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番外編
宮古島旅行 6
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もう終わらせるつもりないですよねって言われそう(汗)
楽しくなってきちゃったので、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです♡
* * *
それからは垂涎ものの映像を見せてもらい、アルバムも堪能してすっかり大満足になった。
「ふふっ。喜んでいただけたようね」
「ええ。もちろんです! この映像ですが、このままだとテープの劣化で見られなくなる恐れがありますから、ディスクに保存しておいた方がいいかと思います」
「そうなの?」
「はい。これらの映像を全て綺麗なまま保存いたしますので、少しの間だけ東京に持ち帰っても構いませんか?」
「ええ。それは構わないけれど量も多いし大変じゃない?」
「ああ、それならご心配なく。安慶名と手分けして行いますからすぐに終わりますよ。大切な家族の記録ですからね、しっかりと残しておかないと。なぁ、安慶名」
安慶名に話を振ると、安慶名も思いっきり頷いて、
「私たちにお任せください」
と言ってくれた。
「ふふっ。じゃあお願いしようかしら。さっき見せたもの以外にもまだいくつかあるのよ。それも出しておくわ」
「はい。よろしくお願いします!」
きっとお義母さんは俺たちの意図に気づいていただろうが、きちんと保存しておくことはお義母さんたちにとっても良いことだから。なんの問題もない。
ああ、東京に帰ってから作業するのが楽しみだな。
沖縄特有とでもいうのか、ゆったりとした時間を過ごしていると突然少し離れた場所からポンポン、と花火のような音が鳴り響いた。
「あれ? 母さん、今の……」
「ああ、そうそう。あんたたちが連れてきた人があまりにも男前だったから、すっかり忘れていたわ。今日はあのお祭りの日でしょう?」
「お祭り? あっ、そっか。今時期だったっけ? すっかり忘れてた」
真琴の言葉に悠真さんも頷いている。
「ふふっ。最近はこの時期に帰ってくることがなかったからねぇ。でもせっかくだから、お祭りを楽しんできたら?」
お義母さんはそう話しながら、隣の部屋に行ってしまった。
どうしたのだろうと思っていると、すぐに戻ってきたお義母さんの手には何やら大きくて平たい風呂敷を持っている。
「母さん、それは?」
「ふふっ。せっかくあんたたちが良い人を連れてくるって言っていたから、お義母さんと一緒に作っておいたの」
そう言って、風呂敷の結び目を開くと、中から出てきたのは着物……いや、浴衣か。
「これは安慶名さんと悠真。そしてこっちは成瀬さんと真琴のよ」
「母さん、だから電話で身長を聞いたの?」
「ええ。息子たち4人の浴衣姿を見られるなんて素敵でしょう?」
「でも大変だったんじゃない?」
「浴衣4枚くらい大したことないわよ。忘れたの? 私もお義母さんも裁縫得意なんだから」
渡された浴衣を見ると、とても綺麗な縫い目だが機械的な感じはしない。
「これ……まさか、手縫いですか?」
「もちろん、浴衣は手縫いが一番だから」
なんでもないようにそう言ってくれるが、4枚も手縫いで浴衣を……。
お祖母さんとお義母さんの愛を感じるな。
「さぁさ、着て見せてちょうだい。浴衣は着られるかしら?」
「はい。大丈夫です」
「よかった、じゃあ、真琴も悠真も自分の部屋に案内して着替えてきて」
浴衣帯や肌着なども一式渡されて、その勢いのままに部屋に案内された。
「優一さん、母さん張り切っちゃって……」
「いや、まさか手作りの浴衣を用意してもらえるとは思っていなかったからね。びっくりしたけど家族と認めてもらえたようでとても嬉しいよ」
「ふふっ。あの電話の時からとっくに認めてますよ。僕……優一さんの浴衣姿が見られるなんて思ってなかったから嬉しいです」
「ああ、私もだよ。可愛すぎて誰にも見せたくなくなってしまうかもしれないな」
「もう、優一さんったら」
「なぁ、真琴……キス、してもいいか?」
「えっ?」
「ずっと我慢していたけど、真琴が可愛すぎて我慢できない。少しだけ充電させてくれ」
「はい。僕もずっと優一さんとキス、したいって思ってました……」
「真琴っ!」
