ゴンザレス☆タマミの日常

犬派のノラ猫

文字の大きさ
41 / 61

鶏肉と大根の煮物

しおりを挟む
ワタシは夜の蝶
夜を舞う一匹の蝶
そんな蝶でもお腹は空く


「…食べて帰りましょ」

今日は団体さんが多くて…家まで
お預けを我慢できそうにないのよ!

「…居酒屋さん…開いてたわよね」

確かお店から少し離れた場所に
いい感じの居酒屋さんが…


「お酒よりご飯食べたいけど…居酒屋のご飯おいしいから…ヨシ!」


ワタシは一目散に向かった


ワタシが入ると『いらっしゃい!』
と出迎えてくれた…年期のいい感じに入った
お顔が素敵な主人に少しドキッとしながら
カウンターに座る


「何にしますか?」

「そうね…」

ワタシはメニューを見ながら少し悩み

「鶏肉と大根の煮物お願いしようかしら?」

「はいよ!飲み物は?」

「…ビール!…あと白ご飯大盛りで!」

「はいよ!ちょいとお待ちよお姉さん」

結局飲んじゃうのねタマミ…まぁいいわ!

ホントにちょいと待っていると温かい
鶏肉と大根の煮物と白ご飯が出てきた。

「煮物は見せ閉めるまで弱火で煮っぱなしだから温かいよ!」


「ありがたいわ。」

なにこの人…仏様?

「あと、ビールね!」

「キンキンね!」

「グラスもバッチリだよ!」

やっぱり仏様?…お酒出してるけど。
まぁいいわ。

「いただきます。」

ワタシはまず大根に箸を入れた。
柔らかいがしっかり形を保った大根…
色は出汁の色って感じね…さてさて


「あら、大将おいしいわ」

「お、そりゃよかった!」

中までしっかり色の着いた大根を
口に入れた瞬間、出汁の旨味と香りを感じ
次に砂糖とみりんの甘さ
最後に醤油の存在を感じる


「ご飯が進むわ!」

「そのペースじゃご飯が足りないな?」

「もちろんお代わりするわよ?」

「嬉いねぇ~なら、大盛りサービスしちまうか!」

「あらやだありがとう!」

次にワタシは鶏肉を箸でつまんだ
なるほど…皮目を先に焼いているのね
だから、少し香ばしいのね


「鶏肉もおいしいわよ大将!」

柔らかいだけじゃなくしっかり
噛める鶏肉の煮加減…熟練の技よね!
その技のせいで?いつの間にか
手には大盛りご飯があるのだけど
…ワタシはいつお代わりしたのかしら?

そんなことを考えながら最後はビールで
すべてを流し込み


「ご馳走さまでした!」

「はいよ、お粗末様でした!」

最後まで気持ちがいい大将に見送られ店を出た

「接客業はこうあるべきかもね。」

その時だけじゃなく
また来たいと思わせる人と味
その大切さを改めて感じたタマミであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...