瞬間、青く燃ゆ

 ストーカーに刺殺され、最愛の彼女である相場夏南(あいばかなん)を失った春野律(はるのりつ)は、彼女の死を境に、他人の感情が顔の周りに色となって見える病、色視症(しきししょう)を患ってしまう。
 時が経ち、夏南の一周忌を二ヶ月後に控えた4月がやって来た。高校三年生に進級した春野の元に、一年生である市川麻友(いちかわまゆ)が訪ねてきた。色視症により、他人の顔が見えないことを悩んでいた春野は、市川の顔が見えることに衝撃を受ける。
 
 どうして? どうして彼女だけ見えるんだ?

 狼狽する春野に畳み掛けるように、市川がストーカーの被害に遭っていることを告げる。
春野は、夏南を守れなかったという罪の意識と、市川の顔が見える理由を知りたいという思いから、彼女と関わることを決意する。

 やがて、ストーカーの顔色が黒へと至った時、全ての真実が顔を覗かせる。

第5回ライト文芸大賞 青春賞 受賞作
24h.ポイント 85pt
710
小説 12,640 位 / 193,905件 ライト文芸 114 位 / 7,639件

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