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第三章

飢えた狼と甘いウサギ※

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<sideルーディー>

今までに感じたことのないほどのアズールの甘い香りに獣としての本性が出そうになる。

まだだ、まだだめだ!
まずはアズールを見つけなくては。

手で鼻を抑え、浅く呼吸しながら耳をすませば、

「はぁっ、はぁっ」

自分の呼吸と違う、苦しげで小さな声が離れた場所で聞こえる。
内側に開く扉の前にいて、怪我をさせてはいけないと思い、扉から離れるように伝えたがどこまで逃げてしまったのか。
きっと今頃あの小さな身体を丸めて、初めての発情に苦しんでいるのだろう。

「アズールっ! どこだっ! 返事をしてくれ!」

「るー……っ、はぁっ……はぁっ……」

消えてしまいそうなほどか細い声と吐息のありかを見つければ、月夜の光だけが差し込む薄暗いソファーの影にアズールがいた。

「アズ――っ!!」

火照った身体を自分で鎮めようとしたのか、半分脱ぎかけた夜着から可愛らしい赤い実が仄かに見え隠れしているのが目に入った瞬間、尻尾が激しく振り乱れた。

もう自分では尻尾を制御できないほど興奮しているのだ。
すぐにでも飛び掛かりたい。
狼としての本能がそう叫んでいる。

けれど、怖がらせてはいけない。
そんな相反する気持ちの中で、ブルブルと震えるアズールを見て頭に浮かんだのは、美味しそう……ただその一言だった。

「アズール。怖がらなくていい。私が来たからもう大丈夫だ」

そんな優しい言葉をかけながらも、頭の中ではアズールの全てを食べ尽くすことしか考えていないただの獣だ。
なんせ、もうアズールの放つ甘い香りでおかしくなってしまっているのだから。

「アズール、おいで」

フー、フーと呼吸が荒くなりながらも、ほんの少し残った理性でアズールに手を伸ばす。
ギラギラとした獰猛なただの狼に成り下がった私にアズールが来てくれるか心配だったが、

「るー、たちゅ、けてぇ……っ」

涙を流しながら、私に手を伸ばす。

ああ、アズールはこんな状態になってもまだ私を信用してくれるのだ。

「アズールっ!!」

「ひゃあっんっ!!!」

腕に抱いただけでアズールの全身が痙攣するほどに震えて、甘い蜜を漏らす。
まるで私の触れられるのを待ち望んでいたようだ。

「ああ、なんて甘い匂いだ」

その匂いに誘われるように、腕に抱いたアズールの夜着を完全に脱がせれば、小さな果実のようなモノがプルプルと震えながら蜜をとろりと垂らしているのが見えた。

その瞬間、ブチっと理性が飛んでいった。

「あーっ、やぁ――っ、んっ、あっ……っあ、あっ――っ!!」

ぢゅっ、ぢゅるっ、ぢゅるっ。

小さな果実を長い舌で包み込み、思いっきり吸い上げると、中から蜜が溢れ出てくる。
吸い上げるたびにアズールの可愛い声と共に口内に蜜が飛び込んできて、たまらなく美味しくて、まるで中毒のように離すことができない。

「ああーっ、やぁっ、だめぇ……っ、おかしく、なるぅ……っ!!」

先端をぐりぐりと舌先でこじ開けて、ぢゅるぢゅると吸い尽くしてやると可愛らしく身悶えする。
その姿に、私こそおかしくなりそうになる。
いや、もうおかしくなっているか。
なんせこんな至近距離でアズールの甘い香りにずっと当てられているのだから。

最後の一滴まで吸い尽くして果実から舌を外してみれば、私の腕の中でピクピクと身体を震わせながら、ぐったりとしているのが見えた。

いつもならピンとはった耳が垂れてきているのに気づき、そっと耳に触れると、

「――っ、あっ、やぁんっ!!」

耳を抑えながら、ビクッビクッと激しく身体を震わせる。

「み、みは……だめぇ……っ」

「どうしてだめなんだ?」

「だっ、てぇ……おなか、が、うずうず、するぅ……っ」

「それでいいんだ」

「どう、して……?」

「アズールが大人になっているんだよ。私を欲しいと思っている証拠だ」

「るー、が、ほしぃ……?」

「ああ。欲しいだろう?」

「ひゃぁぁっん!!」

長い舌でアズールの耳を下から舐め上げると、ピュルピュルと蜜を漏らしながら可愛い声をあげる。

「ああっ、もったいない!」

アズールの腹に散らばった蜜を舌で綺麗に舐めとれば、

「ん゛ぁ―っん、んっ……っ、はぁっ……やぁんっ」

と潤んだ瞳で腰を逸らしながら身悶える。

まるで私に舐めて欲しいと言わんばかりのその体勢にほくそ笑みながら、胸の赤い実を舌先でコロコロと転がしてやると、

「ひゃぁっん、っ……ふぁ……っん、あっ……っ」

甘い声をあげながら、さらに濃い匂いを溢れさせる。

くそっ、もっと味わいたいのにこんな強い匂いに触れていたら私の方が限界だ。

私は腕の中のアズールの身体を舐め尽くしながら、寝室に急いだ。
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