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ジュンナは、とつぜん料理をはじめた・・・・・・・。
そして彼女は、RISO CANTONESEを出す。バーガスの好きな食べ物だ。
バーガスはそれを食べた。
そしてバーガスとジュンナは車にのりこんだ。
暫くのドライブ後だ。
バーガスとジュンナはEU旗はためく小さいが洒落たホテルに着いた。
バーガスとジュンナは愛し合った。
バーガスは今は、あのときを回想していた・・・・・。
(コルトナのヴィラの野外テーブルでハムとワインの時を過ごしながら。)
「そう、ジュンナは、ホテルにつくと、いきなり僕と愛し合った・・・・・」
あのとき、2 人は激しく優しく愛し合ったのだ。
ジュンナは、メイクラブの後、下着をはきながら言った。
「あなたのカオには会ったときから私が欲しいと書いてあったわ、バーガス」
バーガスはポーカーフェイスで思った。
「女はさすがだ。しかしジュンナは服を着なおす姿も美しい・・・」
ジュンナは彼女のカラフルなバッグを持ってきていた。
そしてそこから・・・。
『東洋のゴールド・オールド・フィロソファー』の像を取り出したのだ。
(英語では、The Golden Philosopher )
バーガスは、それを見て言った。
「なんだか、さっぱり分からないがね。
それが高度なテクノロジーで作られてるらしいってことはわかるぜ。
だがな。
ことをはじめる前には、順序ってもんがあるぜ。まず、カフェにいこう。
そこでエスプレッソを飲むんだ。あついエスプレッソ・コーヒーだ。
僕はつめたいコーヒーは飲めない。
暑い日だって、コーヒーはあつくなければ飲めない。
そいえば昔K ファウンデーションのパリ本部で出会った日本人の石野さんもね。
似たようなことを言ったよ。
わたしは、グリーンティーの冷やしたやつは、きらいなんです。
どんな暑い日でもグリーンティーは、あつい茶じゃなければ、と。
K ファウンデーションはコンピューティングモバイルを日本から導入していた。
だから石野さんは、その道のエキスパートとして仕事した。
彼はたくさんの複雑な装置をZENの心得のように美しく配置した」
バーガスは、The Golden Philosopher の中に石野さんを見出して言った。
「石野さんは、人間的にもすごく尊敬できる人だった。
彼は子供を本当に愛していた。
もちろん、彼自身の子供もだが、全ての子供という存在を愛していた。
そういう方面に何か基金を自分でやってた・・・。
僕のなかにはない気質だが、僕は彼のそういうところも好きだった。
僕か? 僕は子供はいない。
まだ、いない。
将来、近い未来、誰かとの間にできるかもしれないがね。
僕は子供がきらいというのではない。
でも、うまく子供の世話をしたり、相手をしたりできる自信はあまりないんだ。
子供をしっかり育てている人たちを見ると本当にすごいって、すなおに思うよ。
子供は、すごく大切な何かを大人たちにもたらすんだと思う。
神様はそのために子供をあたえるのだろうね。
僕はどうしようもないやつだけどさ・・。
それでも僕はイエス・キリストが大好きなんだぜ。
それはイエスが子供たちを大切に思っていたからさ。
そのことを思うとき、僕は何かうれしくなる」
バーガスがハッと気づくと、ジュンナが彼の顔を覗き込んでいた・・・・・。
ジュンナはバーガスの目をまじまじと見ながら言った。
「わたしたちは、もう女と男よ。ワンセットだわ。
この、Golden Philosopherを作動させてみましょ。
新しい冒険が始まるわ、きっと」
バーガスは戸惑う。
「す、数日待ってくれ。男はこんなとき、意外とびびりさ・・・。
それに、正確に作動させるには、ひと調べ必要だな。
ファウンデーションのクラウド・スターシップに非常時アクセスしてみるさ。
だが、その前にカフェさ。熱いメイクラブのあとはね。
濃いコーヒーで頭をすっきりさせようってわけさ」
そして、3日が経過していったのだった・・・・・・・。
修道院を改装したヴィラには涼しい風が吹いた・・・・・。
バーガス・チャンは、テーブルについている。
回想の余韻に浸っているようだ。
テーブルには、今しがた飲み干したばかりのワイングラスがある。
バーガスは思う。
「やはり、ラプタピ・ワンに会いに行こう。
エル・ニーロによれば、ラプタピ・ワンは、コルトナの丘にいる・・・。
ラプタピ・ワンは、真理の言葉を語る神の遣いだという。
エル・ニーロははるばるアジアからこの町まで放浪の旅をしてきたのだ・・。
そしてラプタピ・ワンに会ったのだ。
エル・ニーロは大いなる啓示を受けたようだった。
ラプタピ・ワンか。きっとすげー存在だ。
彼はダビンチも住んだトスカナを見、真理の言葉を受け取れるようになった。
その言葉は天から来るという・・・・・・・・・・」
バーガスは車に乗ると、ラプタピ・ワンの住む丘を目指した。
乾いたもう人が居住できない100年は昔に建てられた山小屋のある土地である。
崩れた昔の壁には何年も人と接することのなかった聖母マリアのレリーフが。
サボテンが群生している・・・・・・・・。
使われなくなった聖堂が青空の下、乾いたランドスケープとして佇んでいる。
しかし、乾いた高台にラプタピ・ワンは居た。
バーガスはラプタピ・ワンを確認して、言った。
「そこの丘で、安らぎの世界、ニルバーナを説く者よ。
あなたから言葉を受けたアジアの放浪者に、ふもとの町で会った。
アジア茶屋『呆け』で、その男エル・ニーロは何かの答えを探していた。
そして、あなたは知者だという」
ラプタピ・ワンが口を開いた。
「私は若き日に、イエスの言葉、そしてシッダールタの言葉を学んでいた。」
バーガスは聞いた。
「あなたは、ここに一人で住んでいるのか?」
ラプタピ・ワンはにやりと微笑して言った。
「人間、という意味では一人だ。しかし。
この次元、未だ見ぬ次元を埋め尽くす、想像を絶するエナジーと共に居る」
バーガスはきょとんとして聞き返した。
「家族はいないのか?」
ラプタピ・ワンは答えた。
「結婚していたことはある。子はいない。だが、聖書は説いている。
子がない者も、側に来る子供たちに心を使え、と。
それは、われわれを天国の門へと連れて行く徳となるのだ。
子がある者にとっては、子育ては生活を美しくする行動だ。
私はこのように、この丘の、この岩の上で見えぬ者との対話を今は続けている。
が、私の話を聴きに来る、あなたのような迷い人は総じてわたしの子供だ。
私が答えられることなら、聞きなさい」
バーガスは話を切り出した。
「あなたのような知者なら、The Golden Philosopherとは何か。
それを知っているのでは、と思った」
ラプタピ・ワンは一瞬ハッとしたが、平常心を保ち言った。
「The Golden Philosopher・・・、そうか、あなたは、あれの秘密を知りたい
か」
バーガスは真摯に話した。
「そうだ。The Golden Philosopher、その名のとおり。
それは金で出来た東洋人の像のように見える。
あれは一見ただの像にしか見えない。
無論、それは金を材質としているゆえに、相応の価値はあるだろう。
だが、それだけではないってことも分かる。感じる。何かが仕込まれている。
ハイパーなハイテクさ。
作動させると何が起きるのか???」
ラプタピ・ワンは諭す。
「では、考えてみよ。『金』には神秘が宿る。
例えば、東方の島ジャポンには、キンカクと呼ばれる金色の寺がある。
それは何故に金色にされたのか。
そしてまた、古代ローマは黄金のローマであった。
その街の多くの場所には黄金の装飾があった。なぜか?
・・・金は神の色なのだ」
バーガスは問い返した。
「神の色?」
ラプタピ・ワンは人差し指を立て、言った。
「そうだ。それゆえに、人間は金に注意せねばならない。
人間は神ではないからだ。
金がもたらす巨大な力を人間は欲する。
が、人間がその力を保持するには限度があるのだ。
人間は神に逆らってその力を保持することはできない。
それは、たとえるなら、封印を取ってはならないパンドラの壺だ。
神の力の前では、人間は大風に舞う木の葉のようなもの。
そのパンドラの壺を開けるとき・・・。
この世の終焉、巨大な獣リバイアサンがやってくる」
バーガスは、それを聞いて真顔で言う。
「金色の力は、本来、神のものであると・・・?
われわれは、よくよく考えてそれを扱わねばならない、と?」
ラプタピ・ワンは話し続けた。
「知っておろうが、ブリテンの物理学者、アイザック・ニュートン。
彼は物理学者であると同時に神学者であった。
そしてそのためか、彼は神に近づこうとした。彼は錬金術研究にも没頭した。
実際に錬金術が成功すれば金の価値が下がり、政治経済を揺るがすことになる。
ニュートンの研究は、そのために何者かに邪魔されていた。
しかし伝説によると彼は錬金術の、最後の段階直前まで至っていた」
バーガスは目を丸くして聞いた。
「それは何?」
ラプタピ・ワンは答える。
「『真理の水』と呼ばれるものが錬金術を成し遂げるうえで重要だ。
そうニュートンは分かったのだ」
バーガスは眉毛を上げて、額に横皺を浮かべて言う。
「よく分からない。あなたは何を言っているのだ」
ラプタピ・ワンは両手を天に仰ぎ答えた。
「では、簡単に言おう。The Golden Philosopher を作動させるには・・・。
『真理の水』が必要だ、ということだ。
そして、『真理の水』は、スペインのある海岸から湧き出る水なのだ。
そして、私は、それをここに持っている」
ラプタピ・ワンは、懐から小瓶を取り出した。それをバーガスに渡した。
バーガスは不思議そうに眉間に縦皺を寄せ、尋ねた。
「なぜ?」
ラプタピ・ワンは、真面目な顔でバーガスに伝えた。
「分からぬ。
あなたが、The Golden Philosopherを持っていて、私が『真理の水』を持ってい
た。
ただ、そういうことだ。これは、起こるべくして起こったのだ。
私にも理由は分からない・・・。私も驚いているのだ。
しかし、偶然などはない、全ては神の計らいだ。
ゆえに、その『真理の水』はあなたのものだ。
そして、もうひとつ、私がこれまでの旅の中で知ったことを言う。
金色は神の色、そして、神の通り道もまた金色だという。
The Golden Philosopherはそれを持つ者に神の通り道を通る資格を与えるらし
い」
バーガスは、ラプタピ・ワンの顔をじっと見て聞く・・・。
「何のことですか?」
ラプタピ・ワンは空を見上げ言う。
「われわれ人間は時間を超えることはできない。
われわれは、地上では、われわれに与えられた時代を生きる。そうだろう?
しかし、The Golden Philosopherは、時間と空間を超えるマシーンなのだ。
つまり。
あなたは普通は神しか通れない道、時間を超える道を通ることになるだろう」
バーガスは身震いして言う。
「しかし私はおそろしい。私はThe Golden Philosopherにかかわるべきでしょう
か。
投げ捨てるべきでしょうか」
ラプタピ・ワンは腕を組んで言うのだった。
「さて、物事をどう考えようか?
人間というものは、誰か他の人間がやっていることをする場合はね。
一種の安心を持つことが出来るようだ。だが、それは錯覚でしかないのだ。
その錯覚を利用して力を得ようとするのが、ファシズムなのだ。
一丸となって何かを成す、というアイディア自体むなしいものだ。
そういう集団主義は、全体主義、そしてファッショとも呼ばれる。
それは、むなしい力の誇示である。
一時的には力を持ったかのような錯覚を、関わる人々に持たせる。
力によって他を押しのける方法での自由を感じさせるだろう。
が、結局は、単なる暴力の誇示でしかない。
そのようなむなしい錯覚の力は、すぐに失われる。
ましてやね。
自由を奪われてファシズムに関わった人の魂は精神の牢獄に閉じ込められる。
そうした間違いを犯した国々はいくつもあった。また、今もあるのだよ。
間違った力を求めれば、結局、本当の自由にはつながらない。
全ての個人が人生を自分で選ぶ個人主義によってしか自由はもたらされない。
それ以外は、見せかけでしかない。
だからあなたがそれをやらねばとあなたの心で考えるなら行動すればいい。
そうでないなら、しないほうがいい。」
ラプタピ・ワンは笑った。
「ふふふふふ・・・・・」
空は快晴だった。
白い雲がクリアブルーに浮き立ってはっきりとした輪郭を見せていた。
バーガスは心に決めた。The Golden Philosopher を作動させるのだ・・・。
バーガスとジュンナは、アレッツォの教会に入った。
時を超えて愛を伝えるイエス(彫刻)に見守られるポイント(席)に座った。
2人は、そこで、The Golden Philosopher の頭に『真理の水』をかけた!
The Golden Philosopher は作動し、とつぜん浮き上がる!
バーガスとジュンナは、The Golden Philosopher につかまった。
The Golden Philosopher につかまっている2人の周囲の景色が消えた。
2人は黄金色につつまれていた。それこそは、時間を超えた場所だった!
黄金のトンネル、すなわち時間を超える黄金の道を2人は通過していく!
バーガスは大声で言った。
「この抜け道の壁は全て黄金色だ! この道はどこに通じるんだろう?」
ジュンナが叫ぶ。
「ああっ! バーガス・・・」
ジュンナの手がすべり、彼女は、The Golden Philosopherから手を離してしまう。
そのまま、ジュンナは黄金の道の途中の壁の中に落ちて消失してしまった・・。
バーガスが叫んだ。
「ああ! ジュンナ!」
そのすぐ後バーガスは、黄金の道の先に光る『出口』を見た。
そしてそこから、The Golden Philosopherごと彼はトンネルの外にはじき出され
た。
その『出口』は、海の真上に開いていたのだ。
バーガスはその光景を見て目をぱちくりさせた。彼は落ちているのだ。
The Golden Philosopher を抱きかかえたまま、空中から海面に向かって・・・。
ひゅーーーん。
バーガスは一直線に海上に落ちてくる。
バーガスの眼には海面がずーーーん、と接近する。
着水!
