109 / 207
王都
109.
しおりを挟む
旅から帰って1週間何にもせずにダラダラした。
アイザックはとりあえずワグリアナの屋敷に数日前から行っている。
今日辺り帰ってくるはずだ。
おじいちゃんも王都に来てるらしく外の警備の人が教えてくれた。
たまには遊びにきなさいとの事でアイザックが戻ったらついてきてもらう予定だ。
夕方、アイザックが帰ってきたのでおじいちゃんの事を伝えると明日にでも顔を出そうかと言う事になり表の警備の人に伝言をお願いした。
「ククル、森にはいつ向かう?」
「明日はおじいちゃんのとこだし明後日かな?」
翌日、お昼前にルーズベルト邸を訪れた。
「おおっ、ククル!よく来たな」
「こんにちわ」
「公爵様、ご無沙汰しております」
「アイザック殿もよく来てくださった。いつもありがとう」
応接室でお茶をしながら最近の出来事を話した。
「暫くは旅の予定も無いし色々スキルの研究する予定だよ」
「そうかそうか。ところでククル、来年7歳だな。この国では学校に通える歳だ。初等科は平民から貴族まで通っているからククルも入学するんだぞ」
この国では初等部、中等部、高等部とあり初等部は7~10歳までに入学が出来て三年で終了する。
中等部も3年、高等部が2年となり8年通う事になる。高等部は専門科への進路変更も可能でキアン叔父様率いる学校が該当する。
「そうだな。初等部は流石に行かないとな。早い子なら飛級で一年で終了出来るから。来年にでも入学するかい?」
「入学はしても良いけど平民で行くからね。」
アイザックの説明によると学校では身分については平等に扱われ成績によって優遇されるとか。ただ、建前上なだけでやはり貴族と平民で壁があるみたいだ。
正直それが一番面倒に感じる。
「ククルよ、入学の準備は祖父に任せてくれないか。」
「えーやだ、おじいちゃんにお願いしたら絶対貴族風になっちゃうもん」
祖父との攻防の末、なんとか諦めてもらった。
この先も貴族として生きていく気がないのだから仕方がない。
アイザックは黙って気配を消している。
巻き込まれたくないのだろう。
入学は来年の2月だ。
7歳になる年から通うことができる。
一月中にクラス分けの学力テストがあるらしく申し込みが必要とか。
アイザックが準備を手伝ってくれるのでお願いする事にした。
その後は昼食をご馳走になり旅の報告をした。
夕方、自宅に戻り庭でゴーレムズ達と薬草畑を見てまわる。
「種類が大分増えたね。今回のお土産はどうしたの?」
#あそこに植えたよ#
畑の一画にそれらしき場所が見える。
「育つのが楽しみだね」
明日は森に行って泉を探す予定だけどボチボチ、ドルフさんにも連絡しないと。
一応、帰ってきたら研究室に行く約束をしてるし放置もダメかなと思う。
こないだ渡された古代薬の資料も目は通したけどどれから手を付けようかまだ決めてない。
幾つが素材の揃ってる物があるので試してみても良いけど先にドルフさんに相談してみても良いかも。
ウダウダ考えてたらお腹が空いてきたのでリビングに向かった。
「ハナのご飯は美味しいな」
ご機嫌に夕食を食べていると外から誰か訪ねてきたのか人の気配がした。
「アイザック様、私がみて参ります」
ハナが席を立ち、玄関に向かった。
話声が聞こえて来る。どうやら来客で間違いない様だ。
「アイザック様、ククル様、マーサス様が今からお越しになりたいそうですが如何いたしましょうか」
どうやらマーサスからの使徒だった様でアイザックの様子を伺う。
「ククル、構わないかい?」
パンを頬張ったままなのでコクリと頷くとハナが了承を伝えに行った。
「1時間程で来られるそうです」
とりあえず夕食を終わらせて迎える準備をする。
と言っても特にする事は無いので応接室で食後のお茶をしながら待っていた。
「急にすまないな」
「こんばんは、急にごめんなさいね」
マリアント様も一緒に来られたのでちょっとビックリしたがとりあえず座ってもらう。
「何かあったのか」
「いや、危ない事では無いんだが…」
「どしたの?」
「ククル、ちょっと聞きたいことがあるんだけれど」
どうやら私に用事だったらしく、マリアント様の話を聞く事にした。
「あー、そのことか」
どうやら今日、こないだ献上した古代薬の報酬を受け取りにいったらしくその時にククルの分は直接渡すと言われたそうだ。
不思議に思い訪ねたら今後も研究に参加する事になった話を聞かされたそうで気になって本人を訪ねてきたとか。
「まだ、子供なのにそんな事に巻き込まれて心配になったのよ」
「マリアント様、ご心配ありがとうございます。実はその事についてはしっかり契約で縛らせて貰ってます」
仕方が無いのでダック様との約束を説明する。
「なので一応は安全確保に努めました」
「そうだったのね。それなら多分大丈夫かしら」
ホッとした様で少し強張っていた表情もいつものマリアント様にもどった。
「何か困る事があったらいつでも相談にいらっしゃいね」
安心したのかその後はたわいも無い話をし、早々に帰宅されたのだった。
