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『特別な人』125

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 花がそのような楽しい週末を相原と過ごした後、またまた一週間が経ち、
夜間保育の金曜を迎えることになり、また遠野の突撃があるのではないかと
怯えていたが……
それもなく、金曜の夜間保育はいつものように穏やかに過ぎていった。


 ただ油断はできず、残念ではあるが、花はこの日も相原の車に
便乗させてもらうことを見送った。




          ◇ ◇ ◇ ◇



 ◇顛末  



 先週に引き続き掛居をモーニングに誘いたかった相原だがこの日は
沙江子が凛に会いに来るというので誘えなかった。



 沙江子の寂しさを慮るとモーニングを優先させることはできなかったのだ。



 そんなことを少しグジグシ考えながら休日の朝、相原がベランダに出て
洗濯物を干している時のことだった。



 相原の家のインターホンが鳴った。
 来客のようだ。




「どちらさまでしょうか」

 インターホンを鳴らした訪問者は予想外に女性の声で出迎えられ
驚きを隠せなかった。


 しかしもうここまで出向いて来たのだ、諦めて帰るわけにはいかない、
そう思い自己紹介を始める。




「相原さんと同じ会社の遠野と申します。
 相原さんにお会いしたくて参りました。
 少しだけでいいのでお時間いただけないでしょうか」



 そう声掛けした遠野が待っていると、中から出てきたのは見知らぬ
女性沙江子だった。



 この時ちょうどベランダにいた相原が洗濯カゴを手に部屋に入ってきた
ところだった。


 目の前に現れた光景はちょうど沙江子と遠野が対面している絵面だった。


 相原は驚いたものの、瞬時に閃いた。




 このチャンスを最大限に活かし、遠野のストーカー行為を全力で
阻止しなければ、と。





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