びゃーーーん、と大きな水しぶきが上がる。
ぶはーーー!
バーガスは水面に顔を出す。
間近には座礁したアジアの船が見えていた・・・。
船には『伊丹丸 ITAMI-MARU』と(外壁に)書かれている。
バーガスは、The Golden Philosopher をポケットにあった紐で腰に巻いた。
そして彼は、伊丹丸の甲板によじ登り、船のなかに入った。
伊丹丸内部は多少浸水していた。カニが3匹コリドーを横切るのが見えた。
バーガスは、暗くなっている船のもっと奥へと歩を進めた。
と、突然震える右手をのばすマゲの解けたサムライの出で立ちの男がいた。
男は弱っているようだ。声にならぬ声を振り絞っている!
「あ・・・あ・・・お・・・お・・・」
バーガスは男の方へ駆け寄って、彼に声をかけた。
「あんた、大丈夫かい?僕はね、フランス系の男だよ。
南フランスから来たのさ。
趣味はイタリアの車かな。ママンは今はパリに住んでるよ。パリはいい街さ。
世界から人が集まる。オキナワも好きさ。
気持ち的に、いつもトロピカルってかんじー。
ところでさ、経験から考えたんだけど、ここってマラッカあたりだよね。
この船は座礁しちゃってるみたいだけど、あんたを救助するYO。
あんたは体力を消耗してる。
ひとりじゃ近くの人が住む小島まではいけそうにないから救命ボートに乗りナ。
僕が、それを押して泳ぐよ。だってフランスの精神は博愛だろ。
今はプロバンスに住んでるけど元パリジャンの僕としては見過ごせないよ」
バーガスはそのサムライ風の男を乗せて救命ボートを泳ぎ押してゆくのだった。
男は涙ながらに言うのであった。
「かたじけない。拙者は江戸の一族、徳川のはしくれナリ。これは礼ぢゃ」
男は万華鏡みたいな覗き窓のついた筒をバーガスに渡した。
バーガスは泳ぎながらその筒を覗いてみた。
覗き窓から見ると地図みたいな絵が見える。
男は言った。
「それは、いにしえの徳川の埋蔵金のアリカだ」
やがて、陸が見えてきた・・・・・・・。
陸のそばに貿易船が停泊している。貿易船はカラフルペイントが施されている。
それは、幻のような船で、どこの船籍か分からない・・・。
バーガスは、しかし、助かった、という安堵の表情を浮かべて言った。
「どこの船かは分からないが。
外壁にはアジアの文字みたいなものが書かれているな」
どうやら、その貿易船に描かれているのはタイ語と漢字のようだ。
バーガスは上陸する。
難破船から救助したサムライ風男を海難簡易手当棟まで背負って連れて行った。
男を看護士に任せるとバーガスは手を振って、その場を去った。
そして2ヵ月と一週間が経過した・・・・・・・。
バーガスは屋外のテーブルで、ナシゴレンをがっついていた。
バーガスは、そして、あたりを見回して想いを馳せつぶやいた。
「この町に来て2ヶ月と一週間だ・・・」
通りを行き交う人々はみな変わった服装をしている。
バーガスは彼らをぼんやり見ながら独り言を続けるのだった。
「ここはなんだか、まぼろしのような町だ・・・。ジャポンのようにも見える。
ここは何なのだろうか・・・。2ヶ月と一週間、なんとなく暮らしてきたが」
バーガスのテーブルに日本の商人のようないでたちの男が近寄って来た。
商人のような男はTOWN MAPをバーガスに渡し、喋った。
「あなた、ここのニューカマーでしょ。これをあげよう」
その MAP には、『YAMADA CITY OF SIAM』と書かれていた。
バーガスは、はて、とつぶやく・・。
「ヤマダ・・・、そしてシャム・・・、はて・・・。
まさかここは、ジャパニーズ・山田長政が建設したという幻の町。
ファウンデーションで東南アジア史を学んでいてよかった。
こんなところで役立つとは・・・。
ここは、山田長政が建設したが、失われてしまった伝説の町だ。
ずい分と時間をさかのぼったようだ・・。だが、おもしろいではないか。
私は、シャムのロスト・ジャパニーズ・シティにいるのか!」
バーガスはナシゴレンをぱくぱく食べおわると、立ち上がった。
そして彼女は、RISO CANTONESEを出す。バーガスの好きな食べ物だ。
