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番外編
周平さんからの電話
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『ラブホテルに行こう! 周平&敬介Ver.』の裏側のお話を書いたので出してみました。
誰かの特別出演(名前だけ)もあります。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
平松くんの提案で、八尋さんの店で西表島特産の果物を使ったスイーツを出すことにしたから、試作品を食べて感想を聞かせて欲しいという相談があり、砂川と名嘉村くん、そして航の3人で昼から八尋さんの店に出かけて行った。
あの店なら航を行かせてもなんの心配はいらない。
その間に俺は、大学の後輩から紹介されたフランスの実業家からの依頼に目を通していた。
どれだけ費用がかかってもいい。
精巧なGPSか……。
彼には以前にも違うGPSを紹介したが、今回はそれよりもさらに精巧なものを求めているという。
以前のものが気に入らないのではなく、以前のものが気に入ったからこそ更なる上を求めているらしい。
金に糸目はつけないというあたり、さすがロレーヌ家総帥なだけある。
まぁ、それほどまでに守りたい人物がいるということだな、俺と同じように。
そもそも俺がそういった開発に率先して携わり協力をするのは昔からやっていたが、最近の開発の主な目的は全て航のためだ。
航を一生守続けられるようありとあらゆる業種に手を伸ばし、航のために必要なものを日々開発させている。
その結果、素晴らしいものができ資産が増えているという事だ。
ある意味、航のおかげで俺たちの資産が増えていると言っても過言ではない。
航と出会ってから本当に私の人生は素晴らしいものに変わったんだ。
ロレーヌ総帥には、先日完成したばかりで今までのものよりもさらにピンポイントに場所を特定できるものを手配しよう。
航にもつけているが、かなり状態はいい。
きっとこれならロレーヌ総帥も気にいるはずだ。
ふぅと一息ついたところで、プライベート用のスマホが鳴り響いた。
もしかして航だろうかと慌てて開けば、画面には周平さんの名前があった。
以前なら周平さんからの電話の理由など仕事以外想像もつかなかったが、今ならすぐにわかる。
しかもプライベート用にかけてくるならもうそれしかない。
また何事かあったのかと少し心配になりながら電話をとった。
ーもしもし。何かありましたか?
ーああ、倉橋くん。突然、悪いな。今、大丈夫か?
ーはい。ちょうど一息ついたところで問題ありません。
ーそうか、ならよかった。早速だが、君に少し相談したいことがあって電話したんだ。
ー浅香がらみですか?
ーははっ。よくわかったな。
ーもちろん。今の周平さんが私に電話をしてくるなんて、ほぼ浅香がらみしかないでしょう?
ーいや、まいったな。まぁ、でもたしかにそうだな。理解してくれていると話は早い。実は、君にラブホテルを紹介して欲しくて連絡したんだ。
ーラブホテル、ですか? もしかして、それは浅香と?
ーもちろんだ。敬介以外に行くわけないだろう?
ーいや、浅香となら、イリゼを使うと思っていたので。
ー実は、敬介のホテルでカップルルームを作ったらどうかという話が持ち上がったらしくてな。
ー想像しているカップルルームとはイリゼの雰囲気にも合うようなラグジュアリーなラブホということですか?
ーそうなんだ。だが、敬介は今まで一度もそういった類のホテルには行ったことがなくて、参考までに行ってみたいと言い出したんだが、さすがにその辺のラブホに連れて行っても参考にすらならないし、敬介にそんな場所を見せたくないんだ。
ーなるほど。それで私にどこかいいところを知らないかということですね?
ーああ。倉橋くんなら、出資しているラブホがあっただろう? あそこ以外にもどこか心当たりがあるんじゃないかと思ったんだよ。
ーその節はお世話になりました。あそこは知人から頼まれて出資してあげただけなので、私もお仕置き以外で使うことはないんですよ。
バカな奴らを誘い込むにはもってこいの場所だからな。
ー周平さんにおすすめなホテルがありますから、そこを紹介しますよ。
ーそこはラブホテルなのか?
ーええ。隣県との県境にあるホテルなんですけど、そこのオーナーは私なんです。
ーやっぱり。倉橋くんなら、そういうホテルの1軒や2軒持っているだろうと思ったよ。なんせ、あのすごいローションを開発しているくらいだからな。そういうのを使う場所がないといけないだろう?
ーふふっ。さすがですね。あそこは私の遊び心満載で作ったホテルなんで、信頼のおけるものしか予約は受け付けないことにしているんです。周平さんなら、喜んでお受けしますよ。
ー遊び心満載ってことは何か仕掛けでも?
ーええ。あの部屋にはマルチアングルのカメラを取り付けています。その撮影方法も動画の受け取り方も全てあとで詳しい内容をメールでお送りします。きっと周平さんにとって最高の宝物になると思いますよ。
ーもしかして、君もその部屋で藤乃くんと?
