33 / 95
兄さんの恋人って……
しおりを挟む
ーうん。僕も優一さんじゃなきゃ、ダメだ……。
ーふふっ。だよね。兄さんも同じ。
ーそっか。兄さん……よかったね。
ーうん、ありがとう。それで、なんだけど……実は、今度上京する時に真琴に彼を紹介したくて、一緒に食事でもどうかなと思って。
ーえっ、一緒に食事?
まさか兄さんの方からこんなにすぐに恋人を紹介したいって言ってくるとは思ってなかった。
今回は報告だけだと思ってたし。
あの慎重な兄さんがこんなにも早く僕に紹介したいって言ってくれるってことは恋人ってことだけじゃなくて……多分これから一生ともに過ごす相手に決めたってことなんだろうと思う。
この前電話した時はそんな話なかったから、この1週間の間に恋人にまでなっちゃったってことだよね?
そんなにすごい出会いが西表であったってこと?
でも、そんな出会いあるかな?
あ――っ!!
もしかして、兄さんの恋人って……倉橋さんなんじゃ?
今まで仕事相手としかみてなかったけど、何かのきっかけで恋人になったとか?
そういうのもなくはないよね?
考えてみたら、倉橋さん……兄さんだけじゃなく僕にもよくしてくれてたし、もしかしたらずっと前から兄さんのことが好きで、兄さんがやっとその想いに気づいたとか?
うん、あり得る!
ーね、ねぇ。兄さん……。
ーん? どうした? 週末、都合悪い?
ーいや、そうじゃなくて……もしかして、兄さんの恋人さんって……倉橋さん?
ーゴホッ、ゴホッ。はっ? えっ? なんでっ? いや、そんなわけないでしょ!!
ーえっ? 違うの? なんだ、僕……てっきり、倉橋さんが仕事上のパートナーからプライベートにもって……。
ーそんなこと、あるわけないっ!!
思いっきり違う!!! と否定されて、かえって驚いてしまった。
なんか否定の声が強かったんだけど……。
倉橋さんのこと、嫌いってわけじゃないよね?
でも、兄さんの勢いが強くてちょっと怖かった……。
ーあ、あの、ごめん……そこまで怒るとは思ってなかったんだけど……。
ーあ、いや、怒ってるわけじゃなくて……いきなり社長の名前が出たからびっくりしただけで……。とにかく社長じゃないから。
ーあ、うん。わかった。あの……週末だよね。喜んで会いに行くよ。二人で西表から来るの?
ーううん。彼は東京に住んでるんだ。空港に迎えにきてくれるから、そのまま向かうよ。
東京に住んでる?
西表に住んでる兄さんとどこで出会ったのか、ますます気になる。
ーわかった。お店はどうする?
ー彼が探してくれるから任せて。あと、できたらでいいんだけど、真琴の恋人の成瀬さんも連れてきてほしいんだ。
ーえっ? 優一さんも?
ーうん。せっかくだから、真琴にも紹介してもらって一緒に食事できたらなって。実はね、兄さんの恋人も東京で弁護士してるんだ。
ーえっ――!! それはすごい偶然!
ーうん。だから多分話も合うと思うんだよね。
ーわかった。じゃあ、優一さんに聞いて連絡するね。
ーわかった。じゃあね。
そう言って電話は切れた。
兄さんの最後の声……すごく嬉しそうだったな。
それにしても、兄さんの恋人って……どんな人だろう?
本当に倉橋さんじゃないんだよね?
あ、そうか。
弁護士だって言ってたっけ。
「電話、終わった?」
「わっ!」
急に後ろからかけられた声に驚いて声をあげてしまった。
これ、なんか前にも同じようなことがあった気がする……。
「ごめん、驚かせるつもりはなかったんだが何か話が盛り上がっているようだったから、声かけにくかったんだ」
「あ、ごめんなさい。ちょっといろいろ話してたら長くなってしまって……」
「いや、それはいいんだけど、途中で私の名前も出てきたような気がしたから気になっていたんだ」
「聞こえてました? そうなんです、実は兄さんが上京してきた時に優一さんも一緒に食事がしたいって言ってて……」
「ああ、お兄さんとの食事ならもちろん喜んで参加するよ」
嬉しそうに笑ってそう言ってくれる優一さん。
本当に優しい。
「あの、実は今回の食事会なんですけど……兄さんに恋人ができて、その人を僕に紹介したいって……それで」
「お兄さんに恋人が? それはめでたいことだね」
「はい。それで、驚くかもしれないんですけど……兄さんの恋人も男性らしくて……」
「へぇ……」
「しかも、その人……東京に住んでて弁護士をされてるって……」
「それは……すごい偶然だな。その方の名前は聞いたのかな?」
「あ、そういえば聞くの忘れてました。驚きすぎてそこまで頭が回らなくて……」
「いや、気にしなくていいよ。どうせ当日会えるんだから……。出会った時の楽しみにするから、真琴はお兄さんに聞かなくていいよ」
「そうですか? じゃあ、そうしますね」
「じゃあ、お風呂に入ろうか」
そう言って、優一さんは僕をバスルームへと連れて行った。
なんだか当然のように一緒にお風呂に入ることになっているけど、恋人なら一緒に入るのが当然なんだって。
それに怪我していた時にずっとお世話されてたから、もう恥ずかしいという気持ちもなくて一緒に入るのが楽しくてたまらないんだよね。
ーふふっ。だよね。兄さんも同じ。
ーそっか。兄さん……よかったね。
ーうん、ありがとう。それで、なんだけど……実は、今度上京する時に真琴に彼を紹介したくて、一緒に食事でもどうかなと思って。
ーえっ、一緒に食事?
