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骨折
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「さて、これからどうしよう?」
荷物まとめもそこそこにマリガン子爵家邸を出、繁華街を歩いていた私は考えました。
まず宿を探そう。
宿の主人なら顔も広いに違いないから、私でも働けるところを紹介してくれるかもしれない。
うん、我ながらいい案じゃないかな?
少し元気が出たところで横柄な男にぶつかってしまいました。
「痛え! どこ見て歩いてるんだこのチビ!」
「ご、ごめんなさい」
私は避けましたよ。
向こうからぶつかってきたように見えたけど。
「足が折れちまったじゃねえか。治療費金貨五枚寄越せ」
「そ、そんな!」
金貨五枚は私の全財産です。
何としても守らなければ。
「さっさと出せオラ!」
「や、やめてください」
ボコボコ蹴られます。
い、痛い。
足のどこが折れているんだろう?
ただの言いがかりではないですか?
その時誰かが声をかけてきました。
「おや、シンディ嬢じゃないか」
「えっ?」
ええと、あっ、時々家に来てくださっていた金貸しの息子さん?
歳は私より少し上であるだけだと思うのですけれども、ボディガードを二人も連れていて堂々として見えます。
私を助けてくださるのでしょうか?
「ねえ君、彼女はうちの大事なお客様なんだ。勘弁してやってくれないかな」
「ああ? このガキはオレの足を折りやがったんだ。落とし前つけるまで待ってくんな」
「足ねえ。おい」
「はっ」
金貸しの息子さんのボディガードが、言いがかり男の足を折った?
「ぎゃあああああああ!」
「おお、確かに折れているね」
「き、貴様……」
「ボクは親切だから治療してあげよう。事務所まで来てくれ。何、礼には及ばないよ。シンディ嬢も来てくれるかな?」
「は、はい」
おかしなことになりました。
そうだ、私も金貸しさんには事情を説明しておかないといけません。
荷物まとめもそこそこにマリガン子爵家邸を出、繁華街を歩いていた私は考えました。
まず宿を探そう。
宿の主人なら顔も広いに違いないから、私でも働けるところを紹介してくれるかもしれない。
うん、我ながらいい案じゃないかな?
少し元気が出たところで横柄な男にぶつかってしまいました。
「痛え! どこ見て歩いてるんだこのチビ!」
「ご、ごめんなさい」
私は避けましたよ。
向こうからぶつかってきたように見えたけど。
「足が折れちまったじゃねえか。治療費金貨五枚寄越せ」
「そ、そんな!」
金貨五枚は私の全財産です。
何としても守らなければ。
「さっさと出せオラ!」
「や、やめてください」
ボコボコ蹴られます。
い、痛い。
足のどこが折れているんだろう?
ただの言いがかりではないですか?
その時誰かが声をかけてきました。
「おや、シンディ嬢じゃないか」
「えっ?」
ええと、あっ、時々家に来てくださっていた金貸しの息子さん?
歳は私より少し上であるだけだと思うのですけれども、ボディガードを二人も連れていて堂々として見えます。
私を助けてくださるのでしょうか?
「ねえ君、彼女はうちの大事なお客様なんだ。勘弁してやってくれないかな」
「ああ? このガキはオレの足を折りやがったんだ。落とし前つけるまで待ってくんな」
「足ねえ。おい」
「はっ」
金貸しの息子さんのボディガードが、言いがかり男の足を折った?
「ぎゃあああああああ!」
「おお、確かに折れているね」
「き、貴様……」
「ボクは親切だから治療してあげよう。事務所まで来てくれ。何、礼には及ばないよ。シンディ嬢も来てくれるかな?」
「は、はい」
おかしなことになりました。
そうだ、私も金貸しさんには事情を説明しておかないといけません。
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