悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい

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第3章 はじめてのダンスレッスン!

(1)ついていけない!

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「自分の好きなものを想像してください。さあ、魔力を注いで!」

 生徒たちは、目の前に置かれた銀の器に手をかざす。中に入っている水が、ぶくぶくと動き出して盛り上がり、形が変わる。ロゼの水はバラの形になって凍りついた。きれいだ。

 一方、わたしの水は水のまま、しーんとしている。

(うん、まあ、そうなるよね……!)

 アルカナ学園の授業は国語や算数もあるけど、魔法の授業も盛りだくさん。でも、わたしは見てのとおり、失敗ばっかり。

「大丈夫、リリイ?」
「無理かも。悪魔の授業、ついていけない……」

 休み時間、ぐでんと机に倒れ込んだ。ていうか、できるわけないよね、人間のわたしに、魔法の授業なんて!

「ロゼはどの授業でも完ぺきなのに……。さすが特別入学した優等生だよ」

 最近わかったんだけど、ロゼはすっごく真面目な生徒だ。いつも宿題を忘れないし、自主学習まで、とんでもない量をこなしている。

「わたしも、もっと頑張らないとだね……」

 うなだれると、ロゼはあわてて、ぎゅっとわたしの手をにぎってきた。

「だ、大丈夫よ! つぎの授業は魔力を使わないから、きっとリリイもうまくいくわ」
「つぎ? つぎって、なんだっけ」
「ダンスレッスンよ。ほら、行きましょ!」

 ダンス……?

 わたしたちは、中庭に建つガラス張りのホールに移動した。

(うわあ、きれいなホール。いかにもお嬢さまって感じ!)

 どきどきしてくる。悪魔の学校って言っても、やっぱり、お嬢さま学校なことに変わりはないんだ。うん、すごくいい! あこがれそのものだよ!

 ソフィ先生がパンパンと手を叩く。

「みなさんご存知のとおり、一か月後に入学祝いの夜会――パーティーが開かれます。そこで、主人と執事のペアでダンスをしていただきますよ。一番美しく踊れたペアにはご褒美として、寮の部屋がいまよりも豪華になります!」

 わあっと、お嬢さまたちが歓声を上げた。ご褒美がうれしいみたい。でもわたしが気になったのは、べつのこと。

(夜会って、ドレスとかを着る、にぎやかなパーティーのこと、だよね!?)

 きらきらした世界。着飾ったお嬢さまたち。それって……、よすぎる! さすがアルカナ学園だよ! かわいい世界すぎ! ダンスくらいなら、できる気がするし! よーし、頑張ってみようかな!
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