まさか兄さんの方からこんなにすぐに恋人を紹介したいって言ってくるとは思ってなかった。
今回は報告だけだと思ってたし。
あの慎重な兄さんがこんなにも早く僕に紹介したいって言ってくれるってことは恋人ってことだけじゃなくて……多分これから一生ともに過ごす相手に決めたってことなんだろうと思う。
この前電話した時はそんな話なかったから、この1週間の間に恋人にまでなっちゃったってことだよね?
そんなにすごい出会いが西表であったってこと?
でも、そんな出会いあるかな?
あ――っ!!
もしかして、兄さんの恋人って……倉橋さんなんじゃ?
今まで仕事相手としかみてなかったけど、何かのきっかけで恋人になったとか?
そういうのもなくはないよね?
考えてみたら、倉橋さん……兄さんだけじゃなく僕にもよくしてくれてたし、もしかしたらずっと前から兄さんのことが好きで、兄さんがやっとその想いに気づいたとか?
うん、あり得る!
ーね、ねぇ。兄さん……。
ーん? どうした? 週末、都合悪い?
ーいや、そうじゃなくて……もしかして、兄さんの恋人さんって……倉橋さん?
ーゴホッ、ゴホッ。はっ? えっ? なんでっ? いや、そんなわけないでしょ!!
ーえっ? 違うの? なんだ、僕……てっきり、倉橋さんが仕事上のパートナーからプライベートにもって……。
ーそんなこと、あるわけないっ!!
思いっきり違う!!! と否定されて、かえって驚いてしまった。
なんか否定の声が強かったんだけど……。
倉橋さんのこと、嫌いってわけじゃないよね?
でも、兄さんの勢いが強くてちょっと怖かった……。
ーあ、あの、ごめん……そこまで怒るとは思ってなかったんだけど……。
ーあ、いや、怒ってるわけじゃなくて……いきなり社長の名前が出たからびっくりしただけで……。とにかく社長じゃないから。
ーあ、うん。わかった。あの……週末だよね。喜んで会いに行くよ。二人で西表から来るの?
ーううん。彼は東京に住んでるんだ。空港に迎えにきてくれるから、そのまま向かうよ。
東京に住んでる?
西表に住んでる兄さんとどこで出会ったのか、ますます気になる。
ーわかった。お店はどうする?
ー彼が探してくれるから任せて。あと、できたらでいいんだけど、真琴の恋人の成瀬さんも連れてきてほしいんだ。
ーえっ? 優一さんも?
ーうん。せっかくだから、真琴にも紹介してもらって一緒に食事できたらなって。実はね、兄さんの恋人も東京で弁護士してるんだ。
ーえっ――!! それはすごい偶然!
ーうん。だから多分話も合うと思うんだよね。
ーわかった。じゃあ、優一さんに聞いて連絡するね。
ーわかった。じゃあね。
そう言って電話は切れた。
兄さんの最後の声……すごく嬉しそうだったな。
それにしても、兄さんの恋人って……どんな人だろう?
本当に倉橋さんじゃないんだよね?
あ、そうか。
弁護士だって言ってたっけ。
「電話、終わった?」
「わっ!」
急に後ろからかけられた声に驚いて声をあげてしまった。
これ、なんか前にも同じようなことがあった気がする……。
「ごめん、驚かせるつもりはなかったんだが何か話が盛り上がっているようだったから、声かけにくかったんだ」
「あ、ごめんなさい。ちょっといろいろ話してたら長くなってしまって……」
「いや、それはいいんだけど、途中で私の名前も出てきたような気がしたから気になっていたんだ」
「聞こえてました? そうなんです、実は兄さんが上京してきた時に優一さんも一緒に食事がしたいって言ってて……」
「ああ、お兄さんとの食事ならもちろん喜んで参加するよ」
嬉しそうに笑ってそう言ってくれる優一さん。
本当に優しい。
「あの、実は今回の食事会なんですけど……兄さんに恋人ができて、その人を僕に紹介したいって……それで」
「お兄さんに恋人が? それはめでたいことだね」
「はい。それで、驚くかもしれないんですけど……兄さんの恋人も男性らしくて……」
「へぇ……」
「しかも、その人……東京に住んでて弁護士をされてるって……」
「それは……すごい偶然だな。その方の名前は聞いたのかな?」
「あ、そういえば聞くの忘れてました。驚きすぎてそこまで頭が回らなくて……」
「いや、気にしなくていいよ。どうせ当日会えるんだから……。出会った時の楽しみにするから、真琴はお兄さんに聞かなくていいよ」
「そうですか? じゃあ、そうしますね」
「じゃあ、お風呂に入ろうか」
そう言って、優一さんは僕をバスルームへと連れて行った。
なんだか当然のように一緒にお風呂に入ることになっているけど、恋人なら一緒に入るのが当然なんだって。
それに怪我していた時にずっとお世話されてたから、もう恥ずかしいという気持ちもなくて一緒に入るのが楽しくてたまらないんだよね。
456
あなたにおすすめの小説
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる