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6章 ラスボスへの道のり
113.最終決戦前夜 陽編
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「陽、少し話をしないか?」
「はい、ぜひ」
夕食が終わり何もすることがなく武器のメンテをしていると、龍ノ介さんから誘いを受ける。私は笑顔で頷く。
告白してばっさり振られたはずなのに、いつの間にか保留に変わった。
それはつまり私にも可能性があるってことなんだよね?
そう思ったら聞いた瞬間、嬉しさのあまり涙が溢れ止まらなくなったんだ。
星ちゃんには言い方が不評だったけれど、私は当然だと思うんだよね?
教師の龍ノ介さんが生徒。しかも十五歳も年下。そんな相手と今付き合ったりしたら、ロリコンだし社会的に抹殺されてしまう。
見極める以上に少なくても、私が高校卒業するまでの時間は必要。
いずれにせよ私達の関係は、少し縮まったと思いたい。
「明日はいよいよ最終戦だが、大丈夫か?」
「はい、足手まといにならないよう頑張ります。援護は任せて下さい」
「その意気だ。オレ達メンバーだと援護は陽とヨハンの二人だけだからな。本当に頼りにしてる」
みんなから少し離れた場所で、龍ノ介さんは優しい言葉で話を切り出した。
龍丿介さんに頼られて痛い目をあったけれど、もう一度だけ信じてみる。今日だって役に立っているんだから、明日だって大丈夫。
唯一の不安は血なんだけれど、太も星ちゃんが一緒だから頑張れる。私がちゃんと援護して、少しでも戦いを優勢にしていきたい。そのために私は頑張ってきたんだ。
「はい。今度は騙さないで下さいよ」
軽く釘をさすと龍ノ介さんは何も言わず失笑する。なんとも言えない分かりにくい微妙な反応だった。
もしまた嘘を付かれるのは辛い。
きっと龍ノ介さんには龍ノ介さんの理由があるとは思うけれど、それでも今度こそ今日みたく頼って貰いたい。
「陽も強くなったな。本当に星歌はいい親友と彼氏を持ったな」
「ありがとうございます。星ちゃんは私にとっても最高の親友です。星ちゃんだから、ここまでこれました」
たまに見せる父親の顔。
本当に星ちゃんのことを大切思っていることがよく分かって、もしかしたら龍ノ介さんが今だ独身なのは星ちゃんのせいかも知れない。彼女よりも星ちゃんを大切しているから、彼女は怒って結果別れることになる。
私は二人の関係性を知っているからむしろ安心。
「じゃぁそんな陽に明日のことを真面目に話すな」
「なんですか?」
ここでようやく本題の話に入るような気がした。龍ノ介さんの表情が硬くなる。
「明日はひょっとしたら残酷な結末になるかもしれない」
「え、それって誰かが死ぬってことですか?」
「簡単に言えばな。スピカのホムンクルスの身体は、シノブが作った器。更にマヒナとシノブは繋がっていた」
「あ、そうですよね?」
言われてみれば、そうだった。
私達を裏切ることはないと思うけれど、シノブに操られてたら……意志とは関係なく結果的に敵になるんだよね?
そんなことになったら星ちゃんが傷つく……。せっかくお母さんと再会出来てこれからと言う時に、最悪な結末を迎えるなんて考えたくない。
「一番力になれるのは親友と彼氏だ。何よりも星夜のメンタルの方が心配だ。また数年一緒に暮らすしかないかもな」
やれやれと言った感じで言うけれど、全然いやそうじゃなかった。
友達のためにここまで出来るのは本当に凄いと思う。
おじさんも龍ノ介さんのためだったらやりなんでもそうだし、二人の友情は私の理想だ。
私もそんな素敵な大人になれたらいいな。
「十四年前もそういう理由で一緒に暮らしてたんですね。今でも頻繁に行っているのは、まだ心配なんですね」
「ああ。星夜は生真面目だからなんでも一人で背負って、ある日突然崩れるんだよ。二歳の星歌は空気を読んでいたようだったが、たまにやらかして大変だった。まぁそのおかげで家事をこなせるようになったから、一人暮らしでも苦労はしていない」
今までおじさんの料理目当てで頻繁に行っていると思っていたら、こう言うカラクリがあったんだと初めて知る。
きっとこれは星ちゃんが知らない事実だろうから、特別感があってちょっと嬉しいな。
おじさんの料理目当てじゃなかったんだね?
「最悪事態は分かりました。心得ておきますが、私はスピカさんなら打ち勝ってくれると信じたいです」
「それはもちろんオレもだよ。でもまぁそれはそれで星歌を気に掛けてやらないと、そのうちスピカと星夜の取り合いになるかもな。星夜は星夜で太にくだらないライバル意識を燃やしてるしな」
って言いながら、龍ノ介さんは冗談っぽく笑う。私も想像出来て一緒に笑った。
一見星ちゃんとスピカさんは仲良しで何も問題なさそうに見えるけれど、母と娘って言うより年の離れた友達って感じなんだよね?
今はみんなで暮らしているから問題ないだけで、地球に戻っておじさんと三人で暮らすことになったらわだかまりが出来るかも知れない。
友達関係と親子関係って結構違うから。
それにしても母親と父親の取り合い。
おじさんが大好きな星ちゃんらしいね。
いくら太と言う彼氏がいても、星ちゃんのナイトは当分おじさんみたい。
それなのにおじさんは、太に取られたと思い込んでいる。
「それでもある意味楽しそうですね」
当事者達には一大事でも、第三者にはどこか楽しそうに見えてしまう。
……深刻にさえならなければ……
「まぁな。騒がしくても幸せで平凡な毎日……明日はオレが陽を護るから、すぐに助けを求めるんだぞ?」
「はい!!」
嬉しすぎる何よりもの言葉。
それだけで私は充分です。
「はい、ぜひ」
夕食が終わり何もすることがなく武器のメンテをしていると、龍ノ介さんから誘いを受ける。私は笑顔で頷く。
告白してばっさり振られたはずなのに、いつの間にか保留に変わった。
それはつまり私にも可能性があるってことなんだよね?
そう思ったら聞いた瞬間、嬉しさのあまり涙が溢れ止まらなくなったんだ。
星ちゃんには言い方が不評だったけれど、私は当然だと思うんだよね?
教師の龍ノ介さんが生徒。しかも十五歳も年下。そんな相手と今付き合ったりしたら、ロリコンだし社会的に抹殺されてしまう。
見極める以上に少なくても、私が高校卒業するまでの時間は必要。
いずれにせよ私達の関係は、少し縮まったと思いたい。
「明日はいよいよ最終戦だが、大丈夫か?」
「はい、足手まといにならないよう頑張ります。援護は任せて下さい」
「その意気だ。オレ達メンバーだと援護は陽とヨハンの二人だけだからな。本当に頼りにしてる」
みんなから少し離れた場所で、龍ノ介さんは優しい言葉で話を切り出した。
龍丿介さんに頼られて痛い目をあったけれど、もう一度だけ信じてみる。今日だって役に立っているんだから、明日だって大丈夫。
唯一の不安は血なんだけれど、太も星ちゃんが一緒だから頑張れる。私がちゃんと援護して、少しでも戦いを優勢にしていきたい。そのために私は頑張ってきたんだ。
「はい。今度は騙さないで下さいよ」
軽く釘をさすと龍ノ介さんは何も言わず失笑する。なんとも言えない分かりにくい微妙な反応だった。
もしまた嘘を付かれるのは辛い。
きっと龍ノ介さんには龍ノ介さんの理由があるとは思うけれど、それでも今度こそ今日みたく頼って貰いたい。
「陽も強くなったな。本当に星歌はいい親友と彼氏を持ったな」
「ありがとうございます。星ちゃんは私にとっても最高の親友です。星ちゃんだから、ここまでこれました」
たまに見せる父親の顔。
本当に星ちゃんのことを大切思っていることがよく分かって、もしかしたら龍ノ介さんが今だ独身なのは星ちゃんのせいかも知れない。彼女よりも星ちゃんを大切しているから、彼女は怒って結果別れることになる。
私は二人の関係性を知っているからむしろ安心。
「じゃぁそんな陽に明日のことを真面目に話すな」
「なんですか?」
ここでようやく本題の話に入るような気がした。龍ノ介さんの表情が硬くなる。
「明日はひょっとしたら残酷な結末になるかもしれない」
「え、それって誰かが死ぬってことですか?」
「簡単に言えばな。スピカのホムンクルスの身体は、シノブが作った器。更にマヒナとシノブは繋がっていた」
「あ、そうですよね?」
言われてみれば、そうだった。
私達を裏切ることはないと思うけれど、シノブに操られてたら……意志とは関係なく結果的に敵になるんだよね?
そんなことになったら星ちゃんが傷つく……。せっかくお母さんと再会出来てこれからと言う時に、最悪な結末を迎えるなんて考えたくない。
「一番力になれるのは親友と彼氏だ。何よりも星夜のメンタルの方が心配だ。また数年一緒に暮らすしかないかもな」
やれやれと言った感じで言うけれど、全然いやそうじゃなかった。
友達のためにここまで出来るのは本当に凄いと思う。
おじさんも龍ノ介さんのためだったらやりなんでもそうだし、二人の友情は私の理想だ。
私もそんな素敵な大人になれたらいいな。
「十四年前もそういう理由で一緒に暮らしてたんですね。今でも頻繁に行っているのは、まだ心配なんですね」
「ああ。星夜は生真面目だからなんでも一人で背負って、ある日突然崩れるんだよ。二歳の星歌は空気を読んでいたようだったが、たまにやらかして大変だった。まぁそのおかげで家事をこなせるようになったから、一人暮らしでも苦労はしていない」
今までおじさんの料理目当てで頻繁に行っていると思っていたら、こう言うカラクリがあったんだと初めて知る。
きっとこれは星ちゃんが知らない事実だろうから、特別感があってちょっと嬉しいな。
おじさんの料理目当てじゃなかったんだね?
「最悪事態は分かりました。心得ておきますが、私はスピカさんなら打ち勝ってくれると信じたいです」
「それはもちろんオレもだよ。でもまぁそれはそれで星歌を気に掛けてやらないと、そのうちスピカと星夜の取り合いになるかもな。星夜は星夜で太にくだらないライバル意識を燃やしてるしな」
って言いながら、龍ノ介さんは冗談っぽく笑う。私も想像出来て一緒に笑った。
一見星ちゃんとスピカさんは仲良しで何も問題なさそうに見えるけれど、母と娘って言うより年の離れた友達って感じなんだよね?
今はみんなで暮らしているから問題ないだけで、地球に戻っておじさんと三人で暮らすことになったらわだかまりが出来るかも知れない。
友達関係と親子関係って結構違うから。
それにしても母親と父親の取り合い。
おじさんが大好きな星ちゃんらしいね。
いくら太と言う彼氏がいても、星ちゃんのナイトは当分おじさんみたい。
それなのにおじさんは、太に取られたと思い込んでいる。
「それでもある意味楽しそうですね」
当事者達には一大事でも、第三者にはどこか楽しそうに見えてしまう。
……深刻にさえならなければ……
「まぁな。騒がしくても幸せで平凡な毎日……明日はオレが陽を護るから、すぐに助けを求めるんだぞ?」
「はい!!」
嬉しすぎる何よりもの言葉。
それだけで私は充分です。
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