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イチャイチャしたい!
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その声に反応するように振り向くとパシャっと音が聞こえる。
慎一さんの手にスマホがあるのが見えて、今の音が写真だったと気づいた。
突然だったから絶対に間抜けな顔をしているはず。そんなの慎一さんに見られたくないっ。
慎一さんが画面を見て笑っているように見えて、急いで恥ずかしいと言ったけれど、
「いいんだよ、伊月が可愛いから。ほら、見て」
差し出された画面に恐る恐る目をやると、おっきなワンちゃんとちっちゃなワンちゃんを腕に抱いてとても嬉しそうな笑顔の僕がいた。
わっ、僕……こんな顔してるんだ……。
自分の素の表情を初めて客観的に見た気がしてやっぱり少し照れる。
でも慎一さんは嬉しそうに画面を見続けて
「これ、待ち受けにしよう。そうしたらいつでも見られる」
と言ってくれた。
僕の写真を待ち受けにしてくれるんだ。それはすごく嬉しい。でも……今までの待ち受けってどんな写真にしていたんだろう?
そんなこと聞いちゃいけない。プライベートなことだもん。
でも一度浮かんだ疑問はなかなか頭から離れてくれない。
「今までは待ち受け……どんな写真だったんですか?」
「見たい?」
こんなこと質問して嫌われるかもと思いながらも尋ねると、慎一さんは笑顔で問い返した。
ドキドキしながら頷くと慎一さんは隠し事はしないって決めてるからと言いながら画面を見せてくれた。
映っていたのは……えっ? 僕? しかも、寝てる……。ここって……あ、病室?
こんなの一体いつ撮ったんだろう?
心の声が漏れてしまったようで、慎一さんは笑いながらその答えを教えてくれた。
「前に夜中行った時があっただろう? お菓子を持って行った時。寝顔が可愛くて、我慢できなくて頭を撫でたら伊月が嬉しそうな顔をして俺の名前を呼んでくれて……それが可愛くてこっそり写真撮っちゃったんだ。それからずっとこれ。いっつも夜寝る前に見て、早く会いたいなって思ってた」
あの美味しかった名古屋のお菓子を持ってきてくれた日だ。
夜会えないのが寂しくてなかなか寝付けなかったけれど、慎一さんがそばにいてくれるような気がしていつの間にか寝ていたんだ。夢の中でも慎一さんの匂いを感じて安心して眠れたんだ。
そうか……あの時、慎一さんが夜中に来て頭を撫でてくれたから安心したんだな。
寂しかったはずなのにあんなにぐっすり寝られたのはやっぱり慎一さんのおかげだったんだ。
もうあの時には慎一さん……僕のことを心から好きだって思ってくれてたんだな。
嬉しい……っ。
その気持ちを抑えられなくて、僕はワンちゃんたちを抱っこしたまま慎一さんに抱きついた。
――ねぇ、真琴くんとユウさんってすごく距離が近いっていうか、なんて言ったらいいのかな……。
――ふふっ。ラブラブ、かな?
――あっ、そう! どうしたらそんなふうにラブラブになれるの?
――伊月くんはつい最近恋人になったばかりだから多分まだなんだよね?
――まだって? 何が?
――ううん、なんでもない。こっちのこと。あのね、いいこと教えてあげる。
――なになに?
――河北さんにイチャイチャしたいって言ってみて。そうしたら今まで以上に幸せな時間がいっぱい過ごせるよ。それ、魔法の言葉だから……。でも伊月くんが、河北さんと幸せな時間を過ごしたいって思った時だからね。
あのお店で、デザートを食べながら真琴くんが教えてくれたことを思い出した。
「僕も毎日、慎一さんが送ってくれた写真見て寝てたので同じだって思って嬉しかったです。あの、僕……早く慎一さんと、その……イチャイチャしたいです」
思い切って自分の気持ちを伝えながら、あの魔法の言葉を言ってみた。
「えっ? イチャイチャ?」
「真琴くんがそう言ったら、いっぱい幸せな時間を過ごせるよって教えてくれたんです。だから……」
「――っ!!! ああ、わかった。イチャイチャしよう」
最初はびっくりして目を丸くしていた慎一さんだったけれど、真琴くんから教えてもらったことを伝えると嬉しそうに笑って、僕の手からワンちゃんたちをとり、ソファーに優しく座らせた。そして僕を軽々と抱きかかえて寝室に連れて行った。
「あ、あの……慎一さん……ここ、寝室ですよね?」
イチャイチャするって言ったのにどうして寝室?
「だってイチャイチャ、するんだろう?」
「は、はい。あの、それって……」
「この前の練習の続き、かな。お互いに裸になって蜜を出し合っただろう? あの続きをしたら、いっぱい幸せな時間を過ごせるよ」
裸で、蜜……。
その言葉だけであの時の情景が浮かんで恥ずかしくなる。
「あの……じゃあ、真琴くんもユウさんとあんなふうにイチャイチャしてるってことですか?」
「ああ。そうだね。二人はもう恋人になって二ヶ月経ってるし、それこそきっと毎日イチャイチャしてるよ」
「えっ、毎日?」
真琴くんが、毎日、ユウさんと、イチャイチャ?
だからあんなにラブラブなのかな……。そう思ったら、僕もやってみたいという気持ちがどんどん湧き上がってきた。
慎一さんの手にスマホがあるのが見えて、今の音が写真だったと気づいた。
突然だったから絶対に間抜けな顔をしているはず。そんなの慎一さんに見られたくないっ。
慎一さんが画面を見て笑っているように見えて、急いで恥ずかしいと言ったけれど、
「いいんだよ、伊月が可愛いから。ほら、見て」
差し出された画面に恐る恐る目をやると、おっきなワンちゃんとちっちゃなワンちゃんを腕に抱いてとても嬉しそうな笑顔の僕がいた。
わっ、僕……こんな顔してるんだ……。
自分の素の表情を初めて客観的に見た気がしてやっぱり少し照れる。
でも慎一さんは嬉しそうに画面を見続けて
「これ、待ち受けにしよう。そうしたらいつでも見られる」
と言ってくれた。
僕の写真を待ち受けにしてくれるんだ。それはすごく嬉しい。でも……今までの待ち受けってどんな写真にしていたんだろう?
そんなこと聞いちゃいけない。プライベートなことだもん。
でも一度浮かんだ疑問はなかなか頭から離れてくれない。
「今までは待ち受け……どんな写真だったんですか?」
「見たい?」
こんなこと質問して嫌われるかもと思いながらも尋ねると、慎一さんは笑顔で問い返した。
ドキドキしながら頷くと慎一さんは隠し事はしないって決めてるからと言いながら画面を見せてくれた。
映っていたのは……えっ? 僕? しかも、寝てる……。ここって……あ、病室?
こんなの一体いつ撮ったんだろう?
心の声が漏れてしまったようで、慎一さんは笑いながらその答えを教えてくれた。
「前に夜中行った時があっただろう? お菓子を持って行った時。寝顔が可愛くて、我慢できなくて頭を撫でたら伊月が嬉しそうな顔をして俺の名前を呼んでくれて……それが可愛くてこっそり写真撮っちゃったんだ。それからずっとこれ。いっつも夜寝る前に見て、早く会いたいなって思ってた」
あの美味しかった名古屋のお菓子を持ってきてくれた日だ。
夜会えないのが寂しくてなかなか寝付けなかったけれど、慎一さんがそばにいてくれるような気がしていつの間にか寝ていたんだ。夢の中でも慎一さんの匂いを感じて安心して眠れたんだ。
そうか……あの時、慎一さんが夜中に来て頭を撫でてくれたから安心したんだな。
寂しかったはずなのにあんなにぐっすり寝られたのはやっぱり慎一さんのおかげだったんだ。
もうあの時には慎一さん……僕のことを心から好きだって思ってくれてたんだな。
嬉しい……っ。
その気持ちを抑えられなくて、僕はワンちゃんたちを抱っこしたまま慎一さんに抱きついた。
――ねぇ、真琴くんとユウさんってすごく距離が近いっていうか、なんて言ったらいいのかな……。
――ふふっ。ラブラブ、かな?
――あっ、そう! どうしたらそんなふうにラブラブになれるの?
――伊月くんはつい最近恋人になったばかりだから多分まだなんだよね?
――まだって? 何が?
――ううん、なんでもない。こっちのこと。あのね、いいこと教えてあげる。
――なになに?
――河北さんにイチャイチャしたいって言ってみて。そうしたら今まで以上に幸せな時間がいっぱい過ごせるよ。それ、魔法の言葉だから……。でも伊月くんが、河北さんと幸せな時間を過ごしたいって思った時だからね。
あのお店で、デザートを食べながら真琴くんが教えてくれたことを思い出した。
「僕も毎日、慎一さんが送ってくれた写真見て寝てたので同じだって思って嬉しかったです。あの、僕……早く慎一さんと、その……イチャイチャしたいです」
思い切って自分の気持ちを伝えながら、あの魔法の言葉を言ってみた。
「えっ? イチャイチャ?」
「真琴くんがそう言ったら、いっぱい幸せな時間を過ごせるよって教えてくれたんです。だから……」
「――っ!!! ああ、わかった。イチャイチャしよう」
最初はびっくりして目を丸くしていた慎一さんだったけれど、真琴くんから教えてもらったことを伝えると嬉しそうに笑って、僕の手からワンちゃんたちをとり、ソファーに優しく座らせた。そして僕を軽々と抱きかかえて寝室に連れて行った。
「あ、あの……慎一さん……ここ、寝室ですよね?」
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「だってイチャイチャ、するんだろう?」
「は、はい。あの、それって……」
「この前の練習の続き、かな。お互いに裸になって蜜を出し合っただろう? あの続きをしたら、いっぱい幸せな時間を過ごせるよ」
裸で、蜜……。
その言葉だけであの時の情景が浮かんで恥ずかしくなる。
「あの……じゃあ、真琴くんもユウさんとあんなふうにイチャイチャしてるってことですか?」
「ああ。そうだね。二人はもう恋人になって二ヶ月経ってるし、それこそきっと毎日イチャイチャしてるよ」
「えっ、毎日?」
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