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王都
109.
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旅から帰って1週間何にもせずにダラダラした。
アイザックはとりあえずワグリアナの屋敷に数日前から行っている。
今日辺り帰ってくるはずだ。
おじいちゃんも王都に来てるらしく外の警備の人が教えてくれた。
たまには遊びにきなさいとの事でアイザックが戻ったらついてきてもらう予定だ。
夕方、アイザックが帰ってきたのでおじいちゃんの事を伝えると明日にでも顔を出そうかと言う事になり表の警備の人に伝言をお願いした。
「ククル、森にはいつ向かう?」
「明日はおじいちゃんのとこだし明後日かな?」
翌日、お昼前にルーズベルト邸を訪れた。
「おおっ、ククル!よく来たな」
「こんにちわ」
「公爵様、ご無沙汰しております」
「アイザック殿もよく来てくださった。いつもありがとう」
応接室でお茶をしながら最近の出来事を話した。
「暫くは旅の予定も無いし色々スキルの研究する予定だよ」
「そうかそうか。ところでククル、来年7歳だな。この国では学校に通える歳だ。初等科は平民から貴族まで通っているからククルも入学するんだぞ」
この国では初等部、中等部、高等部とあり初等部は7~10歳までに入学が出来て三年で終了する。
中等部も3年、高等部が2年となり8年通う事になる。高等部は専門科への進路変更も可能でキアン叔父様率いる学校が該当する。
「そうだな。初等部は流石に行かないとな。早い子なら飛級で一年で終了出来るから。来年にでも入学するかい?」
「入学はしても良いけど平民で行くからね。」
アイザックの説明によると学校では身分については平等に扱われ成績によって優遇されるとか。ただ、建前上なだけでやはり貴族と平民で壁があるみたいだ。
正直それが一番面倒に感じる。
「ククルよ、入学の準備は祖父に任せてくれないか。」
「えーやだ、おじいちゃんにお願いしたら絶対貴族風になっちゃうもん」
祖父との攻防の末、なんとか諦めてもらった。
この先も貴族として生きていく気がないのだから仕方がない。
アイザックは黙って気配を消している。
巻き込まれたくないのだろう。
入学は来年の2月だ。
7歳になる年から通うことができる。
一月中にクラス分けの学力テストがあるらしく申し込みが必要とか。
アイザックが準備を手伝ってくれるのでお願いする事にした。
その後は昼食をご馳走になり旅の報告をした。
夕方、自宅に戻り庭でゴーレムズ達と薬草畑を見てまわる。
「種類が大分増えたね。今回のお土産はどうしたの?」
#あそこに植えたよ#
畑の一画にそれらしき場所が見える。
「育つのが楽しみだね」
明日は森に行って泉を探す予定だけどボチボチ、ドルフさんにも連絡しないと。
一応、帰ってきたら研究室に行く約束をしてるし放置もダメかなと思う。
こないだ渡された古代薬の資料も目は通したけどどれから手を付けようかまだ決めてない。
幾つが素材の揃ってる物があるので試してみても良いけど先にドルフさんに相談してみても良いかも。
ウダウダ考えてたらお腹が空いてきたのでリビングに向かった。
「ハナのご飯は美味しいな」
ご機嫌に夕食を食べていると外から誰か訪ねてきたのか人の気配がした。
「アイザック様、私がみて参ります」
ハナが席を立ち、玄関に向かった。
話声が聞こえて来る。どうやら来客で間違いない様だ。
「アイザック様、ククル様、マーサス様が今からお越しになりたいそうですが如何いたしましょうか」
どうやらマーサスからの使徒だった様でアイザックの様子を伺う。
「ククル、構わないかい?」
パンを頬張ったままなのでコクリと頷くとハナが了承を伝えに行った。
「1時間程で来られるそうです」
とりあえず夕食を終わらせて迎える準備をする。
と言っても特にする事は無いので応接室で食後のお茶をしながら待っていた。
「急にすまないな」
「こんばんは、急にごめんなさいね」
マリアント様も一緒に来られたのでちょっとビックリしたがとりあえず座ってもらう。
「何かあったのか」
「いや、危ない事では無いんだが…」
「どしたの?」
「ククル、ちょっと聞きたいことがあるんだけれど」
どうやら私に用事だったらしく、マリアント様の話を聞く事にした。
「あー、そのことか」
どうやら今日、こないだ献上した古代薬の報酬を受け取りにいったらしくその時にククルの分は直接渡すと言われたそうだ。
不思議に思い訪ねたら今後も研究に参加する事になった話を聞かされたそうで気になって本人を訪ねてきたとか。
「まだ、子供なのにそんな事に巻き込まれて心配になったのよ」
「マリアント様、ご心配ありがとうございます。実はその事についてはしっかり契約で縛らせて貰ってます」
仕方が無いのでダック様との約束を説明する。
「なので一応は安全確保に努めました」
「そうだったのね。それなら多分大丈夫かしら」
ホッとした様で少し強張っていた表情もいつものマリアント様にもどった。
「何か困る事があったらいつでも相談にいらっしゃいね」
