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俺と一緒に過ごしてくれないか?
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藤乃くんを傷つけるつもりなんかなかったのに……。
馬鹿だな、俺は何やってるんだ……本当に呆れる。
空港で出会った時から一目惚れだった彼。
藤乃くんに好きになってもらえるとは思わなかったからこの旅行中だけでも傍にいられたらと思っていた。
まさか藤乃くんが俺のことをそんなにも思ってくれているとは思いもしなかった。
彼にそう告げると、藤乃くんは信じられない様子だったけれど、普通に考えればわかるだろう?
初対面の男の服を汚したからと言って、ここまで世話することなんてあるはずない。
クリーニング代渡して終わりだよ。
面接の心配までしてやるはずがない。
そこまでしてやるなんて下心があるに決まってる。
藤乃くんはその下心には全然気がつかなかったみたいだけど。
もう藤乃くんを手放したくないんだ。
彼のいない人生なんてもう考えられないのに。
「君のこれからの新しい人生を私と一緒に過ごしてくれないか?」
こんな言葉、今まで一度も言ったことも無いし、一生言うことないと思っていた。
こんな年下の若い子に『お願いだ、頼む』と縋り付くなんて女々しいよな……それでもそうせずにはいられない。
本当に彼を手放したくないんだ。
「あの、俺……俺も倉田さんと一緒に過ごしたい――」
涙で潤んだ瞳で顔を真っ赤にしながらそんなことを言われて、嬉しさのあまり思いっきり彼を抱きしめた。
もうこれ以上ない幸せに包まれながら、俺はひたすらに藤乃くん……いや、航を抱きしめ続けた。
思いを伝え合って俺たちはもう恋人同士になったんだから呼び捨てでもいいだろう?
恋人同士になったならキスくらいしたって問題はない。
ああ、ようやく彼の柔らかい唇を堪能できる。
俺はいつになく緊張しながらキスのタイミングを伺っていると、俺たちの邪魔をするかのように航のスマホが鳴り出した。
チッ、砂川か……くそっ、タイミング悪すぎだろっ。
しかし、航にとっては面接相手だ。
邪険にするわけにもいかないだろう。
俺が電話を取るように言うと、彼は緊張した様子で電話を取った。
11時発の船に乗るようにとの連絡だったが、この時間ならここから余裕で間に合う。
そう考えて思い出した。
そういえば、俺は彼に嘘をついたままだ。
あの時は咄嗟に航の面接予定の会社の社長だと言うことを誤魔化したのだが、西表に到着したら否が応でもバレてしまう。
その時にバレるよりは今、正直に打ち明けておいた方がまだマシなのでは……。
航に話があると言いかけたはいいが、なんと言って切り出そうかと考えあぐねていると今度は俺のスマホに着信があった。
画面を見ると『砂川』の文字が。
俺は心の中で舌打ちしながら、彼のそばから離れ自室へと入った。
ーもしもし、なんだ?
ー社長。なんだじゃないですよ。私、昨日の事故の話の報告を受けてませんよ。
ーああ、そういえば忘れていたな。
ー社長! 伊織さんからその連絡を受け取って私がどれほど驚いたかわかりますか?
ーお前、その話いつ聞いた?
ー昨日イリゼリゾートに社長が事故に合ったと連絡されてすぐです。伊織さんから私に連絡がありました。
社長本人が連絡してきて怪我もなく心配はいらないから様子を見るようにと伊織さんから言いつかっていましたので、こちらから連絡は控えておりましたが、犯人が捕まったと警察から伊織さんに連絡が来たので、てっきり社長から私にも連絡があると思ってお待ちしていたのですが、一向に来る気配がなく痺れを切らしてこちらから連絡したのです。
ーそれは悪かった。だが、砂川……お前その話を藤乃くんにはしてないだろうな?
ーそれはもちろん。社長が藤乃くんに正体を偽っていると仰っていたのに、ここで私が彼に事故の話をしたらおかしなことになるのは目に見えてますから何も口にはしていませんが、藤乃くんが怪我をされたと言うのは本当なのですか?
ーああ、足を捻挫してるそうだ。
ー捻挫? 大丈夫なのですか?
ーああ、私が昨日からずっと世話をしているから問題ない。
ー世話って……まさかセクハラまがいのことはなさっていないでしょうね?
ーな――っ!
砂川の言葉に昨夜のあの出来事を思い出し一瞬言葉に詰まると感のいい砂川は何かあったと気付いたようだ。
ー社長っ!! どうなさったんですか?
伊織さんからも先ほど意味深な電話をいただきましたし、社長……何か悪いものでも召し上がったとか?
ーお前、失礼だな。とにかくお前は彼に余計なことは話すな! いいな!
俺が自分で打ち明けるまで社長であることは彼には内緒だっ! わかったな!
ーですが、早く打ち明けられた方が……
ーわかってる、お前が邪魔したんだろう。
ーえっ? 私――
ーもういい、彼が待っているから電話切るぞ。
ーちょ――っ、社長――
砂川の言葉を無視して俺は電話を切った。
もう本当にうるさいやつだ。
安慶名シェフ……本当にあいつが可愛いと思えるなんて……信じられないな。
せっかく航に打ち明けようと思っていたのに、話の腰を折られてタイミングを失った。
なんとか西表に着くまでに話す機会を窺うしかない。
航に何かあったのかと聞かれて咄嗟に大丈夫だと答え、話題を変えた。
『君を怪我させた犯人が捕まった』
しかも、ひき逃げの罪ではなくて窃盗の罪で。
奴らが捕まった経緯も一緒に話して聞かせると、航は自分が怖い目にあったのも忘れたのか、
『今回捕まったことで彼女たちも反省して更生してくれたらいいですね』などと優しい言葉をかけていたが、奴らが更正するなんてことは有り得ないだろう。
もう奴らのことなど航の頭の片隅にでも置いておきたくない。
俺は話題を変えるように『そろそろ出ようか』と促した。
部屋にスタッフを呼び、我々の荷物を運んでもらう。
俺は航を抱き上げるという使命があるからな。
昨夜のロビーでの出来事があるから今度はひとりにしないでおこうと抱き抱えたままフロントへ向かうと、フロントスタッフが彼に足の怪我の具合を尋ねた。
彼は『大丈夫です』と答えたものの、俺の腕の中にいる。
その矛盾に気付いたのか、『痛みはだいぶ引いてるので……』と真っ赤な顔で慌てて付け足したがもう遅い。
それでも下りたいと言おうとしない彼が可愛くて思わず笑みが溢れた。
俺たち、もう恋人になったんだもんな。
ずっと抱き抱えていたって気にするような関係じゃないんだ。
そう思うだけでついつい笑顔になってしまう。
フロントスタッフからは昨日の件を再度詫びられ、オーナーには自分達から報告するといっていたが、今朝のレストランスタッフの件も報告しないといけない。
アレはたぶんクビになるだろうが、どうしようもない。
良くて別部署に配置換えか。
客と一切関わらない部署にな。
フロントの女性に今朝の件もあるから俺の方から報告しておくといって宿を出ようとすると、突然航が声を上げた。
「あの、今朝の件ってチーズケーキのことですか?」
そうだ、安慶名シェフからのお祝いのチーズケーキの存在をすっかり忘れていた。
申し訳ない、安慶名シェフ!