真琴の言葉が嬉しくて部屋の真ん中で真琴の唇を奪った。
さっきのマンゴーのせいか、いつもよりもずっと甘く感じた。
「真琴は自分で浴衣を着られるのか?」
「はい。こっちにいた時は毎年浴衣を着てましたから」
「そうか、じゃあ俺のは真琴に結んでもらおうかな。真琴のは俺が結ぼう」
「ふふっ。はい」
真琴の浴衣は生成りの生地にグレーの帯。
少し大人びた生地が真琴の可愛さを引き立てている。
そして、俺はグレーの生地に古典柄の白帯。
真琴の帯と俺の浴衣の色を合わせてくれたんだな。
用意してもらった肌着を着て浴衣を羽織り、真琴に目を向けると
「――っ!!!」
あまりの可愛さにそのままベッドに押し倒しそうになってしまった。
ああ、こんな可愛い姿を安慶名だけでなく、祭りに来た人に見せるのか……。
絶対に手を離すわけにはいかないな。
「優一さん?」
「あ、ああ。悪い。あまりにも真琴が可愛くて誰にも見せたくないなって思っていた」
「……だって……」
「えっ?」
「僕だって、思ってますよ。優一さんかっこいいから心配です」
「――っ!!」
ああ、もうどうしてこんなにも可愛いんだろうな。
必死に押し留めようと思っていた欲をいとも簡単に崩れさせる。
「俺には真琴だけだよ」
チュッと再び唇を重ね合わせると、真琴の方から舌を滑り込ませてきた。
そうなるともう止められない。
一気に深いキスで真琴の口内をたっぷりと味わう。
クチュクチュという舌を絡ませ合う激しい水音が部屋の外に漏れ聞こえるんじゃないかと思うほど、真琴とのキスに酔いしれていた。
真琴がぐったりと俺の方に身を預けるのを見て、ハッと我に返り唇を話したが、真琴の頬が上気して何をしていたかはすぐにバレてしまいそうだ。
まずいと思ったがもうどうしようもない。
「続きは夜にしよう」
そう言って、俺の身体に身を預けたままの真琴の浴衣の着付けを終えた。
「真琴、俺の帯を結べるか?」
頷く真琴をベッドに座らせ、俺の帯を結んでもらう。
さすが毎年着ていただけあって手際がいい。
あっという間に綺麗に結んでくれた真琴としばらくおとなしくしていると、上気していた頬も少し戻ったような気がする。
そろそろいかないとまずいだろう。
真琴の腰を抱き部屋の外に出ると、ちょうど安慶名と悠真さんも部屋から出てくるところだった。
楽しくなってきちゃったので、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです♡
* * *
それからは垂涎ものの映像を見せてもらい、アルバムも堪能してすっかり大満足になった。
「ふふっ。喜んでいただけたようね」
「ええ。もちろんです! この映像ですが、このままだとテープの劣化で見られなくなる恐れがありますから、ディスクに保存しておいた方がいいかと思います」
「そうなの?」
「はい。これらの映像を全て綺麗なまま保存いたしますので、少しの間だけ東京に持ち帰っても構いませんか?」
「ええ。それは構わないけれど量も多いし大変じゃない?」
「ああ、それならご心配なく。安慶名と手分けして行いますからすぐに終わりますよ。大切な家族の記録ですからね、しっかりと残しておかないと。なぁ、安慶名」
安慶名に話を振ると、安慶名も思いっきり頷いて、
「私たちにお任せください」
と言ってくれた。
「ふふっ。じゃあお願いしようかしら。さっき見せたもの以外にもまだいくつかあるのよ。それも出しておくわ」
「はい。よろしくお願いします!」
きっとお義母さんは俺たちの意図に気づいていただろうが、きちんと保存しておくことはお義母さんたちにとっても良いことだから。なんの問題もない。
ああ、東京に帰ってから作業するのが楽しみだな。
沖縄特有とでもいうのか、ゆったりとした時間を過ごしていると突然少し離れた場所からポンポン、と花火のような音が鳴り響いた。
「あれ? 母さん、今の……」
「ああ、そうそう。あんたたちが連れてきた人があまりにも男前だったから、すっかり忘れていたわ。今日はあのお祭りの日でしょう?」
「お祭り? あっ、そっか。今時期だったっけ? すっかり忘れてた」
真琴の言葉に悠真さんも頷いている。
「ふふっ。最近はこの時期に帰ってくることがなかったからねぇ。でもせっかくだから、お祭りを楽しんできたら?」
お義母さんはそう話しながら、隣の部屋に行ってしまった。
どうしたのだろうと思っていると、すぐに戻ってきたお義母さんの手には何やら大きくて平たい風呂敷を持っている。
「母さん、それは?」
「ふふっ。せっかくあんたたちが良い人を連れてくるって言っていたから、お義母さんと一緒に作っておいたの」
そう言って、風呂敷の結び目を開くと、中から出てきたのは着物……いや、浴衣か。
「これは安慶名さんと悠真。そしてこっちは成瀬さんと真琴のよ」
「母さん、だから電話で身長を聞いたの?」
「ええ。息子たち4人の浴衣姿を見られるなんて素敵でしょう?」
「でも大変だったんじゃない?」
「浴衣4枚くらい大したことないわよ。忘れたの? 私もお義母さんも裁縫得意なんだから」
渡された浴衣を見ると、とても綺麗な縫い目だが機械的な感じはしない。
「これ……まさか、手縫いですか?」
「もちろん、浴衣は手縫いが一番だから」
なんでもないようにそう言ってくれるが、4枚も手縫いで浴衣を……。
お祖母さんとお義母さんの愛を感じるな。
「さぁさ、着て見せてちょうだい。浴衣は着られるかしら?」
「はい。大丈夫です」
「よかった、じゃあ、真琴も悠真も自分の部屋に案内して着替えてきて」
浴衣帯や肌着なども一式渡されて、その勢いのままに部屋に案内された。
「優一さん、母さん張り切っちゃって……」
「いや、まさか手作りの浴衣を用意してもらえるとは思っていなかったからね。びっくりしたけど家族と認めてもらえたようでとても嬉しいよ」
「ふふっ。あの電話の時からとっくに認めてますよ。僕……優一さんの浴衣姿が見られるなんて思ってなかったから嬉しいです」
「ああ、私もだよ。可愛すぎて誰にも見せたくなくなってしまうかもしれないな」
「もう、優一さんったら」
「なぁ、真琴……キス、してもいいか?」
「えっ?」
「ずっと我慢していたけど、真琴が可愛すぎて我慢できない。少しだけ充電させてくれ」
「はい。僕もずっと優一さんとキス、したいって思ってました……」
「真琴っ!」
真琴の言葉が嬉しくて部屋の真ん中で真琴の唇を奪った。
さっきのマンゴーのせいか、いつもよりもずっと甘く感じた。
「真琴は自分で浴衣を着られるのか?」
「はい。こっちにいた時は毎年浴衣を着てましたから」
「そうか、じゃあ俺のは真琴に結んでもらおうかな。真琴のは俺が結ぼう」
「ふふっ。はい」
真琴の浴衣は生成りの生地にグレーの帯。
少し大人びた生地が真琴の可愛さを引き立てている。
そして、俺はグレーの生地に古典柄の白帯。
真琴の帯と俺の浴衣の色を合わせてくれたんだな。
用意してもらった肌着を着て浴衣を羽織り、真琴に目を向けると
「――っ!!!」
あまりの可愛さにそのままベッドに押し倒しそうになってしまった。
ああ、こんな可愛い姿を安慶名だけでなく、祭りに来た人に見せるのか……。
絶対に手を離すわけにはいかないな。
「優一さん?」
「あ、ああ。悪い。あまりにも真琴が可愛くて誰にも見せたくないなって思っていた」
「……だって……」
「えっ?」
「僕だって、思ってますよ。優一さんかっこいいから心配です」
「――っ!!」
ああ、もうどうしてこんなにも可愛いんだろうな。
必死に押し留めようと思っていた欲をいとも簡単に崩れさせる。
「俺には真琴だけだよ」
チュッと再び唇を重ね合わせると、真琴の方から舌を滑り込ませてきた。
そうなるともう止められない。
一気に深いキスで真琴の口内をたっぷりと味わう。
クチュクチュという舌を絡ませ合う激しい水音が部屋の外に漏れ聞こえるんじゃないかと思うほど、真琴とのキスに酔いしれていた。
真琴がぐったりと俺の方に身を預けるのを見て、ハッと我に返り唇を話したが、真琴の頬が上気して何をしていたかはすぐにバレてしまいそうだ。
まずいと思ったがもうどうしようもない。
「続きは夜にしよう」
そう言って、俺の身体に身を預けたままの真琴の浴衣の着付けを終えた。
「真琴、俺の帯を結べるか?」
頷く真琴をベッドに座らせ、俺の帯を結んでもらう。
さすが毎年着ていただけあって手際がいい。
あっという間に綺麗に結んでくれた真琴としばらくおとなしくしていると、上気していた頬も少し戻ったような気がする。
そろそろいかないとまずいだろう。
真琴の腰を抱き部屋の外に出ると、ちょうど安慶名と悠真さんも部屋から出てくるところだった。
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