安心したのかその後はたわいも無い話をし、早々に帰宅されたのだった。
アイザックはとりあえずワグリアナの屋敷に数日前から行っている。
今日辺り帰ってくるはずだ。
おじいちゃんも王都に来てるらしく外の警備の人が教えてくれた。
たまには遊びにきなさいとの事でアイザックが戻ったらついてきてもらう予定だ。
夕方、アイザックが帰ってきたのでおじいちゃんの事を伝えると明日にでも顔を出そうかと言う事になり表の警備の人に伝言をお願いした。
「ククル、森にはいつ向かう?」
「明日はおじいちゃんのとこだし明後日かな?」
翌日、お昼前にルーズベルト邸を訪れた。
「おおっ、ククル!よく来たな」
「こんにちわ」
「公爵様、ご無沙汰しております」
「アイザック殿もよく来てくださった。いつもありがとう」
応接室でお茶をしながら最近の出来事を話した。
「暫くは旅の予定も無いし色々スキルの研究する予定だよ」
「そうかそうか。ところでククル、来年7歳だな。この国では学校に通える歳だ。初等科は平民から貴族まで通っているからククルも入学するんだぞ」
この国では初等部、中等部、高等部とあり初等部は7~10歳までに入学が出来て三年で終了する。
中等部も3年、高等部が2年となり8年通う事になる。高等部は専門科への進路変更も可能でキアン叔父様率いる学校が該当する。
「そうだな。初等部は流石に行かないとな。早い子なら飛級で一年で終了出来るから。来年にでも入学するかい?」
「入学はしても良いけど平民で行くからね。」
アイザックの説明によると学校では身分については平等に扱われ成績によって優遇されるとか。ただ、建前上なだけでやはり貴族と平民で壁があるみたいだ。
正直それが一番面倒に感じる。
「ククルよ、入学の準備は祖父に任せてくれないか。」
「えーやだ、おじいちゃんにお願いしたら絶対貴族風になっちゃうもん」
祖父との攻防の末、なんとか諦めてもらった。
この先も貴族として生きていく気がないのだから仕方がない。
アイザックは黙って気配を消している。
巻き込まれたくないのだろう。
入学は来年の2月だ。
7歳になる年から通うことができる。
一月中にクラス分けの学力テストがあるらしく申し込みが必要とか。
アイザックが準備を手伝ってくれるのでお願いする事にした。
その後は昼食をご馳走になり旅の報告をした。
夕方、自宅に戻り庭でゴーレムズ達と薬草畑を見てまわる。
「種類が大分増えたね。今回のお土産はどうしたの?」
#あそこに植えたよ#
畑の一画にそれらしき場所が見える。
「育つのが楽しみだね」
明日は森に行って泉を探す予定だけどボチボチ、ドルフさんにも連絡しないと。
一応、帰ってきたら研究室に行く約束をしてるし放置もダメかなと思う。
こないだ渡された古代薬の資料も目は通したけどどれから手を付けようかまだ決めてない。
幾つが素材の揃ってる物があるので試してみても良いけど先にドルフさんに相談してみても良いかも。
ウダウダ考えてたらお腹が空いてきたのでリビングに向かった。
「ハナのご飯は美味しいな」
ご機嫌に夕食を食べていると外から誰か訪ねてきたのか人の気配がした。
「アイザック様、私がみて参ります」
ハナが席を立ち、玄関に向かった。
話声が聞こえて来る。どうやら来客で間違いない様だ。
「アイザック様、ククル様、マーサス様が今からお越しになりたいそうですが如何いたしましょうか」
どうやらマーサスからの使徒だった様でアイザックの様子を伺う。
「ククル、構わないかい?」
パンを頬張ったままなのでコクリと頷くとハナが了承を伝えに行った。
「1時間程で来られるそうです」
とりあえず夕食を終わらせて迎える準備をする。
と言っても特にする事は無いので応接室で食後のお茶をしながら待っていた。
「急にすまないな」
「こんばんは、急にごめんなさいね」
マリアント様も一緒に来られたのでちょっとビックリしたがとりあえず座ってもらう。
「何かあったのか」
「いや、危ない事では無いんだが…」
「どしたの?」
「ククル、ちょっと聞きたいことがあるんだけれど」
どうやら私に用事だったらしく、マリアント様の話を聞く事にした。
「あー、そのことか」
どうやら今日、こないだ献上した古代薬の報酬を受け取りにいったらしくその時にククルの分は直接渡すと言われたそうだ。
不思議に思い訪ねたら今後も研究に参加する事になった話を聞かされたそうで気になって本人を訪ねてきたとか。
「まだ、子供なのにそんな事に巻き込まれて心配になったのよ」
「マリアント様、ご心配ありがとうございます。実はその事についてはしっかり契約で縛らせて貰ってます」
仕方が無いのでダック様との約束を説明する。
「なので一応は安全確保に努めました」
「そうだったのね。それなら多分大丈夫かしら」
ホッとした様で少し強張っていた表情もいつものマリアント様にもどった。
「何か困る事があったらいつでも相談にいらっしゃいね」
安心したのかその後はたわいも無い話をし、早々に帰宅されたのだった。
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