航からの告白が嬉しくてそれどころじゃなかったんだと言い訳させてくれ。
俺は急いで包んでもらっていたチーズケーキを持ってきてもらうよう頼んだ。
綺麗に箱詰めされたケーキを上から覗き込み、『美味しそう』と嬉しそうな表情をする彼が子どものように無邪気で可愛らしくて、
「ケーキより航が美味しそうだけど」
と彼の耳元で優しく囁くと、航は身体をフルッと震わせていた。
『く――っ!』
初心な反応が腰にくるな。
ああ、こんな可愛い子が俺の恋人になってくれたのかと思うと嬉しすぎておかしくなりそうだ。
馬鹿だな、俺は何やってるんだ……本当に呆れる。
空港で出会った時から一目惚れだった彼。
藤乃くんに好きになってもらえるとは思わなかったからこの旅行中だけでも傍にいられたらと思っていた。
まさか藤乃くんが俺のことをそんなにも思ってくれているとは思いもしなかった。
彼にそう告げると、藤乃くんは信じられない様子だったけれど、普通に考えればわかるだろう?
初対面の男の服を汚したからと言って、ここまで世話することなんてあるはずない。
クリーニング代渡して終わりだよ。
面接の心配までしてやるはずがない。
そこまでしてやるなんて下心があるに決まってる。
藤乃くんはその下心には全然気がつかなかったみたいだけど。
もう藤乃くんを手放したくないんだ。
彼のいない人生なんてもう考えられないのに。
「君のこれからの新しい人生を私と一緒に過ごしてくれないか?」
こんな言葉、今まで一度も言ったことも無いし、一生言うことないと思っていた。
こんな年下の若い子に『お願いだ、頼む』と縋り付くなんて女々しいよな……それでもそうせずにはいられない。
本当に彼を手放したくないんだ。
「あの、俺……俺も倉田さんと一緒に過ごしたい――」
涙で潤んだ瞳で顔を真っ赤にしながらそんなことを言われて、嬉しさのあまり思いっきり彼を抱きしめた。
もうこれ以上ない幸せに包まれながら、俺はひたすらに藤乃くん……いや、航を抱きしめ続けた。
思いを伝え合って俺たちはもう恋人同士になったんだから呼び捨てでもいいだろう?
恋人同士になったならキスくらいしたって問題はない。
ああ、ようやく彼の柔らかい唇を堪能できる。
俺はいつになく緊張しながらキスのタイミングを伺っていると、俺たちの邪魔をするかのように航のスマホが鳴り出した。
チッ、砂川か……くそっ、タイミング悪すぎだろっ。
しかし、航にとっては面接相手だ。
邪険にするわけにもいかないだろう。
俺が電話を取るように言うと、彼は緊張した様子で電話を取った。
11時発の船に乗るようにとの連絡だったが、この時間ならここから余裕で間に合う。
そう考えて思い出した。
そういえば、俺は彼に嘘をついたままだ。
あの時は咄嗟に航の面接予定の会社の社長だと言うことを誤魔化したのだが、西表に到着したら否が応でもバレてしまう。
その時にバレるよりは今、正直に打ち明けておいた方がまだマシなのでは……。
航に話があると言いかけたはいいが、なんと言って切り出そうかと考えあぐねていると今度は俺のスマホに着信があった。
画面を見ると『砂川』の文字が。
俺は心の中で舌打ちしながら、彼のそばから離れ自室へと入った。
ーもしもし、なんだ?
ー社長。なんだじゃないですよ。私、昨日の事故の話の報告を受けてませんよ。
ーああ、そういえば忘れていたな。
ー社長! 伊織さんからその連絡を受け取って私がどれほど驚いたかわかりますか?
ーお前、その話いつ聞いた?
ー昨日イリゼリゾートに社長が事故に合ったと連絡されてすぐです。伊織さんから私に連絡がありました。
社長本人が連絡してきて怪我もなく心配はいらないから様子を見るようにと伊織さんから言いつかっていましたので、こちらから連絡は控えておりましたが、犯人が捕まったと警察から伊織さんに連絡が来たので、てっきり社長から私にも連絡があると思ってお待ちしていたのですが、一向に来る気配がなく痺れを切らしてこちらから連絡したのです。
ーそれは悪かった。だが、砂川……お前その話を藤乃くんにはしてないだろうな?
ーそれはもちろん。社長が藤乃くんに正体を偽っていると仰っていたのに、ここで私が彼に事故の話をしたらおかしなことになるのは目に見えてますから何も口にはしていませんが、藤乃くんが怪我をされたと言うのは本当なのですか?
ーああ、足を捻挫してるそうだ。
ー捻挫? 大丈夫なのですか?
ーああ、私が昨日からずっと世話をしているから問題ない。
ー世話って……まさかセクハラまがいのことはなさっていないでしょうね?
ーな――っ!
砂川の言葉に昨夜のあの出来事を思い出し一瞬言葉に詰まると感のいい砂川は何かあったと気付いたようだ。
ー社長っ!! どうなさったんですか?
伊織さんからも先ほど意味深な電話をいただきましたし、社長……何か悪いものでも召し上がったとか?
ーお前、失礼だな。とにかくお前は彼に余計なことは話すな! いいな!
俺が自分で打ち明けるまで社長であることは彼には内緒だっ! わかったな!
ーですが、早く打ち明けられた方が……
ーわかってる、お前が邪魔したんだろう。
ーえっ? 私――
ーもういい、彼が待っているから電話切るぞ。
ーちょ――っ、社長――
砂川の言葉を無視して俺は電話を切った。
もう本当にうるさいやつだ。
安慶名シェフ……本当にあいつが可愛いと思えるなんて……信じられないな。
せっかく航に打ち明けようと思っていたのに、話の腰を折られてタイミングを失った。
なんとか西表に着くまでに話す機会を窺うしかない。
航に何かあったのかと聞かれて咄嗟に大丈夫だと答え、話題を変えた。
『君を怪我させた犯人が捕まった』
しかも、ひき逃げの罪ではなくて窃盗の罪で。
奴らが捕まった経緯も一緒に話して聞かせると、航は自分が怖い目にあったのも忘れたのか、
『今回捕まったことで彼女たちも反省して更生してくれたらいいですね』などと優しい言葉をかけていたが、奴らが更正するなんてことは有り得ないだろう。
もう奴らのことなど航の頭の片隅にでも置いておきたくない。
俺は話題を変えるように『そろそろ出ようか』と促した。
部屋にスタッフを呼び、我々の荷物を運んでもらう。
俺は航を抱き上げるという使命があるからな。
昨夜のロビーでの出来事があるから今度はひとりにしないでおこうと抱き抱えたままフロントへ向かうと、フロントスタッフが彼に足の怪我の具合を尋ねた。
彼は『大丈夫です』と答えたものの、俺の腕の中にいる。
その矛盾に気付いたのか、『痛みはだいぶ引いてるので……』と真っ赤な顔で慌てて付け足したがもう遅い。
それでも下りたいと言おうとしない彼が可愛くて思わず笑みが溢れた。
俺たち、もう恋人になったんだもんな。
ずっと抱き抱えていたって気にするような関係じゃないんだ。
そう思うだけでついつい笑顔になってしまう。
フロントスタッフからは昨日の件を再度詫びられ、オーナーには自分達から報告するといっていたが、今朝のレストランスタッフの件も報告しないといけない。
アレはたぶんクビになるだろうが、どうしようもない。
良くて別部署に配置換えか。
客と一切関わらない部署にな。
フロントの女性に今朝の件もあるから俺の方から報告しておくといって宿を出ようとすると、突然航が声を上げた。
「あの、今朝の件ってチーズケーキのことですか?」
そうだ、安慶名シェフからのお祝いのチーズケーキの存在をすっかり忘れていた。
申し訳ない、安慶名シェフ!
航からの告白が嬉しくてそれどころじゃなかったんだと言い訳させてくれ。
俺は急いで包んでもらっていたチーズケーキを持ってきてもらうよう頼んだ。
綺麗に箱詰めされたケーキを上から覗き込み、『美味しそう』と嬉しそうな表情をする彼が子どものように無邪気で可愛らしくて、
「ケーキより航が美味しそうだけど」
と彼の耳元で優しく囁くと、航は身体をフルッと震わせていた。
『く――っ!』
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