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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百七話 再会

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~風呂から出て1時間後~

「…ふぅ」

「相変わらず、エイトは外に出るのが好きね」

エイトはすっかり日も暮れ、夜空が広がる街中で、風呂からの余韻よいんを味わっている。

ミュウはその隣で同じ様に涼んでいる。

「睡眠障害のせいでもあるがな」

「ああ、確か気を紛らわす為に…だっけ?」
(第187話)


平民と貴族の壁
厄災
前世では海斗に殺され
今世では幼馴染みと義理の姉妹が裏切り
勇者カイトとしてミュウ達を奪おうとして

少しずつ積み重なって出来たストレスがエイトの不眠症を引き起こし、今ではアリアン…アリアの睡眠魔法スリープがなければまともに寝れない程その体は疲弊しきっている。

「とは言え、少しは寝れる様になったけどな?」

「良かった…」

本当はアリアの睡眠魔法スリープのおかげだが、本当にエイト自身の力で寝れる様になっている為、これは良い進歩だ。

「少しずつでもいいから一緒に治していこうね?エイト?」

「ああ…お前も人前で話せるようにならないとな?ミュウ?」

そう言ってお互いの顔を見て笑い合う、欠点のない人間なんていないのだ、エイトだってミュウだって中身は人間、長所もあれば短所もある。

それを仲間と一緒に補って強くなっていくんだ。

「さてと、そろそろ部屋に戻るか」

「そうね、シルフィ達を待たしてたら可哀想だもんね」

この後は久しぶりの外食だ、宿屋の食事、と言う意味だが、旅の中の質素倹約よりは少し豪華にしているので、結構楽しみだ。

「んじゃあ行こうか」

「うん」

そう言って2人は手を繋いで宿屋へ戻る、自分達の部屋に入ると、シルフィが「ホットミルク」を作ってくれていた。

「あら、もう戻ってきたんですか?」

「ああ、シルフィ達を待たしてはいけないと思ってな」

「ダメだった?」

シルフィは首を振って「いいえ」と答える、そのあと「しかし」と言って、

「私も久しぶりにエイトさんと夜空を眺めたかったです」

「そう言えばいつも"ホットミルク"を用意してくれてたもんな」

そう言ってエイトはシルフィが用意してくれた「ホットミルク」を飲む

「あったかいわね…なんだか懐かしい」

「まだほんの数ヶ月しか経ってませんけどね?」

それでも懐かしいと感じるほど、この旅は過酷なものなんだと改めて理解する。

「兄様、あたしも飲みたいです」

「ワシもじゃ」

「わかった、シルフィ」

「かしこまりました」

エイトは飲み掛けをアリアに渡すとシルフィにもう3杯頼む
自分とアリアとエルの分だ。

「全く、エイトに頼むんじゃなくて、シルフィに頼みなさいよ…」

「兄様の"ホットミルク"も飲みたかったんです」

「もちろん健全な方じゃぞ?」

ミュウの質問に2人はそう答える、もちろんミュウも含めてエイトの「ホットミルク(意味深)」も飲みたいが、今日は流石にそんな気分ではない。

「わかってるわよ…ほら飲んだらさっさと夕食を食べに行きましょ?お腹すいたわ」

ミュウのその意見にはエイト達も同感だ、下の階から匂いがシルフィ達の胃袋を刺激する。

「だな、俺もお腹すいたわ、シルフィ、"ホットミルク"ありがとうな、美味しかったよ」

「ありがとうございます、シルフィ姉様」

「ありがとうなのじゃ」

「ありがとうシルフィ」

4人はそう言ってシルフィにお礼を言ってから下の階に降りる、シルフィはその後ろから

「フフッどういたしまして♪」

と、頬を少し赤らめながら喜び、エイト達についていく。

下の階に降りると既に客が多く座っており、酒場の様な賑わいが広がっていた。

「さっきまでは人がいなかったのに」

「もうこんなにいるなんて…ん?」

人の賑わいに驚いているとミュウが不意に何かに気づく

「どうかしましたか、ミュウ様?」

「うん…あそこ」

そう言って指を刺すところに、

「ん?」

「…あ…ミュ…ウ…だ」

「あら?」

「お?」

ルクス、アカギ、アマギ、リムルの4人がそこにいた。

——————————————————————
純愛の魔法使いルクス

純愛の魔法使いアカギ

魔法使いアマギ


勇者リムルはもう少しお待ちを…
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