の読み過ぎではないですか!?」
「やぁねぇ、もう。でも、間違ってないって言ってるから、そういう事にしましょ。あと、実は今回貴方を呼んだのは、このお茶会のためでもあるんだけどね」
リディアはそう言って、ロザリアから送られてきた手紙をオズワルドに渡した。
「これはお茶会開催時に、秘密裏に行動して欲しい事なんだけど、この時絶対アンディくんをお茶会に行かせないで欲しいの。私の持つ魅了魔法は強力で、同じ魅了魔法を持つ存在以外どんな女性も男性も虜にしちゃうの。もしアンディくんがそうなった場合、今後も貴方じゃなくて私を好きになる可能性が高くなるわ。それは絶対に嫌でしょう?」
「なっ!そ、そんなに強力なんですか!?その魅了魔法って…」
「ええ。と言っても、力が強いのは私だけ。同じ魅了魔法でも、ウィリアムのは男性には効かないんだけどね」
「は、はぁ…」
気のない返事をしながら、オズワルドは渡された手紙を持って、自分の持っている鞄の中に入れる。
その一方で、リディアはその場でうんうんと首を縦に振りながら、ニッコリと笑った。
「とにかく、今回のお茶会の目的は、ロザリア嬢と仲良くなって彼女に魅了魔法をかけること。そして、擬似的な方法で仮の王家の印を彼女につけて、ウィリアムに『ロザリア嬢はお手つきだ』と認識させる事よ。一応王家の印がついた令嬢は魅了魔法が効かないしね」
「…ほう。じゃあ、俺もリディア様が話す計画が上手くいくよう、言われた通りにアンディ殿を足止めしておきますね。でも、あれ?リディア様にもウィリアム殿下にも魅了魔法が使えるという事は、魔法を扱える俺も魅了魔法使えるんですかね?」
「あらやだ!もしかして、オズも魅了魔法使いたいの?もしや、アンディくんに使いたいのかしら?でも、たまに離宮にやってくるメリオダスは『使えない』って言ってたし、貴方も使えないはずよ。むしろ、もし魅了魔法を使えても、きっと貴方は後悔するかもしれないわ」
「こ、後悔…」
「ええ。魅了にかかったアンディくんは、貴方好きなアンディくんじゃなくなる可能性が高くなるの。そして、そうなったアンディくんは、オズの目の前で脱いで全裸になって、貴方の騎士服を脱がし、貴方のそのイチモツをパクッと」
「ひえええええええ!!ま、待ってくださいって!今完全に勃ちそうになったので、妄想ストップで!」
慌ててオズワルドは股間を押さえて、リディアにこれ以上話さないようストップをかける。
すると、リディアはニヤニヤした顔をしながら、右手で拳を作り、グッと親指を立てたのだった。
「そう。これはロザリア嬢からで、お茶会参加を了承するっていう手紙よ。私からお茶会に招待する手紙を書いて郵便配達員に渡したの。そして、この手紙が届いた。もちろん、貴方の好きな子も離宮に誘ったの」
「…えっ!?そ、それって…」
オズワルドの脳裏に急にアナベルが浮かび上がり、急に顔がボンっと赤くなる。
それを見たリディアは、口角を上げてこう話を続けた。
「ふふっ。まぁ、このお茶会は男子禁制だから、実際には君の好きな子は参加できないんだけどね」
「……へ?」
「あら?私、間違った事言ったかしら?ロザリア嬢の執事であるアンディくんが好きなのよね?」
「え?…え~…」
リディアの推測に『確かに間違ってないけど』という顔をしながら、オズワルドは視線を泳がせて冷や汗をかいた。
「い、いや…間違ってはないんですけど…俺、男色家じゃないですよ?」
「あら!そうなのね!?でも、ごくたまにあるじゃない?本当は女の子が恋愛対象だけど、たまたま男の子を好きになっちゃった!っていう」
「な、ないですって!恋愛小説の読み過ぎではないですか!?」
「やぁねぇ、もう。でも、間違ってないって言ってるから、そういう事にしましょ。あと、実は今回貴方を呼んだのは、このお茶会のためでもあるんだけどね」
リディアはそう言って、ロザリアから送られてきた手紙をオズワルドに渡した。
「これはお茶会開催時に、秘密裏に行動して欲しい事なんだけど、この時絶対アンディくんをお茶会に行かせないで欲しいの。私の持つ魅了魔法は強力で、同じ魅了魔法を持つ存在以外どんな女性も男性も虜にしちゃうの。もしアンディくんがそうなった場合、今後も貴方じゃなくて私を好きになる可能性が高くなるわ。それは絶対に嫌でしょう?」
「なっ!そ、そんなに強力なんですか!?その魅了魔法って…」
「ええ。と言っても、力が強いのは私だけ。同じ魅了魔法でも、ウィリアムのは男性には効かないんだけどね」
「は、はぁ…」
気のない返事をしながら、オズワルドは渡された手紙を持って、自分の持っている鞄の中に入れる。
その一方で、リディアはその場でうんうんと首を縦に振りながら、ニッコリと笑った。
「とにかく、今回のお茶会の目的は、ロザリア嬢と仲良くなって彼女に魅了魔法をかけること。そして、擬似的な方法で仮の王家の印を彼女につけて、ウィリアムに『ロザリア嬢はお手つきだ』と認識させる事よ。一応王家の印がついた令嬢は魅了魔法が効かないしね」
「…ほう。じゃあ、俺もリディア様が話す計画が上手くいくよう、言われた通りにアンディ殿を足止めしておきますね。でも、あれ?リディア様にもウィリアム殿下にも魅了魔法が使えるという事は、魔法を扱える俺も魅了魔法使えるんですかね?」
「あらやだ!もしかして、オズも魅了魔法使いたいの?もしや、アンディくんに使いたいのかしら?でも、たまに離宮にやってくるメリオダスは『使えない』って言ってたし、貴方も使えないはずよ。むしろ、もし魅了魔法を使えても、きっと貴方は後悔するかもしれないわ」
「こ、後悔…」
「ええ。魅了にかかったアンディくんは、貴方好きなアンディくんじゃなくなる可能性が高くなるの。そして、そうなったアンディくんは、オズの目の前で脱いで全裸になって、貴方の騎士服を脱がし、貴方のそのイチモツをパクッと」
「ひえええええええ!!ま、待ってくださいって!今完全に勃ちそうになったので、妄想ストップで!」
慌ててオズワルドは股間を押さえて、リディアにこれ以上話さないようストップをかける。
すると、リディアはニヤニヤした顔をしながら、右手で拳を作り、グッと親指を立てたのだった。
5
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
ソロキャンプと男と女と
狭山雪菜
恋愛
篠原匠は、ソロキャンプのTV特集を見てキャンプをしたくなり、初心者歓迎の有名なキャンプ場での平日限定のツアーに応募した。
しかし、当時相部屋となったのは男の人で、よく見たら自分の性別が男としてツアーに応募している事に気がついた。
とりあえず黙っていようと、思っていたのだが…?
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
兄の親友が彼氏になって、ただいちゃいちゃするだけの話
狭山雪菜
恋愛
篠田青葉はひょんなきっかけで、1コ上の兄の親友と付き合う事となった。
そんな2人のただただいちゃいちゃしているだけのお話です。
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。
そんな彼に見事に捕まる主人公。
そんなお話です。
ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる