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最高の目覚め
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この二人のお話を入れようと思って忘れてました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side二葉(昇の母)>
可愛い直くんや昇たちと別れて、私たちはフランスに降り立った。
急な出発で準備は大変だったけれど、身の周りの物以外は特に持っていく必要はないと言われていただけあって会社側が用意してくれたのは会社からほど近い場所にある、高級住宅が並んだ中にある広々としたアパルトマン。
元々ここは、毅さんの会社本社会長であるシュバリエ一族の持ち物だけあって、部屋の中は高い天井や美しい装飾が施され、綺麗な暖炉まである。バルコニーからはパリの街並みが見渡せて、夜にはライトアップされたエッフェル塔まで楽しめる。
家具も家電も全て揃っているだけでなく、アパルトマンの一階にはコンシェルジュが常駐していてセキュリティーも万全で安心してフランス生活を楽しむことができる。本当に最高の部屋だ。
「ねぇ、毅さん。ここならいつ昇と直くんを呼んでも安心して過ごせるわね」
「そうだな。想像以上のいい部屋だから私も二葉を残して安心して仕事に行けるよ」
「こんな部屋を用意してもらえたのも毅さんが期待されている証拠ね」
「ははっ。その期待に応えられるように頑張るよ」
「無理だけはしないようにね」
「ああ。大丈夫。だから、明日から頑張れるようにしっかりと充電させてくれ」
さっと抱きかかえられて寝室に連れて行かれる。
そうして甘い夜を過ごしながらパリでの二人っきりの夜はすぎていった。
翌日、毅さんが仕事に行ったあと、近くを散策がてら買い物に出かけようとするとコンシェルジュの一人が護衛としてついてきてくれる。それも会社から決められていることらしい。言葉には不自由はしないけれど、日本ほど治安がいいとはいえないパリ市内ではやっぱりいざという時に守ってくれる人がいるというのは助かる。
護衛の彼はかなり逞しくて強いオーラを放っているせいか、誰も近付いてくる気配もなくて安心できる。その上、歩きながら街の案内もしてくれるから楽しい。
美味しいケーキ屋さんと紅茶の店を教えてもらったおかげで楽しいお茶の時間ができそうだ。
あとはここで友人でもできたら私の生活はもっと楽しくなるだろう。
絢斗さんや瑠璃さんのようなお喋りするだけで楽しくなれる相手ができたら最高なんだけど。
まぁ、それは毅さんの歓迎会を兼ねたシュバリエ家のパーティーに参加するときの楽しみにとっておこう。
パーティー会場で何か素敵な出会いがあるんじゃないかと密かに期待している私がいる。
そしてフランスでの初めての週末。
目を覚まして、スマホの時間を確かめようとすると真夜中に絢斗さんと昇からメッセージと写真、それに動画まで送られてきている。
そうだ! 今日は結婚式に行ってるんだ!
送られた時間を見ると、あっちでは土曜のお昼頃。
ちょうど結婚式の頃だ。
もしかしたら結婚式の写真かしら?
直くんは初めて結婚式に参加するって言っていたから喜びの写真と動画を送ってくれているのかも!
隣を見ると毅さんはまだ眠っている。
起こさないように静かに見ようっと。
絢斗さんからのメッセージを見ると、
<結婚式に参加中の直くんの写真と動画を送るね。可愛いからびっくりしないように。絢斗>
そんな簡潔なメッセージにちょっと期待を膨らませながら写真から見てみると、
「ええっ?!」
想像をはるかに超えた可愛らしい写真に、思わず大声が出た。
「んっ? 二葉? どうしたんだ?」
「あ、起こしちゃってごめんなさい」
「それはいいが何かあったのか?」
「それが……これ、見て!」
「ん?」
優しい毅さんは怒ることもなく、私の差し出したスマホに目をやった。
「なっ、えっ? これ……」
「絢斗さんと直くんよ。結婚式に参列するのに、お着替えしたんですって」
直くんの事情は知っている。どこからか情報が漏れないために変装の意味も兼ねて女の子の格好になったんだろう。そして一人だけじゃ可哀想だから絢斗さんも付き合ったってことなんだろう。
でも……二人とも可愛すぎ!!!
お義兄さんと昇が大喜びしている姿が目に浮かぶわ。
「すごいな、可愛いのは知ってたけど本当に女の子にしか見えないぞ。絢斗さんも女性顔負けの美しさだな。もちろん、二葉は別格だけどな」
「毅さんったら。でも嬉しいわ。ありがとう。ねぇ、昇からも写真が送られてきてるのよ。一緒にみましょう」
二人でヘッドボードを背もたれに座って、昇から写真を見てみると
「まぁ、素敵!」
「これは昇しか映せない表情だろうな」
ピンクベージュの可愛らしいドレスを着た直くんの耳の上に綺麗な蝶々が髪飾りのように止まって、優しい笑顔を浮かべている直くんの写真。
「昇……本当に心から直くんを想っているのね」
「ああ、そして直くんもな。二人は幸せになるよ。私たちのようにな」
昇が相手に可愛い男の子を選んだ時、もちろん驚きはあった。
でも幸せに過ごしているお義兄さんと絢斗さんを知っているから反対はなかった。
それが正しかったのがよくわかる。
「昇は日本に置いてきて正解だったわね」
「そうだな。あとは有言実行で桜城大学に首席で入学してもらうだけだな」
あの子なら、絶対にやり抜くだろう。だって毅さんの息子だもの。
直くんとの将来のために頑張ってくれるはずだわ。
最高の目覚めを迎えて、私たちの初めての週末は始まった。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side二葉(昇の母)>
可愛い直くんや昇たちと別れて、私たちはフランスに降り立った。
急な出発で準備は大変だったけれど、身の周りの物以外は特に持っていく必要はないと言われていただけあって会社側が用意してくれたのは会社からほど近い場所にある、高級住宅が並んだ中にある広々としたアパルトマン。
元々ここは、毅さんの会社本社会長であるシュバリエ一族の持ち物だけあって、部屋の中は高い天井や美しい装飾が施され、綺麗な暖炉まである。バルコニーからはパリの街並みが見渡せて、夜にはライトアップされたエッフェル塔まで楽しめる。
家具も家電も全て揃っているだけでなく、アパルトマンの一階にはコンシェルジュが常駐していてセキュリティーも万全で安心してフランス生活を楽しむことができる。本当に最高の部屋だ。
「ねぇ、毅さん。ここならいつ昇と直くんを呼んでも安心して過ごせるわね」
「そうだな。想像以上のいい部屋だから私も二葉を残して安心して仕事に行けるよ」
「こんな部屋を用意してもらえたのも毅さんが期待されている証拠ね」
「ははっ。その期待に応えられるように頑張るよ」
「無理だけはしないようにね」
「ああ。大丈夫。だから、明日から頑張れるようにしっかりと充電させてくれ」
さっと抱きかかえられて寝室に連れて行かれる。
そうして甘い夜を過ごしながらパリでの二人っきりの夜はすぎていった。
翌日、毅さんが仕事に行ったあと、近くを散策がてら買い物に出かけようとするとコンシェルジュの一人が護衛としてついてきてくれる。それも会社から決められていることらしい。言葉には不自由はしないけれど、日本ほど治安がいいとはいえないパリ市内ではやっぱりいざという時に守ってくれる人がいるというのは助かる。
護衛の彼はかなり逞しくて強いオーラを放っているせいか、誰も近付いてくる気配もなくて安心できる。その上、歩きながら街の案内もしてくれるから楽しい。
美味しいケーキ屋さんと紅茶の店を教えてもらったおかげで楽しいお茶の時間ができそうだ。
あとはここで友人でもできたら私の生活はもっと楽しくなるだろう。
絢斗さんや瑠璃さんのようなお喋りするだけで楽しくなれる相手ができたら最高なんだけど。
まぁ、それは毅さんの歓迎会を兼ねたシュバリエ家のパーティーに参加するときの楽しみにとっておこう。
パーティー会場で何か素敵な出会いがあるんじゃないかと密かに期待している私がいる。
そしてフランスでの初めての週末。
目を覚まして、スマホの時間を確かめようとすると真夜中に絢斗さんと昇からメッセージと写真、それに動画まで送られてきている。
そうだ! 今日は結婚式に行ってるんだ!
送られた時間を見ると、あっちでは土曜のお昼頃。
ちょうど結婚式の頃だ。
もしかしたら結婚式の写真かしら?
直くんは初めて結婚式に参加するって言っていたから喜びの写真と動画を送ってくれているのかも!
隣を見ると毅さんはまだ眠っている。
起こさないように静かに見ようっと。
絢斗さんからのメッセージを見ると、
<結婚式に参加中の直くんの写真と動画を送るね。可愛いからびっくりしないように。絢斗>
そんな簡潔なメッセージにちょっと期待を膨らませながら写真から見てみると、
「ええっ?!」
想像をはるかに超えた可愛らしい写真に、思わず大声が出た。
「んっ? 二葉? どうしたんだ?」
「あ、起こしちゃってごめんなさい」
「それはいいが何かあったのか?」
「それが……これ、見て!」
「ん?」
優しい毅さんは怒ることもなく、私の差し出したスマホに目をやった。
「なっ、えっ? これ……」
「絢斗さんと直くんよ。結婚式に参列するのに、お着替えしたんですって」
直くんの事情は知っている。どこからか情報が漏れないために変装の意味も兼ねて女の子の格好になったんだろう。そして一人だけじゃ可哀想だから絢斗さんも付き合ったってことなんだろう。
でも……二人とも可愛すぎ!!!
お義兄さんと昇が大喜びしている姿が目に浮かぶわ。
「すごいな、可愛いのは知ってたけど本当に女の子にしか見えないぞ。絢斗さんも女性顔負けの美しさだな。もちろん、二葉は別格だけどな」
「毅さんったら。でも嬉しいわ。ありがとう。ねぇ、昇からも写真が送られてきてるのよ。一緒にみましょう」
二人でヘッドボードを背もたれに座って、昇から写真を見てみると
「まぁ、素敵!」
「これは昇しか映せない表情だろうな」
ピンクベージュの可愛らしいドレスを着た直くんの耳の上に綺麗な蝶々が髪飾りのように止まって、優しい笑顔を浮かべている直くんの写真。
「昇……本当に心から直くんを想っているのね」
「ああ、そして直くんもな。二人は幸せになるよ。私たちのようにな」
昇が相手に可愛い男の子を選んだ時、もちろん驚きはあった。
でも幸せに過ごしているお義兄さんと絢斗さんを知っているから反対はなかった。
それが正しかったのがよくわかる。
「昇は日本に置いてきて正解だったわね」
「そうだな。あとは有言実行で桜城大学に首席で入学してもらうだけだな」
あの子なら、絶対にやり抜くだろう。だって毅さんの息子だもの。
直くんとの将来のために頑張ってくれるはずだわ。
最高の目覚めを迎えて、私たちの初めての週末は始まった。
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