171 / 232
12歳《中等部》
67
しおりを挟むまずは最上級魔法から。
上級魔法をこの訓練場いっぱいに発現できるなら合格かな。神級魔法と呼べるものを使える人は少ない。実践なら魔力は使うわ、詠唱ありきだわで不便だし。
ただ貴族としての見栄だけで練習する人は結構いるせいで使えるって言い張ってる人は多い。ド下手くそで初級魔法より弱い威力でも放てたらそれは使えることになるしね。
ただ本当の意味で使えるなら強い。そうなると才能も魔力も必要になるからね。
この子はどうかな。
▽
▽
▽
《プロテクション》
さっきも張り直したけど追加で周りに防御魔法を展開する。今度は魔法名まで唱えて衝撃に備えた。
はぁ。すごいな。
火魔法だしテオ様もこれくらいできるようになるかもしれない。というか、そういう対抗意識を持ってくれたら応援しちゃう。テオ様が使うの影魔法ばっかだもん。
「すごいね。だけど火魔法か。ネヴィルは水だからね…どうしようか。」
「魔法の呼び出し方は似てるので問題ないのでは?」
「ほんの少しの相違がいつか大きな壁になる。そういう基本から教えてあげたいんだよね。」
僕も風魔法だけはその感覚があまり掴めてなくてあやふやだもん。ネヴィルが持ってるのは水魔法だけ。だからそこだけはちゃんと教えてあげたい。
「ネヴィルは初級魔法なら少しだけ使えますよ。」
「…そうなの?」
こくりと小さく頷いたネヴィル。先に言ってくれないかなぁ?
「それなら大丈夫かな。」
次の得意魔法も問題無し。
というか得意魔法で初級魔法を出したところも、詠唱付きで唱えたところも気に入った。
初級魔法の使い勝手の良さも、極めたときに威力が高くなることも知ってるってことだ。
本当に実戦向きだな。気に入った。合格。
「テオ、僕は合格だと思ったけどどう?」
「兄上が良いと思うならいいと思います。」
そう。なら合格だね。
ほんとうに無理だと思えばテオ様から言ってくれるはずだし。
刻魔法で訓練場を元に戻して結界魔法を張り直す。
「じゃあ次は剣術かな。どうぞ。」
テオは体を温めなくていいのかな。
「テオ、僕が手合わせしようか?」
「…っ!はい!」
なんか喜んでるけど…早めに言ってくれたらしたのに。待たせることになるかもな。
「待たせることになるから五分だけね。」
「はい兄上。」
あいも変わらない威力の斬撃。むしろ威力上がってない?あの大会から2週間ちょっとなんだけど?
テオ様のポテンシャルどうなってんの。
それとも先生がいいのかな。命がかかれば人間強くなるとはよく言うけど…。僕もあの大会で死んだのに全然強くなってない。強くなったのはテオ様だけだ。
剣の打ち合いも5分経ったね。テオ様が集中して気づいてないみたいだから足引っ掛けて転ばした。
尻もちをついたテオ様が不思議そうに見上げてくる。どうやって転がされたかも分かってないな、コレは…。集中しすぎだよ。実践なら足も頭も体や魔法。なんでもありなんだからね。
「5分経過。剣術のテスト始めるよ。」
テオ様と相手の剣士。相性がすこぶる悪い。これなら手合わせの意味がなくなる。
テオ様は対人向けの剣術。相手の剣士は対魔獣型の剣術。どう見てもテオ様に軍配が上がるし比べられない。
ネヴィルに教える基本派対人になる。貴族が騎士が基本的に相手するのは人だからこればかりは仕方ない。
「なぁ、これ不合格?」
ネヴィルがクイクイと僕のジャケットを引っ張る。邪魔だからやめて欲しい。
「基本が違うからね…。なんとも言えない。」
むしろ今回の魔獣退治で付いてきて欲しいの向こうなんだけど。テオ様じゃ魔獣慣れしてないよね。ここに来て弱点見つけるとか…いや。今見つけられて良かったと思うべきか。
「判断の基準にならないな。」
スチャッとかっこよく相手の首元に剣を突きつけるテオ様。
うーん。どうしよう。
「テオ!どう?」
めっちゃ難しい顔向けてきた。
いつもなら手を差し出すのに剣を戻して振り返りもせずに僕らの方に歩いてくる。
「そもそもの型が違います。貴族として習うなら不合格だと判断しました。…ただ騎士でも魔獣を相手取ることはあります。その時なら使える剣術ではあります。」
「僕も同じ判断だよ。」
必死に振った剣があれなら対人は苦手なんだろう。困ったなぁ。
「ねぇ、盗賊狩りとかはしないの?魔獣に使う剣術教えられても困るんだけど。」
「盗賊狩りは報酬も悪いのであまりしませんね。大商団ともなればお抱えの冒険者や騎士もいますし…。」
それもそうか。
そもそも盗賊がいる道は避けるもんね。どっちにしろ対魔獣になるのか。
でもネヴィルの孤児院の兄達だ。できれば付けてあげたい。
「うーん。どうしようかなぁ。」
「やらせてみてはどうですか?対人なんかは普通に手合わせしていれば身につくと思います。それよりも実戦向きの方が何かあった時に身を守れますから。」
「そう?テオが言うなら試してみようか…。じゃあ君たち合格ね。お金の話と…ラージャ!!出てきなさい!」
あとネヴィルが死んだらゲームが始まっちゃうから見張りと護衛を兼ねてラージャを付けたい。
そのために今のうちに紹介しとこ。
「ラージャ、ネヴィルに体術教えてあげて。」
「かしこまりました。クラウス様。」
「いい子。あとは前伝えたとおりね。」
命に変えてもネヴィルを守ってねってやつ。
それとネヴィルを逃がすなって新しい任務も追加した。
570
あなたにおすすめの小説
有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」もあります。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる