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二人でゆっくり……
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びっくりして慎一さんが僕を見る。
「僕……慎一さんのこと、信じます」
僕も慎一さんを見つめながらそういうと、慎一さんは手を震わせながら、
「ほ、本当に?」
と聞き返してきた。その姿になんだかキュンとする。
でも信じるためにはちゃんと慎一さんの口から言葉を聞きたくて
「はい。だから、ちゃんと言ってください……」
といったのだけど、僕の言葉の意味を慎一さんは理解できていないようだったから、今度はもっと丁寧に
「僕のこと、好きだって……言ってください……」
と言うと、慎一さんはハッとした表情を見せた。
一緒のベッドで寝ることよりも先に伝えてほしい言葉があったことに気づいてくれたみたいだ。
慎一さんはふぅと深呼吸をすると、僕の目をまっすぐ見てゆっくりと口を開いた。
「伊月くん、俺は君が好きだ。恋人になってほしい!」
その言葉を聞いた瞬間、
「僕でよかったら、喜んで……」
と言う返事がサラッと口から溢れた。僕はずっと慎一さんからのその言葉を待っていたんだな。
その幸せに浸っていると、突然慎一さんの腕の中に包こまれて思わず声をあげてしまったけれど、その温もりがもう離れたくないと思ってしまうほど心地いい。
慎一さんの匂いもこんなに近くで感じられるなんて嬉しいな。
そんなことを思っていると、
「これで、俺たち……恋人になったから、一緒に寝てくれるよね?」
と念を押されるように確認されて恥ずかしくなる。それはもちろんそのつもりだけど、改めて言うのはちょっと照れる。
でも大事なことだからと言われて、正直に一緒に寝たいと告げた。きっと今、僕の顔は真っ赤になっているだろうな。
あ、でも慎一さんに伝えておかなくちゃいけないことがある
僕は今まで誰も好きになったこともなかった。それは両親がお互いを思い遣ったり仲睦まじく過ごしている姿をを一度も見たことがなかったからかもしれない。それでも中学生や高校生になると、同級生で恋人がいるなんて話を聞くこともあったし、聞きたくなくても恋人になったら……なんてことを朧げながらに聞くこともあった。だけど、そんなことに気を向けていられないくらい、自分の勉強と生活に必死で何も知らずに過ごしてきた。
だから慎一さんと恋人になっても何をしていいのかわからない。そのことは正直にいったほうがいいんだろうな。
「その、僕……なんていうか、その……恋人同士の、何も、知らなくて……」
「えっ? 何もって……」
必死にそういうと、予想していなかったとでも言うような表情で慎一さんに聞き返される。
もしかして、恋人でもそう言うんじゃなかったのかな?
僕……勝手に勘違いして先走っちゃった?
うそっ、恥ずかしすぎる!
もう穴があったら入りたいくらいの恥ずかしさでどうしていいかわからない。
「やっ、恥ずかしい……っ」
慎一さんに顔を覗き込まれそうになって必死に顔を隠そうと慎一さんの胸に押し当てると、安心する匂いに包まれてなんともいえない感情が湧き上がる。
なんだろう、この気持ち。ホッとするし、なんだか身体の奥が熱くなる気がする。
その気持ちに戸惑っている時に耳元で、
「心配しないでいいよ」
と慎一さんに囁かれる。
「大丈夫、俺も初めてだから」
続けてそんな言葉が聞こえてきてびっくりして顔を上げると、優しい笑顔を浮かべた慎一さんの顔が見えた。
慎一さんが初めて? そんな……本当に?
「今まで伊月くん以外に好きになった人がいないんだ。だから誰とも付き合ったことないよ。告白したのだって、伊月くんが初めてだよ」
僕に嘘は言わないといって教えてくれたことに僕は驚きしかなかったけど、僕は慎一さんを信じるって決めたんだ。慎一さんの言うことを疑うなんてダメだ。
慎一さんが初めて付き合った人が僕だって信じられないくらいびっくりしたけど、でも……ものすごく嬉しい。
「初めて同士、ゆっくり進んでいこう」
そんな優しい言葉をかけられて僕は嬉しくなって頷いた。
「ねぇ、伊月くん。他に気になることある? さっきも言ったけど、俺は伊月くんにはすべて本当のことしか話さないから、なんでも聞いてくれていいよ」
そう言われて、一番気になっていたことを尋ねてみた。
「慎一さんのお仕事って、なんですか? あのコンビニの本社で働いているわけじゃないんですよね?」
「そっか、それを話さないといけなかったな。うん、あれは別の仕事。今の本業は獣医師だよ」
「えっ? 獣医師、さんですか?」
まさかの職業に驚きしかない。だって調査員とは全然違うし。
「うん。と言っても、雇われで週に二日しか働いてないけどね」
「そうなんですか?」
「ああ、獣医師は本当になりたいものになる布石のようなものなんだよ」
「本当になりたいもの?」
「俺はブリーダーになりたくて、今は準備を整えているところなんだ。もうすぐそれが完成するんだよ」
ブリーダーって、確かペットを繁殖させる人だったかな。獣医さんがブリーダーだったら確かにすごく安心だ。
そのために獣医さんになる慎一さんってすごく素敵だな。
「僕……慎一さんのこと、信じます」
僕も慎一さんを見つめながらそういうと、慎一さんは手を震わせながら、
「ほ、本当に?」
と聞き返してきた。その姿になんだかキュンとする。
でも信じるためにはちゃんと慎一さんの口から言葉を聞きたくて
「はい。だから、ちゃんと言ってください……」
といったのだけど、僕の言葉の意味を慎一さんは理解できていないようだったから、今度はもっと丁寧に
「僕のこと、好きだって……言ってください……」
と言うと、慎一さんはハッとした表情を見せた。
一緒のベッドで寝ることよりも先に伝えてほしい言葉があったことに気づいてくれたみたいだ。
慎一さんはふぅと深呼吸をすると、僕の目をまっすぐ見てゆっくりと口を開いた。
「伊月くん、俺は君が好きだ。恋人になってほしい!」
その言葉を聞いた瞬間、
「僕でよかったら、喜んで……」
と言う返事がサラッと口から溢れた。僕はずっと慎一さんからのその言葉を待っていたんだな。
その幸せに浸っていると、突然慎一さんの腕の中に包こまれて思わず声をあげてしまったけれど、その温もりがもう離れたくないと思ってしまうほど心地いい。
慎一さんの匂いもこんなに近くで感じられるなんて嬉しいな。
そんなことを思っていると、
「これで、俺たち……恋人になったから、一緒に寝てくれるよね?」
と念を押されるように確認されて恥ずかしくなる。それはもちろんそのつもりだけど、改めて言うのはちょっと照れる。
でも大事なことだからと言われて、正直に一緒に寝たいと告げた。きっと今、僕の顔は真っ赤になっているだろうな。
あ、でも慎一さんに伝えておかなくちゃいけないことがある
僕は今まで誰も好きになったこともなかった。それは両親がお互いを思い遣ったり仲睦まじく過ごしている姿をを一度も見たことがなかったからかもしれない。それでも中学生や高校生になると、同級生で恋人がいるなんて話を聞くこともあったし、聞きたくなくても恋人になったら……なんてことを朧げながらに聞くこともあった。だけど、そんなことに気を向けていられないくらい、自分の勉強と生活に必死で何も知らずに過ごしてきた。
だから慎一さんと恋人になっても何をしていいのかわからない。そのことは正直にいったほうがいいんだろうな。
「その、僕……なんていうか、その……恋人同士の、何も、知らなくて……」
「えっ? 何もって……」
必死にそういうと、予想していなかったとでも言うような表情で慎一さんに聞き返される。
もしかして、恋人でもそう言うんじゃなかったのかな?
僕……勝手に勘違いして先走っちゃった?
うそっ、恥ずかしすぎる!
もう穴があったら入りたいくらいの恥ずかしさでどうしていいかわからない。
「やっ、恥ずかしい……っ」
慎一さんに顔を覗き込まれそうになって必死に顔を隠そうと慎一さんの胸に押し当てると、安心する匂いに包まれてなんともいえない感情が湧き上がる。
なんだろう、この気持ち。ホッとするし、なんだか身体の奥が熱くなる気がする。
その気持ちに戸惑っている時に耳元で、
「心配しないでいいよ」
と慎一さんに囁かれる。
「大丈夫、俺も初めてだから」
続けてそんな言葉が聞こえてきてびっくりして顔を上げると、優しい笑顔を浮かべた慎一さんの顔が見えた。
慎一さんが初めて? そんな……本当に?
「今まで伊月くん以外に好きになった人がいないんだ。だから誰とも付き合ったことないよ。告白したのだって、伊月くんが初めてだよ」
僕に嘘は言わないといって教えてくれたことに僕は驚きしかなかったけど、僕は慎一さんを信じるって決めたんだ。慎一さんの言うことを疑うなんてダメだ。
慎一さんが初めて付き合った人が僕だって信じられないくらいびっくりしたけど、でも……ものすごく嬉しい。
「初めて同士、ゆっくり進んでいこう」
そんな優しい言葉をかけられて僕は嬉しくなって頷いた。
「ねぇ、伊月くん。他に気になることある? さっきも言ったけど、俺は伊月くんにはすべて本当のことしか話さないから、なんでも聞いてくれていいよ」
そう言われて、一番気になっていたことを尋ねてみた。
「慎一さんのお仕事って、なんですか? あのコンビニの本社で働いているわけじゃないんですよね?」
「そっか、それを話さないといけなかったな。うん、あれは別の仕事。今の本業は獣医師だよ」
「えっ? 獣医師、さんですか?」
まさかの職業に驚きしかない。だって調査員とは全然違うし。
「うん。と言っても、雇われで週に二日しか働いてないけどね」
「そうなんですか?」
「ああ、獣医師は本当になりたいものになる布石のようなものなんだよ」
「本当になりたいもの?」
「俺はブリーダーになりたくて、今は準備を整えているところなんだ。もうすぐそれが完成するんだよ」
ブリーダーって、確かペットを繁殖させる人だったかな。獣医さんがブリーダーだったら確かにすごく安心だ。
そのために獣医さんになる慎一さんってすごく素敵だな。
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