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彼の色気に戸惑う
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時計を見ると夜の10時少し前。
平松くんはどうしているだろう。
気になってスマホを手に取ると、安慶名さんからのメッセージが入っていた。
<今夜は悠真の家で平松くんと名嘉村くんと夕食を楽しんでいましたよ。私も給仕としてその場に居合わせましたので、動画を送りますね。平松くんは21時ごろにご自宅に無事に送り届けていますのでご安心ください>
送られてきた動画には平松くんが安慶名さんを見て驚く様子から美味しそうにローストビーフを頬張る姿までたっぷりと映っていた。
ふふっ。可愛い。
噂の『伊織さん』が男だったと知って驚いているけれど、やはり嫌悪感は全くないな。
あれだけ私を好きになってくれているのだからそれも当然か。
名嘉村くんと松川くんの仲睦まじい様子も見ているしな。
あのローストビーフが気に入ったなら帰ったらとびきりいい肉で作ってやろう。
ああ、さっきまで変なのを見ていただけに平松くんの可愛い姿を見ると心まで浄化される気がする。
動画の中で安慶名さんと砂川さんが明日から東京に来るという話が出ていた。
成瀬先生を紹介してもらった御礼もしたいし、都合をつけて貰えば東京で会えるかもしれないな。
動画を堪能するのは後回しにして安慶名さんにメッセージを送った。
<可愛い動画ありがとうございます。もしよければ、明日にでも東京でお会いしたいのですが。都合はいかがですか?>
するとすぐに既読がついたかと思ったら、スマホに着信が来た。
ーもしもし、安慶名さん。
ーすみません、突然お電話して……。つい先ごろ、成瀬から終わったと連絡が来たので気になって連絡してしまいました。今、大丈夫ですか?
ーええ。ご心配おかけしてすみません。成瀬先生と真壁警視正のおかげで無事に終わりました。
ー真壁まで? そうですか。よかったと言っていいんですよね?
ーええ。ホッとしました。これで何もかも決別できます。
ーそれならよかったです。私も親戚たちとは決別しましたから、八尋さんの気持ちはよくわかりますよ。
ー安慶名さん……ありがとうございます。あっ、それで明日から東京に来られるんですよね?
ーええ。そうなんです。倉橋さんの家のパーティーに招待されまして悠真と一緒に出かけることになったんです。
ーああ、もしかして藤乃くんのお披露目ですか?
ーまぁ、そのようなものです。
ーよかったら、明日銀座に出る予定があるので、そこで少しお茶でもいかがですか?
ーいいですね。午後2時には銀座あたりに着けると思います。
ーではその時間に。
ーそうそう、平松くんには今日自宅まで送る時に、朝も夜も危ないから絶対に一人では歩かないように釘を刺しておきましたよ。だから、八尋さんがいない間もご安心くださいね。
ーははっ。助かります。では、明日。
友人との電話に鬱々としていた気持ちも少し和らいできた。
これなら平松くんと電話をしても表情には出ないだろう。
電話に出てくれるだろうか。
少し緊張しながら電話をかけた。
かなり長めにコールしたけれど、電話を取る気配がない。
家には帰っているはずだから、寝ていなければ風呂にでも入っているか……。
もう少しからもう一度かけてみよう。
10分ほど待ってもう一度電話を鳴らすと今度はすぐに繋がった。
もちろんかけたのはビデオ通話。
変なのを見た後だ。
可愛い平松くんを見たいと思うのは当然だ。
ー平松くん、大丈夫?
顔が早く見たくて声をかけるとようやく画面に平松くんが映った。
ーすみません、お風呂に入ってて。電話は聞こえてたんですけど、着替えている間に切れちゃって……。
そうか、やっぱり風呂上がりか。
それにしても今日の平松くんはやけに色気が出ている。
頬もピンク色だし、何より目が私を誘っているように色っぽい。
これは湯上がりなだけじゃないような気がする。
そんなことを考えながら、急がせてごめんと謝ると、
ーあ、いえ。すごく助かりました。湯船の中で眠りかけてたら八尋さんの電話の音が聞こえたんで目を覚ましたんです。もし電話がなかったらあのまま寝ちゃってたかも。
と返ってきた。
湯船に浸かったまま眠るなんて危険極まりない。
やっぱり平松くんの家の風呂場にカメラをつけておけばよかった。
急な出立だったからそこまで時間がなかったんだよな。
ーこれからはお風呂に入る前に電話でもメッセージでもいいから入れておいて。ある程度の時間になったら連絡入れるから。ねっ。
必死に告げると、私の勢いに押されるように平松くんが頷いてくれてホッとした。
この帰省が終わったらもう平松くんのそばを離れて一人で出かけることはしないから危険は無くなるだろうが、とりあえず私が西表に帰るまでは気をつけておかないとな。
安慶名さんから連絡が来たことを伝えて、食事会のことを尋ねると平松くんは隠すことなく全てを教えてくれた。
噂の『伊織さん』についてどう思ったかと驚いたけれど、砂川さんとお似合いで特に何も感じなかったと話してくれた。
本当は安慶名さんを見てどう思ったのかというのは、安慶名さんが平松くんの好みのタイプだったのかを知りたかったのだが、平松くんには男同士のことかと違う意味で捉えられてしまった。
だが、それはある意味、平松くんが安慶名さんのことを何も思っていない証拠でもある。
ならば気にすることはないだろう。
だから私はあえて、平松くんにわからせるように
ー私は人を好きになるのに性別は関係ないと思っているから。
と告げた。
それを聞いて、平松くんの頬が緩むのを私は見逃さなかった。
ふふっ。可愛い。
ああ、何もかも終えて、西表に帰ったら私の気持ちを伝えよう。
早く会いたいな。
平松くんはどうしているだろう。
気になってスマホを手に取ると、安慶名さんからのメッセージが入っていた。
<今夜は悠真の家で平松くんと名嘉村くんと夕食を楽しんでいましたよ。私も給仕としてその場に居合わせましたので、動画を送りますね。平松くんは21時ごろにご自宅に無事に送り届けていますのでご安心ください>
送られてきた動画には平松くんが安慶名さんを見て驚く様子から美味しそうにローストビーフを頬張る姿までたっぷりと映っていた。
ふふっ。可愛い。
噂の『伊織さん』が男だったと知って驚いているけれど、やはり嫌悪感は全くないな。
あれだけ私を好きになってくれているのだからそれも当然か。
名嘉村くんと松川くんの仲睦まじい様子も見ているしな。
あのローストビーフが気に入ったなら帰ったらとびきりいい肉で作ってやろう。
ああ、さっきまで変なのを見ていただけに平松くんの可愛い姿を見ると心まで浄化される気がする。
動画の中で安慶名さんと砂川さんが明日から東京に来るという話が出ていた。
成瀬先生を紹介してもらった御礼もしたいし、都合をつけて貰えば東京で会えるかもしれないな。
動画を堪能するのは後回しにして安慶名さんにメッセージを送った。
<可愛い動画ありがとうございます。もしよければ、明日にでも東京でお会いしたいのですが。都合はいかがですか?>
するとすぐに既読がついたかと思ったら、スマホに着信が来た。
ーもしもし、安慶名さん。
ーすみません、突然お電話して……。つい先ごろ、成瀬から終わったと連絡が来たので気になって連絡してしまいました。今、大丈夫ですか?
ーええ。ご心配おかけしてすみません。成瀬先生と真壁警視正のおかげで無事に終わりました。
ー真壁まで? そうですか。よかったと言っていいんですよね?
ーええ。ホッとしました。これで何もかも決別できます。
ーそれならよかったです。私も親戚たちとは決別しましたから、八尋さんの気持ちはよくわかりますよ。
ー安慶名さん……ありがとうございます。あっ、それで明日から東京に来られるんですよね?
ーええ。そうなんです。倉橋さんの家のパーティーに招待されまして悠真と一緒に出かけることになったんです。
ーああ、もしかして藤乃くんのお披露目ですか?
ーまぁ、そのようなものです。
ーよかったら、明日銀座に出る予定があるので、そこで少しお茶でもいかがですか?
ーいいですね。午後2時には銀座あたりに着けると思います。
ーではその時間に。
ーそうそう、平松くんには今日自宅まで送る時に、朝も夜も危ないから絶対に一人では歩かないように釘を刺しておきましたよ。だから、八尋さんがいない間もご安心くださいね。
ーははっ。助かります。では、明日。
友人との電話に鬱々としていた気持ちも少し和らいできた。
これなら平松くんと電話をしても表情には出ないだろう。
電話に出てくれるだろうか。
少し緊張しながら電話をかけた。
かなり長めにコールしたけれど、電話を取る気配がない。
家には帰っているはずだから、寝ていなければ風呂にでも入っているか……。
もう少しからもう一度かけてみよう。
10分ほど待ってもう一度電話を鳴らすと今度はすぐに繋がった。
もちろんかけたのはビデオ通話。
変なのを見た後だ。
可愛い平松くんを見たいと思うのは当然だ。
ー平松くん、大丈夫?
顔が早く見たくて声をかけるとようやく画面に平松くんが映った。
ーすみません、お風呂に入ってて。電話は聞こえてたんですけど、着替えている間に切れちゃって……。
そうか、やっぱり風呂上がりか。
それにしても今日の平松くんはやけに色気が出ている。
頬もピンク色だし、何より目が私を誘っているように色っぽい。
これは湯上がりなだけじゃないような気がする。
そんなことを考えながら、急がせてごめんと謝ると、
ーあ、いえ。すごく助かりました。湯船の中で眠りかけてたら八尋さんの電話の音が聞こえたんで目を覚ましたんです。もし電話がなかったらあのまま寝ちゃってたかも。
と返ってきた。
湯船に浸かったまま眠るなんて危険極まりない。
やっぱり平松くんの家の風呂場にカメラをつけておけばよかった。
急な出立だったからそこまで時間がなかったんだよな。
ーこれからはお風呂に入る前に電話でもメッセージでもいいから入れておいて。ある程度の時間になったら連絡入れるから。ねっ。
必死に告げると、私の勢いに押されるように平松くんが頷いてくれてホッとした。
この帰省が終わったらもう平松くんのそばを離れて一人で出かけることはしないから危険は無くなるだろうが、とりあえず私が西表に帰るまでは気をつけておかないとな。
安慶名さんから連絡が来たことを伝えて、食事会のことを尋ねると平松くんは隠すことなく全てを教えてくれた。
噂の『伊織さん』についてどう思ったかと驚いたけれど、砂川さんとお似合いで特に何も感じなかったと話してくれた。
本当は安慶名さんを見てどう思ったのかというのは、安慶名さんが平松くんの好みのタイプだったのかを知りたかったのだが、平松くんには男同士のことかと違う意味で捉えられてしまった。
だが、それはある意味、平松くんが安慶名さんのことを何も思っていない証拠でもある。
ならば気にすることはないだろう。
だから私はあえて、平松くんにわからせるように
ー私は人を好きになるのに性別は関係ないと思っているから。
と告げた。
それを聞いて、平松くんの頬が緩むのを私は見逃さなかった。
ふふっ。可愛い。
ああ、何もかも終えて、西表に帰ったら私の気持ちを伝えよう。
早く会いたいな。
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