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Chapter14*オオカミなんて怖くない!ドラトラだってどんと来い!(※個人の見解です)
オオカミなんて怖くない!ドラトラだっ(以下略)[1]ー⑧
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鎖骨の間のくぼみにぴたりと収まるそれを、食い入るように見つめるアキ。そんな彼を見ているうちに、わたしの口が自然と動いた。
「素敵な“ご褒美”、ありがとう。勝手に勘違いしてアキのことを疑って……あんなひどいこと言ってごめんなさい……。フラれても当然だって思ってたけど、それでもアキのこと諦めきれなかった……。アキのことが好き。わたしの幸せはアキと一緒に居ることよ」
このネックレスを受け取った時に言えなかったことを、やっと言葉にすることが出来た。そう思ったら、胸が晴れやかになって自然と笑顔になる。
吸い寄せられるように、すぐそこにある唇に自分のものを重ねた。判を押すように押し付けてからゆっくりと離れる。
大きく見開かれた瞳の中にある薄茶色の虹彩。わたしはそれに見惚れながら、指先でそっと右下の泣きぼくろに触れた。
「ありがとうアキ……わたしのこと、諦めないでいてくれて」
込み上げる熱い塊を喉の奥に押し戻し、言葉を続ける。
「わたしもアキのこと諦めきれなかった……どうしてももう一度ちゃんと話をしたくて……こんなところにまで押しかけるなんて非常識だって自分でも分かってたんだけど、でもどんな手段を使ってもアキと……アキともう一度会いたかったの……」
ずいぶん前から熱と水気を集めたまぶたは、もう決壊寸前。
潤んで滲んだ視界の向こう側で、アキが困ったような、それでいてひどく嬉しそうに微笑んだ。
「僕の方こそ『ありがとう』だ。ここまで来るのだって勇気がすごく要っただろう……それでも会いに来てくれて、僕のこと諦めないでいてくれて……」
目の前のアキの顔が滲んで揺れる。
あと一度でも瞬きしたら、きっと涙がこぼれてしまう。
あとひと言でも発したら、言葉はきっと嗚咽になる。
だけど、もういいよね? 我慢するのはもうおしまい。
そう思ったら自然と顔が笑顔になった。その拍子に目からボロリと大きなしずくがこぼれ落ちる。
わたしはそれを気にすることなく、水膜で滲む彼に向かって最上級の笑顔でハッキリと言った。
「だって『逃がしてあげない』って言ったもの。女に二言は…ないんだからねっ!」
それを皮切りに、次々と大粒のしずくがあふれ出した。
背中に回わされた腕に、きつく抱きしめられた。耳のすぐ横で「ありがとう」と艶やかな声がする。
「ふぇっ……良かった、……っ、アキのこと……あきら、めないでっ……」
しゃくり上げながら笑顔で言って、硬い胸に顔を埋める。思いきり鼻から息を吸い込んで、爽やかな中にセクシーさの混じる香りをめいっぱい肺に送り込んだ。
「アキの匂いだぁ……えへへっ…ふえっ……っく、へへへ……」
今のわたし……絶対変な顔になってるよね……。
泣いているのか笑っているのか、自分でもよく分からないくらいだもの。間違いなく変なヤツだし……! こんな可愛くない泣き方ってないわ。
けど構うもんか。
わたしはわたしらしく。中身も外身も取り繕ったりしないんだ。
ぐりぐりと顔を彼の胸もとに押しつけて感触と温もりを確かめ、スンスンと鼻を動かして匂いを堪能する。
やっぱり本物だ。
「うへへへ……ううっ……」
嬉しくて苦しくて堪らなくて、涙をボロボロとこぼして嗚咽しながら笑ってしまう。我ながらやっぱり変なヤツ。
すると背中を強く抱きしめる腕がゆるんだ。そっと上体が離されて、とっさにわたしは離れていく彼の胸に手を伸ばす。その手を大きな手が掴んだ。
視線を上げると、まっすぐにわたしを見つめる瞳とぶつかった。
艶やかに光る薄茶色の虹彩。
あと数センチで鼻先が触れるほどに近いところにあるそこには、微塵も揺らない強い決意が浮かんでいる。
息を呑んだわたしの目尻からこぼれ続ける涙を、彼はそっと指で拭ってから口を開いた。
「もう二度と離さない、吉野」
「っ、」
「我がままだと言われても自分勝手だと言われても、僕はもう二度とあなたを離さない、いや、離せないんだ。あなただけなんだ、僕が隣に居て欲しいと思えたひとは……。たとえ誰に何を言われようとどんなことがあろうとも、必ず僕が守るから……だからこれからずっと僕の隣に居て欲しい」
「そ、それって……」
ま、まるで、アレみたいじゃない……“プ”から始まるアレ……。
いやいや、落ち着けよ、静川。そんなわけはないでしょっ…!
アキが口にした言葉を、うっかり自分の都合の良いように解釈にしかけて、慌てて自らを戒める。
だってCMO室のエグゼクティブデスクの上で、プロポーズなんて……そんなわけない!
ほら、アキってば一応御曹司なのよ?やっぱり御曹司といえばあれでしょ。夜景とかのキラキラした場所で薔薇の花束を持ってさ……。それで跪いて小さい箱を「パカーッ」って……。
「あなたがその方が良いと言うならもちろん仕切り直しもするけど……。でも今は一秒でも早くあなたからの確約が欲しいんだ」
「ふへっ…!?」
わたし、いつの間にか声に出してた!? ――と口にする間もなくアキがたたみかける。
「僕と一生一緒に歩いてくれるって言う確約を。僕の妻になって欲しい。吉野」
「っ…!」
「僕のこと『逃がさない』んでしょ? 『女に二言はない』――だよね?」
こ、ここでそれを言うか……!
ぐぬぬぬ~、この腹黒ドラネコ御曹司めぇぇぇっ!!
「『腹黒』も『ドラネコ』も吉野に言われると嬉しいな」
ドMか!
「僕のことをそんなふうに言うのはあなただけだし、それにあなたにそう言わせるのも堪らなく楽しいよ」
違った! ドSだった!!
「別にそれはどっちでもいいけど―――、返事は?」
ふぇっ!?
「僕の妻になってくれるのくれないの? もしあなたが嫌だと言うなら別の、」
「イヤよっ!」
わたしが咄嗟に張り上げた声に、アキが目を見張る。
「別のひとがアキの隣にいるなんてイヤ! 妻でも嫁でも飼い主にでもなんにでもなってやるから、別のひとを探すなんて絶対やめて!」
「素敵な“ご褒美”、ありがとう。勝手に勘違いしてアキのことを疑って……あんなひどいこと言ってごめんなさい……。フラれても当然だって思ってたけど、それでもアキのこと諦めきれなかった……。アキのことが好き。わたしの幸せはアキと一緒に居ることよ」
このネックレスを受け取った時に言えなかったことを、やっと言葉にすることが出来た。そう思ったら、胸が晴れやかになって自然と笑顔になる。
吸い寄せられるように、すぐそこにある唇に自分のものを重ねた。判を押すように押し付けてからゆっくりと離れる。
大きく見開かれた瞳の中にある薄茶色の虹彩。わたしはそれに見惚れながら、指先でそっと右下の泣きぼくろに触れた。
「ありがとうアキ……わたしのこと、諦めないでいてくれて」
込み上げる熱い塊を喉の奥に押し戻し、言葉を続ける。
「わたしもアキのこと諦めきれなかった……どうしてももう一度ちゃんと話をしたくて……こんなところにまで押しかけるなんて非常識だって自分でも分かってたんだけど、でもどんな手段を使ってもアキと……アキともう一度会いたかったの……」
ずいぶん前から熱と水気を集めたまぶたは、もう決壊寸前。
潤んで滲んだ視界の向こう側で、アキが困ったような、それでいてひどく嬉しそうに微笑んだ。
「僕の方こそ『ありがとう』だ。ここまで来るのだって勇気がすごく要っただろう……それでも会いに来てくれて、僕のこと諦めないでいてくれて……」
目の前のアキの顔が滲んで揺れる。
あと一度でも瞬きしたら、きっと涙がこぼれてしまう。
あとひと言でも発したら、言葉はきっと嗚咽になる。
だけど、もういいよね? 我慢するのはもうおしまい。
そう思ったら自然と顔が笑顔になった。その拍子に目からボロリと大きなしずくがこぼれ落ちる。
わたしはそれを気にすることなく、水膜で滲む彼に向かって最上級の笑顔でハッキリと言った。
「だって『逃がしてあげない』って言ったもの。女に二言は…ないんだからねっ!」
それを皮切りに、次々と大粒のしずくがあふれ出した。
背中に回わされた腕に、きつく抱きしめられた。耳のすぐ横で「ありがとう」と艶やかな声がする。
「ふぇっ……良かった、……っ、アキのこと……あきら、めないでっ……」
しゃくり上げながら笑顔で言って、硬い胸に顔を埋める。思いきり鼻から息を吸い込んで、爽やかな中にセクシーさの混じる香りをめいっぱい肺に送り込んだ。
「アキの匂いだぁ……えへへっ…ふえっ……っく、へへへ……」
今のわたし……絶対変な顔になってるよね……。
泣いているのか笑っているのか、自分でもよく分からないくらいだもの。間違いなく変なヤツだし……! こんな可愛くない泣き方ってないわ。
けど構うもんか。
わたしはわたしらしく。中身も外身も取り繕ったりしないんだ。
ぐりぐりと顔を彼の胸もとに押しつけて感触と温もりを確かめ、スンスンと鼻を動かして匂いを堪能する。
やっぱり本物だ。
「うへへへ……ううっ……」
嬉しくて苦しくて堪らなくて、涙をボロボロとこぼして嗚咽しながら笑ってしまう。我ながらやっぱり変なヤツ。
すると背中を強く抱きしめる腕がゆるんだ。そっと上体が離されて、とっさにわたしは離れていく彼の胸に手を伸ばす。その手を大きな手が掴んだ。
視線を上げると、まっすぐにわたしを見つめる瞳とぶつかった。
艶やかに光る薄茶色の虹彩。
あと数センチで鼻先が触れるほどに近いところにあるそこには、微塵も揺らない強い決意が浮かんでいる。
息を呑んだわたしの目尻からこぼれ続ける涙を、彼はそっと指で拭ってから口を開いた。
「もう二度と離さない、吉野」
「っ、」
「我がままだと言われても自分勝手だと言われても、僕はもう二度とあなたを離さない、いや、離せないんだ。あなただけなんだ、僕が隣に居て欲しいと思えたひとは……。たとえ誰に何を言われようとどんなことがあろうとも、必ず僕が守るから……だからこれからずっと僕の隣に居て欲しい」
「そ、それって……」
ま、まるで、アレみたいじゃない……“プ”から始まるアレ……。
いやいや、落ち着けよ、静川。そんなわけはないでしょっ…!
アキが口にした言葉を、うっかり自分の都合の良いように解釈にしかけて、慌てて自らを戒める。
だってCMO室のエグゼクティブデスクの上で、プロポーズなんて……そんなわけない!
ほら、アキってば一応御曹司なのよ?やっぱり御曹司といえばあれでしょ。夜景とかのキラキラした場所で薔薇の花束を持ってさ……。それで跪いて小さい箱を「パカーッ」って……。
「あなたがその方が良いと言うならもちろん仕切り直しもするけど……。でも今は一秒でも早くあなたからの確約が欲しいんだ」
「ふへっ…!?」
わたし、いつの間にか声に出してた!? ――と口にする間もなくアキがたたみかける。
「僕と一生一緒に歩いてくれるって言う確約を。僕の妻になって欲しい。吉野」
「っ…!」
「僕のこと『逃がさない』んでしょ? 『女に二言はない』――だよね?」
こ、ここでそれを言うか……!
ぐぬぬぬ~、この腹黒ドラネコ御曹司めぇぇぇっ!!
「『腹黒』も『ドラネコ』も吉野に言われると嬉しいな」
ドMか!
「僕のことをそんなふうに言うのはあなただけだし、それにあなたにそう言わせるのも堪らなく楽しいよ」
違った! ドSだった!!
「別にそれはどっちでもいいけど―――、返事は?」
ふぇっ!?
「僕の妻になってくれるのくれないの? もしあなたが嫌だと言うなら別の、」
「イヤよっ!」
わたしが咄嗟に張り上げた声に、アキが目を見張る。
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