アイザックはとりあえずワグリアナの屋敷に数日前から行っている。
今日辺り帰ってくるはずだ。
おじいちゃんも王都に来てるらしく外の警備の人が教えてくれた。
たまには遊びにきなさいとの事でアイザックが戻ったらついてきてもらう予定だ。
夕方、アイザックが帰ってきたのでおじいちゃんの事を伝えると明日にでも顔を出そうかと言う事になり表の警備の人に伝言をお願いした。
「ククル、森にはいつ向かう?」
「明日はおじいちゃんのとこだし明後日かな?」
翌日、お昼前にルーズベルト邸を訪れた。
「おおっ、ククル!よく来たな」
「こんにちわ」
「公爵様、ご無沙汰しております」
「アイザック殿もよく来てくださった。いつもありがとう」
応接室でお茶をしながら最近の出来事を話した。
「暫くは旅の予定も無いし色々スキルの研究する予定だよ」
「そうかそうか。ところでククル、来年7歳だな。この国では学校に通える歳だ。初等科は平民から貴族まで通っているからククルも入学するんだぞ」
この国では初等部、中等部、高等部とあり初等部は7~10歳までに入学が出来て三年で終了する。
中等部も3年、高等部が2年となり8年通う事になる。高等部は専門科への進路変更も可能でキアン叔父様率いる学校が該当する。
「そうだな。初等部は流石に行かないとな。早い子なら飛級で一年で終了出来るから。来年にでも入学するかい?」
「入学はしても良いけど平民で行くからね。」
アイザックの説明によると学校では身分については平等に扱われ成績によって優遇されるとか。ただ、建前上なだけでやはり貴族と平民で壁があるみたいだ。
正直それが一番面倒に感じる。
「ククルよ、入学の準備は祖父に任せてくれないか。」
「えーやだ、おじいちゃんにお願いしたら絶対貴族風になっちゃうもん」
祖父との攻防の末、なんとか諦めてもらった。
この先も貴族として生きていく気がないのだから仕方がない。
アイザックは黙って気配を消している。
巻き込まれたくないのだろう。
入学は来年の2月だ。
7歳になる年から通うことができる。
一月中にクラス分けの学力テストがあるらしく申し込みが必要とか。
アイザックが準備を手伝ってくれるのでお願いする事にした。
その後は昼食をご馳走になり旅の報告をした。
夕方、自宅に戻り庭でゴーレムズ達と薬草畑を見てまわる。
「種類が大分増えたね。今回のお土産はどうしたの?」
#あそこに植えたよ#
畑の一画にそれらしき場所が見える。
「育つのが楽しみだね」
明日は森に行って泉を探す予定だけどボチボチ、ドルフさんにも連絡しないと。
一応、帰ってきたら研究室に行く約束をしてるし放置もダメかなと思う。
こないだ渡された古代薬の資料も目は通したけどどれから手を付けようかまだ決めてない。
幾つが素材の揃ってる物があるので試してみても良いけど先にドルフさんに相談してみても良いかも。
ウダウダ考えてたらお腹が空いてきたのでリビングに向かった。
「ハナのご飯は美味しいな」
ご機嫌に夕食を食べていると外から誰か訪ねてきたのか人の気配がした。
「アイザック様、私がみて参ります」
ハナが席を立ち、玄関に向かった。
話声が聞こえて来る。どうやら来客で間違いない様だ。
「アイザック様、ククル様、マーサス様が今からお越しになりたいそうですが如何いたしましょうか」
どうやらマーサスからの使徒だった様でアイザックの様子を伺う。
「ククル、構わないかい?」
パンを頬張ったままなのでコクリと頷くとハナが了承を伝えに行った。
「1時間程で来られるそうです」
とりあえず夕食を終わらせて迎える準備をする。
と言っても特にする事は無いので応接室で食後のお茶をしながら待っていた。
「急にすまないな」
「こんばんは、急にごめんなさいね」
マリアント様も一緒に来られたのでちょっとビックリしたがとりあえず座ってもらう。
「何かあったのか」
「いや、危ない事では無いんだが…」
「どしたの?」
「ククル、ちょっと聞きたいことがあるんだけれど」
どうやら私に用事だったらしく、マリアント様の話を聞く事にした。
「あー、そのことか」
どうやら今日、こないだ献上した古代薬の報酬を受け取りにいったらしくその時にククルの分は直接渡すと言われたそうだ。
不思議に思い訪ねたら今後も研究に参加する事になった話を聞かされたそうで気になって本人を訪ねてきたとか。
「まだ、子供なのにそんな事に巻き込まれて心配になったのよ」
「マリアント様、ご心配ありがとうございます。実はその事についてはしっかり契約で縛らせて貰ってます」
仕方が無いのでダック様との約束を説明する。
「なので一応は安全確保に努めました」
「そうだったのね。それなら多分大丈夫かしら」
ホッとした様で少し強張っていた表情もいつものマリアント様にもどった。
「何か困る事があったらいつでも相談にいらっしゃいね」
安心したのかその後はたわいも無い話をし、早々に帰宅されたのだった。
401
あなたにおすすめの小説
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる