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19、武闘大会予選
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月末になった。
スオロの国の武闘大会は、二日間にわたって行われることとなっていた。
初日はスオロの国の腕自慢達が戦う。
勝ち残った上位三名が翌日、王の前で試合をする事となっていた。
初日の武闘大会は王達ではなく、ホワイト辺境伯の元で行われていた。
「お父様、私、武闘大会を見るのは初めてです」
「ああ、シェリーはそうだろうな。下手に見せて騎士になると言いだしたら困ると思って連れてきたことは無かったからな」
予選試合は滞りなく行われた。大けがをする参加者もいたが、死人は出ていない。
シェリーは時々目をそらしながらも、武闘大会を熱心に見ていた。
結局勝ち残った三名は、スオロの町でも有名な騎士達だった。
一人目はスオロの町の騎士、バート・タンブリン。くせ毛を撫でつけていて、空のような青い目をしていた。剣をふる素早さと正確さは誰よりも優れていた。
二人目は炎の魔術師、ロナ・ベイン。燃えるような赤い髪とグレーの瞳が印象的な魔法使いだ。
三人目は、アルバート・レイズ。魔法騎士として腕を上げていた。
シェリーは舌打ちしたいのを押さえ形だけの拍手で三人を祝った。
「さあシェリー、明日はスオロ王もトラモンタ王もいらっしゃる。決勝戦と親善試合が行われるが、見に来るだろう?」
「ええ、もちろん!」
シェリーは勢いよく頷いた。
「あまり興奮しないように。ユリアス王子とセリシア王女もいらっしゃいますから、笑われないようお気を付けなさい」
「……はい、お母様」
シェリーは勝ち残った三人の強さに胸が高鳴った。
一瞬、アルバートがシェリーの方を見たような気がした。
シェリーがアルバートを見つめ直すと、その笑顔の先にはスノー・フレイルが笑顔で手を振っている。
「……仲のよろしいことで」
シェリーは嬉しそうなアルバートとスノーが、遠い人のように感じた。
スオロの国の武闘大会は、二日間にわたって行われることとなっていた。
初日はスオロの国の腕自慢達が戦う。
勝ち残った上位三名が翌日、王の前で試合をする事となっていた。
初日の武闘大会は王達ではなく、ホワイト辺境伯の元で行われていた。
「お父様、私、武闘大会を見るのは初めてです」
「ああ、シェリーはそうだろうな。下手に見せて騎士になると言いだしたら困ると思って連れてきたことは無かったからな」
予選試合は滞りなく行われた。大けがをする参加者もいたが、死人は出ていない。
シェリーは時々目をそらしながらも、武闘大会を熱心に見ていた。
結局勝ち残った三名は、スオロの町でも有名な騎士達だった。
一人目はスオロの町の騎士、バート・タンブリン。くせ毛を撫でつけていて、空のような青い目をしていた。剣をふる素早さと正確さは誰よりも優れていた。
二人目は炎の魔術師、ロナ・ベイン。燃えるような赤い髪とグレーの瞳が印象的な魔法使いだ。
三人目は、アルバート・レイズ。魔法騎士として腕を上げていた。
シェリーは舌打ちしたいのを押さえ形だけの拍手で三人を祝った。
「さあシェリー、明日はスオロ王もトラモンタ王もいらっしゃる。決勝戦と親善試合が行われるが、見に来るだろう?」
「ええ、もちろん!」
シェリーは勢いよく頷いた。
「あまり興奮しないように。ユリアス王子とセリシア王女もいらっしゃいますから、笑われないようお気を付けなさい」
「……はい、お母様」
シェリーは勝ち残った三人の強さに胸が高鳴った。
一瞬、アルバートがシェリーの方を見たような気がした。
シェリーがアルバートを見つめ直すと、その笑顔の先にはスノー・フレイルが笑顔で手を振っている。
「……仲のよろしいことで」
シェリーは嬉しそうなアルバートとスノーが、遠い人のように感じた。
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