ーふふっ。愚問ですよ。しっかり楽しんできてください。今回の宿泊料はサービスしておきますから、気に入ったら周平さんの信頼のおける人に紹介してください。
ーわかった。その通りにしよう。倉橋くん、助かったよ。
周平さんが嬉しそうに電話を切ったのを微笑ましく思いながら、俺は急いで予約と、全ての仕掛けを記した内容を添付して周平さんのメールに送った。
今でも浅香が周平さんの恋人になったことを信じられない時もあるが、十分愛されているようだからここは見守っておくか。
周平さんならきっとうまくあの仕掛けを使えるだろう。
さて、そろそろ航を迎えに行くとするか。
次回、東京に行ったときには久々にあのホテルに泊まりに行くのも良さそうだ。
その時は八尋さんと平松くんも誘ってやるか。
ふふっ。それも楽しそうだ。
誰かの特別出演(名前だけ)もあります。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
平松くんの提案で、八尋さんの店で西表島特産の果物を使ったスイーツを出すことにしたから、試作品を食べて感想を聞かせて欲しいという相談があり、砂川と名嘉村くん、そして航の3人で昼から八尋さんの店に出かけて行った。
あの店なら航を行かせてもなんの心配はいらない。
その間に俺は、大学の後輩から紹介されたフランスの実業家からの依頼に目を通していた。
どれだけ費用がかかってもいい。
精巧なGPSか……。
彼には以前にも違うGPSを紹介したが、今回はそれよりもさらに精巧なものを求めているという。
以前のものが気に入らないのではなく、以前のものが気に入ったからこそ更なる上を求めているらしい。
金に糸目はつけないというあたり、さすがロレーヌ家総帥なだけある。
まぁ、それほどまでに守りたい人物がいるということだな、俺と同じように。
そもそも俺がそういった開発に率先して携わり協力をするのは昔からやっていたが、最近の開発の主な目的は全て航のためだ。
航を一生守続けられるようありとあらゆる業種に手を伸ばし、航のために必要なものを日々開発させている。
その結果、素晴らしいものができ資産が増えているという事だ。
ある意味、航のおかげで俺たちの資産が増えていると言っても過言ではない。
航と出会ってから本当に私の人生は素晴らしいものに変わったんだ。
ロレーヌ総帥には、先日完成したばかりで今までのものよりもさらにピンポイントに場所を特定できるものを手配しよう。
航にもつけているが、かなり状態はいい。
きっとこれならロレーヌ総帥も気にいるはずだ。
ふぅと一息ついたところで、プライベート用のスマホが鳴り響いた。
もしかして航だろうかと慌てて開けば、画面には周平さんの名前があった。
以前なら周平さんからの電話の理由など仕事以外想像もつかなかったが、今ならすぐにわかる。
しかもプライベート用にかけてくるならもうそれしかない。
また何事かあったのかと少し心配になりながら電話をとった。
ーもしもし。何かありましたか?
ーああ、倉橋くん。突然、悪いな。今、大丈夫か?
ーはい。ちょうど一息ついたところで問題ありません。
ーそうか、ならよかった。早速だが、君に少し相談したいことがあって電話したんだ。
ー浅香がらみですか?
ーははっ。よくわかったな。
ーもちろん。今の周平さんが私に電話をしてくるなんて、ほぼ浅香がらみしかないでしょう?
ーいや、まいったな。まぁ、でもたしかにそうだな。理解してくれていると話は早い。実は、君にラブホテルを紹介して欲しくて連絡したんだ。
ーラブホテル、ですか? もしかして、それは浅香と?
ーもちろんだ。敬介以外に行くわけないだろう?
ーいや、浅香となら、イリゼを使うと思っていたので。
ー実は、敬介のホテルでカップルルームを作ったらどうかという話が持ち上がったらしくてな。
ー想像しているカップルルームとはイリゼの雰囲気にも合うようなラグジュアリーなラブホということですか?
ーそうなんだ。だが、敬介は今まで一度もそういった類のホテルには行ったことがなくて、参考までに行ってみたいと言い出したんだが、さすがにその辺のラブホに連れて行っても参考にすらならないし、敬介にそんな場所を見せたくないんだ。
ーなるほど。それで私にどこかいいところを知らないかということですね?
ーああ。倉橋くんなら、出資しているラブホがあっただろう? あそこ以外にもどこか心当たりがあるんじゃないかと思ったんだよ。
ーその節はお世話になりました。あそこは知人から頼まれて出資してあげただけなので、私もお仕置き以外で使うことはないんですよ。
バカな奴らを誘い込むにはもってこいの場所だからな。
ー周平さんにおすすめなホテルがありますから、そこを紹介しますよ。
ーそこはラブホテルなのか?
ーええ。隣県との県境にあるホテルなんですけど、そこのオーナーは私なんです。
ーやっぱり。倉橋くんなら、そういうホテルの1軒や2軒持っているだろうと思ったよ。なんせ、あのすごいローションを開発しているくらいだからな。そういうのを使う場所がないといけないだろう?
ーふふっ。さすがですね。あそこは私の遊び心満載で作ったホテルなんで、信頼のおけるものしか予約は受け付けないことにしているんです。周平さんなら、喜んでお受けしますよ。
ー遊び心満載ってことは何か仕掛けでも?
ーええ。あの部屋にはマルチアングルのカメラを取り付けています。その撮影方法も動画の受け取り方も全てあとで詳しい内容をメールでお送りします。きっと周平さんにとって最高の宝物になると思いますよ。
ーもしかして、君もその部屋で藤乃くんと?
ーふふっ。愚問ですよ。しっかり楽しんできてください。今回の宿泊料はサービスしておきますから、気に入ったら周平さんの信頼のおける人に紹介してください。
ーわかった。その通りにしよう。倉橋くん、助かったよ。
周平さんが嬉しそうに電話を切ったのを微笑ましく思いながら、俺は急いで予約と、全ての仕掛けを記した内容を添付して周平さんのメールに送った。
今でも浅香が周平さんの恋人になったことを信じられない時もあるが、十分愛されているようだからここは見守っておくか。
周平さんならきっとうまくあの仕掛けを使えるだろう。
さて、そろそろ航を迎えに行くとするか。
次回、東京に行ったときには久々にあのホテルに泊まりに行くのも良さそうだ。
その時は八尋さんと平松くんも誘ってやるか。
ふふっ。それも楽しそうだ。
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