バーガスはそれを食べた。
そしてバーガスとジュンナは車にのりこんだ。
暫くのドライブ後だ。
バーガスとジュンナはEU旗はためく小さいが洒落たホテルに着いた。
バーガスとジュンナは愛し合った。
バーガスは今は、あのときを回想していた・・・・・。
(コルトナのヴィラの野外テーブルでハムとワインの時を過ごしながら。)
「そう、ジュンナは、ホテルにつくと、いきなり僕と愛し合った・・・・・」
あのとき、2 人は激しく優しく愛し合ったのだ。
ジュンナは、メイクラブの後、下着をはきながら言った。
「あなたのカオには会ったときから私が欲しいと書いてあったわ、バーガス」
バーガスはポーカーフェイスで思った。
「女はさすがだ。しかしジュンナは服を着なおす姿も美しい・・・」
ジュンナは彼女のカラフルなバッグを持ってきていた。
そしてそこから・・・。
『東洋のゴールド・オールド・フィロソファー』の像を取り出したのだ。
(英語では、The Golden Philosopher )
バーガスは、それを見て言った。
「なんだか、さっぱり分からないがね。
それが高度なテクノロジーで作られてるらしいってことはわかるぜ。
だがな。
ことをはじめる前には、順序ってもんがあるぜ。まず、カフェにいこう。
そこでエスプレッソを飲むんだ。あついエスプレッソ・コーヒーだ。
僕はつめたいコーヒーは飲めない。
暑い日だって、コーヒーはあつくなければ飲めない。
そいえば昔K ファウンデーションのパリ本部で出会った日本人の石野さんもね。
似たようなことを言ったよ。
わたしは、グリーンティーの冷やしたやつは、きらいなんです。
どんな暑い日でもグリーンティーは、あつい茶じゃなければ、と。
K ファウンデーションはコンピューティングモバイルを日本から導入していた。
だから石野さんは、その道のエキスパートとして仕事した。
彼はたくさんの複雑な装置をZENの心得のように美しく配置した」
バーガスは、The Golden Philosopher の中に石野さんを見出して言った。
「石野さんは、人間的にもすごく尊敬できる人だった。
彼は子供を本当に愛していた。
もちろん、彼自身の子供もだが、全ての子供という存在を愛していた。
そういう方面に何か基金を自分でやってた・・・。
僕のなかにはない気質だが、僕は彼のそういうところも好きだった。
僕か? 僕は子供はいない。
まだ、いない。
将来、近い未来、誰かとの間にできるかもしれないがね。
僕は子供がきらいというのではない。
でも、うまく子供の世話をしたり、相手をしたりできる自信はあまりないんだ。
子供をしっかり育てている人たちを見ると本当にすごいって、すなおに思うよ。
子供は、すごく大切な何かを大人たちにもたらすんだと思う。
神様はそのために子供をあたえるのだろうね。
僕はどうしようもないやつだけどさ・・。
それでも僕はイエス・キリストが大好きなんだぜ。
それはイエスが子供たちを大切に思っていたからさ。
そのことを思うとき、僕は何かうれしくなる」
バーガスがハッと気づくと、ジュンナが彼の顔を覗き込んでいた・・・・・。
ジュンナはバーガスの目をまじまじと見ながら言った。
「わたしたちは、もう女と男よ。ワンセットだわ。
この、Golden Philosopherを作動させてみましょ。
新しい冒険が始まるわ、きっと」
バーガスは戸惑う。
「す、数日待ってくれ。男はこんなとき、意外とびびりさ・・・。
それに、正確に作動させるには、ひと調べ必要だな。
ファウンデーションのクラウド・スターシップに非常時アクセスしてみるさ。
だが、その前にカフェさ。熱いメイクラブのあとはね。
濃いコーヒーで頭をすっきりさせようってわけさ」
そして、3日が経過していったのだった・・・・・・・。
修道院を改装したヴィラには涼しい風が吹いた・・・・・。
バーガス・チャンは、テーブルについている。
回想の余韻に浸っているようだ。
テーブルには、今しがた飲み干したばかりのワイングラスがある。
バーガスは思う。
「やはり、ラプタピ・ワンに会いに行こう。
エル・ニーロによれば、ラプタピ・ワンは、コルトナの丘にいる・・・。
ラプタピ・ワンは、真理の言葉を語る神の遣いだという。
エル・ニーロははるばるアジアからこの町まで放浪の旅をしてきたのだ・・。
そしてラプタピ・ワンに会ったのだ。
エル・ニーロは大いなる啓示を受けたようだった。
ラプタピ・ワンか。きっとすげー存在だ。
彼はダビンチも住んだトスカナを見、真理の言葉を受け取れるようになった。
その言葉は天から来るという・・・・・・・・・・」
バーガスは車に乗ると、ラプタピ・ワンの住む丘を目指した。
乾いたもう人が居住できない100年は昔に建てられた山小屋のある土地である。
崩れた昔の壁には何年も人と接することのなかった聖母マリアのレリーフが。
サボテンが群生している・・・・・・・・。
使われなくなった聖堂が青空の下、乾いたランドスケープとして佇んでいる。
しかし、乾いた高台にラプタピ・ワンは居た。
バーガスはラプタピ・ワンを確認して、言った。
「そこの丘で、安らぎの世界、ニルバーナを説く者よ。
あなたから言葉を受けたアジアの放浪者に、ふもとの町で会った。
アジア茶屋『呆け』で、その男エル・ニーロは何かの答えを探していた。
そして、あなたは知者だという」
ラプタピ・ワンが口を開いた。
「私は若き日に、イエスの言葉、そしてシッダールタの言葉を学んでいた。」
バーガスは聞いた。
「あなたは、ここに一人で住んでいるのか?」
ラプタピ・ワンはにやりと微笑して言った。
「人間、という意味では一人だ。しかし。
この次元、未だ見ぬ次元を埋め尽くす、想像を絶するエナジーと共に居る」
バーガスはきょとんとして聞き返した。
「家族はいないのか?」
ラプタピ・ワンは答えた。
「結婚していたことはある。子はいない。だが、聖書は説いている。
子がない者も、側に来る子供たちに心を使え、と。
それは、われわれを天国の門へと連れて行く徳となるのだ。
子がある者にとっては、子育ては生活を美しくする行動だ。
私はこのように、この丘の、この岩の上で見えぬ者との対話を今は続けている。
が、私の話を聴きに来る、あなたのような迷い人は総じてわたしの子供だ。
私が答えられることなら、聞きなさい」
バーガスは話を切り出した。
「あなたのような知者なら、The Golden Philosopherとは何か。
それを知っているのでは、と思った」
ラプタピ・ワンは一瞬ハッとしたが、平常心を保ち言った。
「The Golden Philosopher・・・、そうか、あなたは、あれの秘密を知りたい
か」
バーガスは真摯に話した。
「そうだ。The Golden Philosopher、その名のとおり。
それは金で出来た東洋人の像のように見える。
あれは一見ただの像にしか見えない。
無論、それは金を材質としているゆえに、相応の価値はあるだろう。
だが、それだけではないってことも分かる。感じる。何かが仕込まれている。
ハイパーなハイテクさ。
作動させると何が起きるのか???」
ラプタピ・ワンは諭す。
「では、考えてみよ。『金』には神秘が宿る。
例えば、東方の島ジャポンには、キンカクと呼ばれる金色の寺がある。
それは何故に金色にされたのか。
そしてまた、古代ローマは黄金のローマであった。
その街の多くの場所には黄金の装飾があった。なぜか?
・・・金は神の色なのだ」
バーガスは問い返した。
「神の色?」
ラプタピ・ワンは人差し指を立て、言った。
「そうだ。それゆえに、人間は金に注意せねばならない。
人間は神ではないからだ。
金がもたらす巨大な力を人間は欲する。
が、人間がその力を保持するには限度があるのだ。
人間は神に逆らってその力を保持することはできない。
それは、たとえるなら、封印を取ってはならないパンドラの壺だ。
神の力の前では、人間は大風に舞う木の葉のようなもの。
そのパンドラの壺を開けるとき・・・。
この世の終焉、巨大な獣リバイアサンがやってくる」
バーガスは、それを聞いて真顔で言う。
「金色の力は、本来、神のものであると・・・?
