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封印式神編
783.魔物と魔族の関係性
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サイヨウとの話を終えて椅子から立ち上がったソフィだが、そこで思い出したとばかりに、シスとユファの方へ視線を移す。
「そういえば最近になってヴェルマー大陸に居る魔物達が多くなったという事だが、お主達は気づいておったか?」
レルバノンから聞かされた話を告げるソフィに二人は頷く。
「確かにギルドからもそう言った話が入ってきているわね。それに魔物達のランクが平均して一ランク程上がっているような感じだと聞いているわ」
シスの口振りから察するに、やはりラルグ魔国領の話だけではなく、レイズ魔国領も同じように強くなっているらしい。この様子ではやはりヴェルマー大陸全域の魔物達も影響があるとみていいだろう。
「魔物の増加だけでは無く、魔物達のランクもか」
「ソフィ様、もしかして何か気づかれた事が?」
ユファが心配するような視線をソフィに向けながらそう告げた。
「いや、我もレルバノンから魔物達が増加していると聞かされただけなのだが、もしかするとこの世界の魔王がその力を取り戻してきている影響かもしれぬと考えてな」
「この世界の魔王ですか。それはレアが関係しているわけでは無いですよね」
今から三千年前程から表向きはこの世界の『原初の魔王』と周知されているレアだが、レアは元々レパートの世界からこちらへ渡ってきただけであり、既にこの世界に来た時には魔物達は生きていた。
一つの世界を支配するようにと、フルーフに仰せつかったレアは、手っ取り早くこの世界を支配する為に足場を固める目的で魔族達を支配しようと動いた。
故に魔物達には手を付けず、その上位となる存在である魔族達を束ねた為、国の魔族達を通して魔物達を動かしたくらいである。
当然、魔物達に対して『名付け』等は一匹として行っていない為、レアは何も関係がないであろう。もちろんソフィも魔族達の国である『ラルグ』の魔国王とはなったが、この世界を支配したわけでも、新たに魔物を生み出したわけでもないので、今回の件には何も関係があるわけもない。
「レアでは無いな。関係があるとすれば『レキ』だろうという事だ」
「レキ?」
当然この世界出身というワケでも無いユファは、レキと聞いてもピンとこない。それはこの世界の魔族であるシスも同じだったようである。
「この世界の原初の魔族で、過去にこの世界の多くの生物達の虐殺を行った事で、魔神直々に世界の危機と認定されて、最近までは封印されておったらしいな」
「ま、魔神に!? そ、そんな魔族は、過去に私たちは見たことがありません!」
――それは当然そうだろう。
ユファがこの世界に来る事となる遥か前のレアの魔王時代ですら、レキはその姿をリラリオで見せてはいなかった。シスやユファが、レキを直接知っているとはとても言い難かった。
「あやつはどうやら我と戦った時くらいに復活したのだと考えてよいだろうな」
「ちょっと待ってください! ソフィ様はレキという魔族と戦った事があるのですか?」
驚いた様子でユファがそう告げるのを聞いたソフィは、そう言えばユファ達はレキを見ていなかったかと思い返すのだった。
「少し前に『トウジン』魔国の復興が終わり、闘技場が再び開かれる事となった時に『エキシビションマッチ』が行われただろう?」
ユファはその言葉を聞いてちらりとラルフの方を見る。
「私がリディアと戦った時の事ですね?」
「そうだ。あの後に我はレキに誘われる形で奴と戦ったのだ」
そこでようやくユファも何かに思い当たったのだろう。はっとした表情を浮かべる。
(リディアの奴! 医務室で詳しく話すと言った癖に、レキとかいう奴の事を黙っていたわね!)
あの時にソフィとレキが戦っていたと知り、ユファは今度リディアに会ったら一言言ってやろうと心に決めるのだった。
「そういえば最近になってヴェルマー大陸に居る魔物達が多くなったという事だが、お主達は気づいておったか?」
レルバノンから聞かされた話を告げるソフィに二人は頷く。
「確かにギルドからもそう言った話が入ってきているわね。それに魔物達のランクが平均して一ランク程上がっているような感じだと聞いているわ」
シスの口振りから察するに、やはりラルグ魔国領の話だけではなく、レイズ魔国領も同じように強くなっているらしい。この様子ではやはりヴェルマー大陸全域の魔物達も影響があるとみていいだろう。
「魔物の増加だけでは無く、魔物達のランクもか」
「ソフィ様、もしかして何か気づかれた事が?」
ユファが心配するような視線をソフィに向けながらそう告げた。
「いや、我もレルバノンから魔物達が増加していると聞かされただけなのだが、もしかするとこの世界の魔王がその力を取り戻してきている影響かもしれぬと考えてな」
「この世界の魔王ですか。それはレアが関係しているわけでは無いですよね」
今から三千年前程から表向きはこの世界の『原初の魔王』と周知されているレアだが、レアは元々レパートの世界からこちらへ渡ってきただけであり、既にこの世界に来た時には魔物達は生きていた。
一つの世界を支配するようにと、フルーフに仰せつかったレアは、手っ取り早くこの世界を支配する為に足場を固める目的で魔族達を支配しようと動いた。
故に魔物達には手を付けず、その上位となる存在である魔族達を束ねた為、国の魔族達を通して魔物達を動かしたくらいである。
当然、魔物達に対して『名付け』等は一匹として行っていない為、レアは何も関係がないであろう。もちろんソフィも魔族達の国である『ラルグ』の魔国王とはなったが、この世界を支配したわけでも、新たに魔物を生み出したわけでもないので、今回の件には何も関係があるわけもない。
「レアでは無いな。関係があるとすれば『レキ』だろうという事だ」
「レキ?」
当然この世界出身というワケでも無いユファは、レキと聞いてもピンとこない。それはこの世界の魔族であるシスも同じだったようである。
「この世界の原初の魔族で、過去にこの世界の多くの生物達の虐殺を行った事で、魔神直々に世界の危機と認定されて、最近までは封印されておったらしいな」
「ま、魔神に!? そ、そんな魔族は、過去に私たちは見たことがありません!」
――それは当然そうだろう。
ユファがこの世界に来る事となる遥か前のレアの魔王時代ですら、レキはその姿をリラリオで見せてはいなかった。シスやユファが、レキを直接知っているとはとても言い難かった。
「あやつはどうやら我と戦った時くらいに復活したのだと考えてよいだろうな」
「ちょっと待ってください! ソフィ様はレキという魔族と戦った事があるのですか?」
驚いた様子でユファがそう告げるのを聞いたソフィは、そう言えばユファ達はレキを見ていなかったかと思い返すのだった。
「少し前に『トウジン』魔国の復興が終わり、闘技場が再び開かれる事となった時に『エキシビションマッチ』が行われただろう?」
ユファはその言葉を聞いてちらりとラルフの方を見る。
「私がリディアと戦った時の事ですね?」
「そうだ。あの後に我はレキに誘われる形で奴と戦ったのだ」
そこでようやくユファも何かに思い当たったのだろう。はっとした表情を浮かべる。
(リディアの奴! 医務室で詳しく話すと言った癖に、レキとかいう奴の事を黙っていたわね!)
あの時にソフィとレキが戦っていたと知り、ユファは今度リディアに会ったら一言言ってやろうと心に決めるのだった。
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