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Chapter12*Not the glass slippers but the red shoes.
Not the glass slippers but the red shoes.[2]-②
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弾かれたように顔を動かすと、そこには――。
「アキっ!」
わたしが声を上げると、晶人さんも振り返る。
「……誰? 静の知り合いか?」
「え、」
アキを見ながら怪訝そうにそう言った晶人さんに、わたしは両目を見開いた。
誰って……晶人さんが連れてきたんじゃないの?
戸惑うばかりで言葉が出ない。すぐ目の前にあるシングルスーツと、少し離れたところにあるファー付きダウンジャケットを目で往復する。
そうして何度目かの時、ゆるく波打つ前髪と黒い縁に囲まれた瞳が、鋭く細められたのが分かった。
「……ア、」
「そういうことだったんだな」
「どういう、」
「あの朝のこと……部屋に帰って誤解だって気が付いた。すぐに謝ろうと思って何度も連絡したし、ここにも来た。勝手に誤解してあなたを責めた自分が一番悪い。それは分かっている。だから誠心誠意謝ろうと思ってた。だけど……」
真っ直ぐ射るような視線から一瞬も目を逸らすことすら出来ない。
見えない針で突かれたように一ミリも動けず、呼吸すら忘れてただアキを見つめる。
すると、それまで黙っていた晶人さんが急にわたしの肩を抱き寄せた。
何を――と驚いて勢いよく隣を見上げると、晶人さんは見たことがないくらい険しい顔つきをしていて。
「何の用か分からないが、今の彼女にきみと話をする余裕はない」
いつも人当たりの良い晶人さんから初めて聞く低い声。視線はずっと威嚇するようにアキを睨んだまま。
「彼女は忙しい。きみみたいな若いヤツをかまっている場合じゃないんだ。――分かったら早く帰りなさい」
「晶、」
CMOに向かって喧嘩を売るような言い方をする晶人さんを、慌てて止めようとするけれど、「口を挟むな」とばかりに肩を引き寄せられ、スーツの胸もとに体が軽くぶつかる。
抱き寄せられてるような格好になっていることに気付き、慌ててそこから離れようとした時。
「謝罪は必要なかったってことだな」
「っ、」
「余裕のない年下なんて嫌だ、やっぱり年上の方がいい。そう思ったんなら遠慮なく言えば良かったんだ」
「なっ、」
なにそれ。いつわたしがそんなことを思ったのよ。そっちこそ、わたしよりも若くて可愛い森の方が良かったくせに。
沸々と怒りがマグマのように込み上げてくる。わたしは晶人さんの体を押し返し、アキに正面から向き合った。
「そうね……、そうかもしれないわね」
腹の底から絞りだした声に、アキの眉間が深く寄せられる。かすかに震える声に気付かれないよう、わたしはアキを真っ直ぐ睨んだ。
「そっちこそ、もう十分でしょ?」
「何が」
「当初の目的は達成出来たも同然だし? 物珍しい地味女でも、出張の暇潰しくらいにはなったでしょ」
「……なにそれ」
「きみにとってみたら、地味で干物の年上女なんてさぞチョロかったでしょうね。年下に弱みを見せられて頼りにされて……ちょっと目の前に人参をぶら下げれば簡単に思い通りに行くんだもの」
アキがグッと奥歯を噛みしめたのが分かった。
頭のどこかで、自分がずいぶんひどいことを言っていると分かっているのに、どうしても口が止まらない。
まるで足を入れたが最後、死ぬまで踊り続ける赤い靴を履いたみたい。舌は持ち主の意思に反して回り続ける。
「本当は『やっぱりやめとけば良かった』って後悔してるんでしょ」
「なっ、」
「こんな可愛げのない年上女を選ぶんじゃなかった、最初から若くて可愛い子にしとけば良かったって。こっちだって……手のかかる年下御曹司の面倒なんて、もうこりごりよっ!」
息継ぎすら忘れて、一気に吐き出した。
アキは何かを言おうとした口を閉じ、もう一度開けたけど、また閉じた。そしてこちらにもはっきりと聞こえるほど大きな溜め息をつき、前髪をくしゃりとかき上げる。
「くそっ」と吐き捨てるように呟いた彼の、黒いフレームに縁取られた垂れ目が露わになる。
ひどく傷ついたように歪められているそれに、胸がズキンと痛んだ。
辛そうなその顔を見ていられず、顔を背ける。
そんな顔を彼にさせたのが自分だと思うと、胸が苦しいくらいに締め付けられた。
さっきから熱を持ったままの喉とまぶたが限界。今これ以上何か言ったら、大声で泣き喚きそう。
泣いて縋りつくなんて、そんな見苦しいこと出来ない。したくない。
森みたいに若くて可愛い女の子にはなれなくても、わたしにだって大人の女としての矜持くらいある。
これ以上わたしを醜い女にしないで――。
顔を斜めに背けたまま唇を噛みしめていると、アキがこちらに足を踏み出した。反射的に背中がビクリと跳ねる。
アキは踏み出しかけた足を一瞬止めたけれど、そのままわたしの前に。
手を延ばせば届くほどの距離で立ち止まると、彼は手に持っていたものを私に押しつけた。
それは薄水色の上質な紙袋。
「これ……」
「今まで僕の我がままに付き合わせてごめん。これは、そのお詫びだと思ってくれたらいい。……それと……ケーキ、美味しかった」
上にかき上げられた前髪のせいで、彼の表情がよく見える。きつく寄せられた眉根も、悲しげに細められた瞳も。
「っ、……アキ、わたしっ、」
言いかけた時、隣からポツリと呟く声が聞こえた。
「CMO……?」
ハッとなって隣を振り仰いだ。晶人さんの瞳が大きく見開かれ、その顔には「信じられない」とハッキリ書いてある。
「晶、」
「当麻CMOなのか……?」
確信が込められた疑問符に、誤魔化しようがないことを知る。
完全に油断していた。私服姿のアキに気付く人はいないと思い込んでいた。
「あの、これは……」
そう口にしてみたけれど、何をどう言うべきか皆目見当もつかない。
まるで三竦みのような緊張感に、息をするのも忘れてしまう。
――とその時。
「お待たせしましたぁ…」
聞こえてきた細く間延びのした声に、わたしたち三人の金縛りが解けた。
わたしが共用廊下の向こうからやってきた人を目で捉えるのと、アキが踵を返すのは同時。
「アキっ!」
そう声に出して呼んだけれど、彼はあっという間に階段を駆け下りて行ってしまった。
「すみませぇん……ドアロックの仕方がよう分からんくてぇ。あれってリモコンキーのやつをぉ……って、何かあったんですかぁ? よう知らんお兄さんもおったようやし」
いつもの間延びのした声に、張りつめていた神経がふわっとゆるんだ。
足から力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになったわたしの腕を素早く晶人さんが掴む。
「わっ、静さぁんっ…!ごめんなさいぃっ! 希々花反省しましたぁ! 明日からお仕事ばちゃんするけん、そげん泣かんとって…!」
駆け寄ってきた森がオロオロと言う。
泣いたのは彼女のせいじゃないのに動揺させてしまって申し訳ないやら、滅多に聞くことのない彼女のお国言葉に妙にホッとするやらで、わたしはあふれ出した涙を止めることが出来なかった。
「アキっ!」
わたしが声を上げると、晶人さんも振り返る。
「……誰? 静の知り合いか?」
「え、」
アキを見ながら怪訝そうにそう言った晶人さんに、わたしは両目を見開いた。
誰って……晶人さんが連れてきたんじゃないの?
戸惑うばかりで言葉が出ない。すぐ目の前にあるシングルスーツと、少し離れたところにあるファー付きダウンジャケットを目で往復する。
そうして何度目かの時、ゆるく波打つ前髪と黒い縁に囲まれた瞳が、鋭く細められたのが分かった。
「……ア、」
「そういうことだったんだな」
「どういう、」
「あの朝のこと……部屋に帰って誤解だって気が付いた。すぐに謝ろうと思って何度も連絡したし、ここにも来た。勝手に誤解してあなたを責めた自分が一番悪い。それは分かっている。だから誠心誠意謝ろうと思ってた。だけど……」
真っ直ぐ射るような視線から一瞬も目を逸らすことすら出来ない。
見えない針で突かれたように一ミリも動けず、呼吸すら忘れてただアキを見つめる。
すると、それまで黙っていた晶人さんが急にわたしの肩を抱き寄せた。
何を――と驚いて勢いよく隣を見上げると、晶人さんは見たことがないくらい険しい顔つきをしていて。
「何の用か分からないが、今の彼女にきみと話をする余裕はない」
いつも人当たりの良い晶人さんから初めて聞く低い声。視線はずっと威嚇するようにアキを睨んだまま。
「彼女は忙しい。きみみたいな若いヤツをかまっている場合じゃないんだ。――分かったら早く帰りなさい」
「晶、」
CMOに向かって喧嘩を売るような言い方をする晶人さんを、慌てて止めようとするけれど、「口を挟むな」とばかりに肩を引き寄せられ、スーツの胸もとに体が軽くぶつかる。
抱き寄せられてるような格好になっていることに気付き、慌ててそこから離れようとした時。
「謝罪は必要なかったってことだな」
「っ、」
「余裕のない年下なんて嫌だ、やっぱり年上の方がいい。そう思ったんなら遠慮なく言えば良かったんだ」
「なっ、」
なにそれ。いつわたしがそんなことを思ったのよ。そっちこそ、わたしよりも若くて可愛い森の方が良かったくせに。
沸々と怒りがマグマのように込み上げてくる。わたしは晶人さんの体を押し返し、アキに正面から向き合った。
「そうね……、そうかもしれないわね」
腹の底から絞りだした声に、アキの眉間が深く寄せられる。かすかに震える声に気付かれないよう、わたしはアキを真っ直ぐ睨んだ。
「そっちこそ、もう十分でしょ?」
「何が」
「当初の目的は達成出来たも同然だし? 物珍しい地味女でも、出張の暇潰しくらいにはなったでしょ」
「……なにそれ」
「きみにとってみたら、地味で干物の年上女なんてさぞチョロかったでしょうね。年下に弱みを見せられて頼りにされて……ちょっと目の前に人参をぶら下げれば簡単に思い通りに行くんだもの」
アキがグッと奥歯を噛みしめたのが分かった。
頭のどこかで、自分がずいぶんひどいことを言っていると分かっているのに、どうしても口が止まらない。
まるで足を入れたが最後、死ぬまで踊り続ける赤い靴を履いたみたい。舌は持ち主の意思に反して回り続ける。
「本当は『やっぱりやめとけば良かった』って後悔してるんでしょ」
「なっ、」
「こんな可愛げのない年上女を選ぶんじゃなかった、最初から若くて可愛い子にしとけば良かったって。こっちだって……手のかかる年下御曹司の面倒なんて、もうこりごりよっ!」
息継ぎすら忘れて、一気に吐き出した。
アキは何かを言おうとした口を閉じ、もう一度開けたけど、また閉じた。そしてこちらにもはっきりと聞こえるほど大きな溜め息をつき、前髪をくしゃりとかき上げる。
「くそっ」と吐き捨てるように呟いた彼の、黒いフレームに縁取られた垂れ目が露わになる。
ひどく傷ついたように歪められているそれに、胸がズキンと痛んだ。
辛そうなその顔を見ていられず、顔を背ける。
そんな顔を彼にさせたのが自分だと思うと、胸が苦しいくらいに締め付けられた。
さっきから熱を持ったままの喉とまぶたが限界。今これ以上何か言ったら、大声で泣き喚きそう。
泣いて縋りつくなんて、そんな見苦しいこと出来ない。したくない。
森みたいに若くて可愛い女の子にはなれなくても、わたしにだって大人の女としての矜持くらいある。
これ以上わたしを醜い女にしないで――。
顔を斜めに背けたまま唇を噛みしめていると、アキがこちらに足を踏み出した。反射的に背中がビクリと跳ねる。
アキは踏み出しかけた足を一瞬止めたけれど、そのままわたしの前に。
手を延ばせば届くほどの距離で立ち止まると、彼は手に持っていたものを私に押しつけた。
それは薄水色の上質な紙袋。
「これ……」
「今まで僕の我がままに付き合わせてごめん。これは、そのお詫びだと思ってくれたらいい。……それと……ケーキ、美味しかった」
上にかき上げられた前髪のせいで、彼の表情がよく見える。きつく寄せられた眉根も、悲しげに細められた瞳も。
「っ、……アキ、わたしっ、」
言いかけた時、隣からポツリと呟く声が聞こえた。
「CMO……?」
ハッとなって隣を振り仰いだ。晶人さんの瞳が大きく見開かれ、その顔には「信じられない」とハッキリ書いてある。
「晶、」
「当麻CMOなのか……?」
確信が込められた疑問符に、誤魔化しようがないことを知る。
完全に油断していた。私服姿のアキに気付く人はいないと思い込んでいた。
「あの、これは……」
そう口にしてみたけれど、何をどう言うべきか皆目見当もつかない。
まるで三竦みのような緊張感に、息をするのも忘れてしまう。
――とその時。
「お待たせしましたぁ…」
聞こえてきた細く間延びのした声に、わたしたち三人の金縛りが解けた。
わたしが共用廊下の向こうからやってきた人を目で捉えるのと、アキが踵を返すのは同時。
「アキっ!」
そう声に出して呼んだけれど、彼はあっという間に階段を駆け下りて行ってしまった。
「すみませぇん……ドアロックの仕方がよう分からんくてぇ。あれってリモコンキーのやつをぉ……って、何かあったんですかぁ? よう知らんお兄さんもおったようやし」
いつもの間延びのした声に、張りつめていた神経がふわっとゆるんだ。
足から力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになったわたしの腕を素早く晶人さんが掴む。
「わっ、静さぁんっ…!ごめんなさいぃっ! 希々花反省しましたぁ! 明日からお仕事ばちゃんするけん、そげん泣かんとって…!」
駆け寄ってきた森がオロオロと言う。
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