われわれは、よくよく考えてそれを扱わねばならない、と?」
ラプタピ・ワンは話し続けた。
「知っておろうが、ブリテンの物理学者、アイザック・ニュートン。
彼は物理学者であると同時に神学者であった。
そしてそのためか、彼は神に近づこうとした。彼は錬金術研究にも没頭した。
実際に錬金術が成功すれば金の価値が下がり、政治経済を揺るがすことになる。
ニュートンの研究は、そのために何者かに邪魔されていた。
しかし伝説によると彼は錬金術の、最後の段階直前まで至っていた」
バーガスは目を丸くして聞いた。
「それは何?」
ラプタピ・ワンは答える。
「『真理の水』と呼ばれるものが錬金術を成し遂げるうえで重要だ。
そうニュートンは分かったのだ」
バーガスは眉毛を上げて、額に横皺を浮かべて言う。
「よく分からない。あなたは何を言っているのだ」
ラプタピ・ワンは両手を天に仰ぎ答えた。
「では、簡単に言おう。The Golden Philosopher を作動させるには・・・。
『真理の水』が必要だ、ということだ。
そして、『真理の水』は、スペインのある海岸から湧き出る水なのだ。
そして、私は、それをここに持っている」
ラプタピ・ワンは、懐から小瓶を取り出した。それをバーガスに渡した。
バーガスは不思議そうに眉間に縦皺を寄せ、尋ねた。
「なぜ?」
ラプタピ・ワンは、真面目な顔でバーガスに伝えた。
「分からぬ。
あなたが、The Golden Philosopherを持っていて、私が『真理の水』を持ってい
た。
ただ、そういうことだ。これは、起こるべくして起こったのだ。
私にも理由は分からない・・・。私も驚いているのだ。
しかし、偶然などはない、全ては神の計らいだ。
ゆえに、その『真理の水』はあなたのものだ。
そして、もうひとつ、私がこれまでの旅の中で知ったことを言う。
金色は神の色、そして、神の通り道もまた金色だという。
The Golden Philosopherはそれを持つ者に神の通り道を通る資格を与えるらし
い」
バーガスは、ラプタピ・ワンの顔をじっと見て聞く・・・。
「何のことですか?」
ラプタピ・ワンは空を見上げ言う。
「われわれ人間は時間を超えることはできない。
われわれは、地上では、われわれに与えられた時代を生きる。そうだろう?
しかし、The Golden Philosopherは、時間と空間を超えるマシーンなのだ。
つまり。
あなたは普通は神しか通れない道、時間を超える道を通ることになるだろう」
バーガスは身震いして言う。
「しかし私はおそろしい。私はThe Golden Philosopherにかかわるべきでしょう
か。
投げ捨てるべきでしょうか」
ラプタピ・ワンは腕を組んで言うのだった。
「さて、物事をどう考えようか?
人間というものは、誰か他の人間がやっていることをする場合はね。
一種の安心を持つことが出来るようだ。だが、それは錯覚でしかないのだ。
その錯覚を利用して力を得ようとするのが、ファシズムなのだ。
一丸となって何かを成す、というアイディア自体むなしいものだ。
そういう集団主義は、全体主義、そしてファッショとも呼ばれる。
それは、むなしい力の誇示である。
一時的には力を持ったかのような錯覚を、関わる人々に持たせる。
力によって他を押しのける方法での自由を感じさせるだろう。
が、結局は、単なる暴力の誇示でしかない。
そのようなむなしい錯覚の力は、すぐに失われる。
ましてやね。
自由を奪われてファシズムに関わった人の魂は精神の牢獄に閉じ込められる。
そうした間違いを犯した国々はいくつもあった。また、今もあるのだよ。
間違った力を求めれば、結局、本当の自由にはつながらない。
全ての個人が人生を自分で選ぶ個人主義によってしか自由はもたらされない。
それ以外は、見せかけでしかない。
だからあなたがそれをやらねばとあなたの心で考えるなら行動すればいい。
そうでないなら、しないほうがいい。」
ラプタピ・ワンは笑った。
「ふふふふふ・・・・・」
空は快晴だった。
白い雲がクリアブルーに浮き立ってはっきりとした輪郭を見せていた。
バーガスは心に決めた。The Golden Philosopher を作動させるのだ・・・。
バーガスとジュンナは、アレッツォの教会に入った。
時を超えて愛を伝えるイエス(彫刻)に見守られるポイント(席)に座った。
2人は、そこで、The Golden Philosopher の頭に『真理の水』をかけた!
The Golden Philosopher は作動し、とつぜん浮き上がる!
バーガスとジュンナは、The Golden Philosopher につかまった。
The Golden Philosopher につかまっている2人の周囲の景色が消えた。
2人は黄金色につつまれていた。それこそは、時間を超えた場所だった!
黄金のトンネル、すなわち時間を超える黄金の道を2人は通過していく!
バーガスは大声で言った。
「この抜け道の壁は全て黄金色だ! この道はどこに通じるんだろう?」
ジュンナが叫ぶ。
「ああっ! バーガス・・・」
ジュンナの手がすべり、彼女は、The Golden Philosopherから手を離してしまう。
そのまま、ジュンナは黄金の道の途中の壁の中に落ちて消失してしまった・・。
バーガスが叫んだ。
「ああ! ジュンナ!」
そのすぐ後バーガスは、黄金の道の先に光る『出口』を見た。
そしてそこから、The Golden Philosopherごと彼はトンネルの外にはじき出され
た。
その『出口』は、海の真上に開いていたのだ。
バーガスはその光景を見て目をぱちくりさせた。彼は落ちているのだ。
The Golden Philosopher を抱きかかえたまま、空中から海面に向かって・・・。
ひゅーーーん。
バーガスは一直線に海上に落ちてくる。
バーガスの眼には海面がずーーーん、と接近する。
着水!
びゃーーーん、と大きな水しぶきが上がる。
ぶはーーー!
バーガスは水面に顔を出す。
間近には座礁したアジアの船が見えていた・・・。
船には『伊丹丸 ITAMI-MARU』と(外壁に)書かれている。
バーガスは、The Golden Philosopher をポケットにあった紐で腰に巻いた。
そして彼は、伊丹丸の甲板によじ登り、船のなかに入った。
伊丹丸内部は多少浸水していた。カニが3匹コリドーを横切るのが見えた。
バーガスは、暗くなっている船のもっと奥へと歩を進めた。
と、突然震える右手をのばすマゲの解けたサムライの出で立ちの男がいた。
男は弱っているようだ。声にならぬ声を振り絞っている!
「あ・・・あ・・・お・・・お・・・」
バーガスは男の方へ駆け寄って、彼に声をかけた。
「あんた、大丈夫かい?僕はね、フランス系の男だよ。
南フランスから来たのさ。
趣味はイタリアの車かな。ママンは今はパリに住んでるよ。パリはいい街さ。
世界から人が集まる。オキナワも好きさ。
気持ち的に、いつもトロピカルってかんじー。
ところでさ、経験から考えたんだけど、ここってマラッカあたりだよね。
この船は座礁しちゃってるみたいだけど、あんたを救助するYO。
あんたは体力を消耗してる。
ひとりじゃ近くの人が住む小島まではいけそうにないから救命ボートに乗りナ。
僕が、それを押して泳ぐよ。だってフランスの精神は博愛だろ。
今はプロバンスに住んでるけど元パリジャンの僕としては見過ごせないよ」
バーガスはそのサムライ風の男を乗せて救命ボートを泳ぎ押してゆくのだった。
男は涙ながらに言うのであった。
「かたじけない。拙者は江戸の一族、徳川のはしくれナリ。これは礼ぢゃ」
男は万華鏡みたいな覗き窓のついた筒をバーガスに渡した。
バーガスは泳ぎながらその筒を覗いてみた。
覗き窓から見ると地図みたいな絵が見える。
男は言った。
「それは、いにしえの徳川の埋蔵金のアリカだ」
やがて、陸が見えてきた・・・・・・・。
陸のそばに貿易船が停泊している。貿易船はカラフルペイントが施されている。
それは、幻のような船で、どこの船籍か分からない・・・。
バーガスは、しかし、助かった、という安堵の表情を浮かべて言った。
「どこの船かは分からないが。
外壁にはアジアの文字みたいなものが書かれているな」
どうやら、その貿易船に描かれているのはタイ語と漢字のようだ。
バーガスは上陸する。
難破船から救助したサムライ風男を海難簡易手当棟まで背負って連れて行った。
男を看護士に任せるとバーガスは手を振って、その場を去った。
そして2ヵ月と一週間が経過した・・・・・・・。
バーガスは屋外のテーブルで、ナシゴレンをがっついていた。
バーガスは、そして、あたりを見回して想いを馳せつぶやいた。
「この町に来て2ヶ月と一週間だ・・・」
通りを行き交う人々はみな変わった服装をしている。
バーガスは彼らをぼんやり見ながら独り言を続けるのだった。
「ここはなんだか、まぼろしのような町だ・・・。ジャポンのようにも見える。
ここは何なのだろうか・・・。2ヶ月と一週間、なんとなく暮らしてきたが」
バーガスのテーブルに日本の商人のようないでたちの男が近寄って来た。
商人のような男はTOWN MAPをバーガスに渡し、喋った。
「あなた、ここのニューカマーでしょ。これをあげよう」
その MAP には、『YAMADA CITY OF SIAM』と書かれていた。
バーガスは、はて、とつぶやく・・。
「ヤマダ・・・、そしてシャム・・・、はて・・・。
まさかここは、ジャパニーズ・山田長政が建設したという幻の町。
ファウンデーションで東南アジア史を学んでいてよかった。
こんなところで役立つとは・・・。
ここは、山田長政が建設したが、失われてしまった伝説の町だ。
ずい分と時間をさかのぼったようだ・・。だが、おもしろいではないか。
私は、シャムのロスト・ジャパニーズ・シティにいるのか!」
バーガスはナシゴレンをぱくぱく食べおわると、立ち上がった。
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