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『特別な人』15
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「花、入るわね。匠吾くんがお見舞いに来てくれたのよ」
花とふたりきりで話せると思っていたのにおばさんは部屋から出て行かず
ドアの側に立っていた。
「花、昨日はちゃんと説明できなくてごめん。
それから誤解されるようなことしてごめん」
花はベッドの上で両手で布団の端を握り締め前方を見ている。
声を掛けても俺のほうを見ない。
「今日花が休んでてびっくりした。
俺のことが原因ならちゃんと話を聞いてもらって誤解を解かなきゃって、
会いにきたんだ。な、花、俺を見て!」
「見たくないよぉ~、見ない見ない、何も聞かない、帰って。
おかあさん、苦しい~」
苦しい~と言い出した花は前方に身体を折り曲げて『うぅ~』と
唸り声を出し始めた。
「約束よ、匠吾くんそこまでにしてね」
「はい……」
花の状態がここまでとは思わず俺はこれからどうしたらいいのか、
途方に暮れるばかりだった。
花の部屋から出ておばさんに見送られた時にどうしても黙っていられなくて俺は自分の現状を話した。
「一緒にカフェバーに行ったことはすごく反省しています。
花との約束を破る事になったわけで……。
ですがそれだけなんです。
島本から暗にそういうのを誘われましたが断って帰って来たのです。
それを花が分かってくれてないようなので、誤解させた自分が悪いのですがなんとも切なくて」
「匠吾くん、私は君の話を信じる。
だけどこれからのことは娘のことを第一に考えようと思ってるの。
取り敢えずは花の様子見してからの話になるわね」
「はい、ありがとうございます。失礼しました」
「花には折を見て一番大事な話を、匠吾くんと女性との間には疚しいことは
何もなかったってこと、伝えておくから」
「よろしくお願いします」
花乃子おばさんがちゃんと肝心要のポイントをちゃんと理解してくれてる
ことが今の自分には少しの励ましになったと思う。
花がちゃんと分かってくれるといいのだが。
「花、入るわね。匠吾くんがお見舞いに来てくれたのよ」
花とふたりきりで話せると思っていたのにおばさんは部屋から出て行かず
ドアの側に立っていた。
「花、昨日はちゃんと説明できなくてごめん。
それから誤解されるようなことしてごめん」
花はベッドの上で両手で布団の端を握り締め前方を見ている。
声を掛けても俺のほうを見ない。
「今日花が休んでてびっくりした。
俺のことが原因ならちゃんと話を聞いてもらって誤解を解かなきゃって、
会いにきたんだ。な、花、俺を見て!」
「見たくないよぉ~、見ない見ない、何も聞かない、帰って。
おかあさん、苦しい~」
苦しい~と言い出した花は前方に身体を折り曲げて『うぅ~』と
唸り声を出し始めた。
「約束よ、匠吾くんそこまでにしてね」
「はい……」
花の状態がここまでとは思わず俺はこれからどうしたらいいのか、
途方に暮れるばかりだった。
花の部屋から出ておばさんに見送られた時にどうしても黙っていられなくて俺は自分の現状を話した。
「一緒にカフェバーに行ったことはすごく反省しています。
花との約束を破る事になったわけで……。
ですがそれだけなんです。
島本から暗にそういうのを誘われましたが断って帰って来たのです。
それを花が分かってくれてないようなので、誤解させた自分が悪いのですがなんとも切なくて」
「匠吾くん、私は君の話を信じる。
だけどこれからのことは娘のことを第一に考えようと思ってるの。
取り敢えずは花の様子見してからの話になるわね」
「はい、ありがとうございます。失礼しました」
「花には折を見て一番大事な話を、匠吾くんと女性との間には疚しいことは
何もなかったってこと、伝えておくから」
「よろしくお願いします」
花乃子おばさんがちゃんと肝心要のポイントをちゃんと理解してくれてる
ことが今の自分には少しの励ましになったと思う。
花がちゃんと分かってくれるといいのだが。
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