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8歳

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「私の趣味になにか問題でも?私のダンスが素晴らしいからと嫉妬しないで欲しいわ。見苦しい。」


さっすがだな。

目が潤んだから泣くかなって思ったけどふんっと周りの貴族を一笑した。

気が強すぎる。

いいね。
これなら母様の未来の続きを描けるかもね。

「趣味は人それぞれですから。皇后陛下の趣味は温室での花の鑑賞でしたよね?」

いいよ。少しくらいは守ってあげよう。
今回は皇后陛下はなにもいってないから言い訳もつくしね。

「えぇ。陛下が私に作ってくれたバラの交配種があるの。」

「素敵ですわ。皇后陛下。」
「私もそんな愛を感じてみたいわ。」

バラ園?あぁ。なんか改築してたな。ルディが文句言ってたの覚えてる。

「公爵様からはなにか愛をいただいたのかしら。」

マウント取る気か。僕が義母を逃がそうとしたのに気づいたかな。

義母をちらっと見たら真顔。相手はこの国で2番目に偉い人だよ。粗相は本当にやめて欲しい。

お金ないからシルヴェスター公爵家から義母になにかしてあげたことないし。欲しいものは買い与えてるけど温室以上のものなんてあげてないしな。ヒスらないで。お願いだからヒスらないで。

義母は綺麗に微笑んだ。作り笑いって分からないくらいの微笑み。内心ブチ切れてんだろうな。

「今、私へ与える愛を探して旅をされておりますわ。並の愛では私は満たせませんから。」


真っ赤な髪をばっさと後ろに払う。
横でそれ見てたルディが呟いたから答えてあげる。

「すっげ。自分何様だよ。」
「シルヴェスター公爵の奥様だよ。」

あそこまで堂々とされたら言い返せないよね。というか言い返す気が失せる。お土産なかったらどうするつもりだろ。

「公爵ってお前が追い出したんじゃねぇの?」

ルディが地味に防音魔法かけて話しかけてきたから僕もいつも通りに答える。

「違うよ。ずっと何してるのか知らないもん。お金もそんなに回してないからすぐ帰ってくると思ってたんだけど向こうで儲けてるらしいよ。」
「やるな。公爵。」
「僕の父様だもん。」

それだけ伝えて僕らもスっと離れる。テオ様が訝しげに見てきたけど何その顔。可愛い♡

「クラウスは?なにかいただいた?」

「父様からではありませんが僕はこの紐を。2人の地元のジンクスで切れたら願いが叶うというものらしいですよ。」

周りの貴族の視線が僕にむく。大方恋人か婚約者でもできたかと探りたいんだろう。

「なにを願ったのかしら。」

「大会での優勝です。」

「…切れてないようだな。ではこの優勝は公子の実力か。」


はぁ?切れましたけど?僕もブチ切れて魔法が意識を離れて危なかった。
お前大会見てたじゃん。第2皇子はこれだから。ルディは気づいてたよ。

「いいえ。実は決勝戦で切れてるんです。第1皇子殿下の魔法で戻りましたが、案外叶うものかもしれませんよ。」

「ふーん。触らせろよ。」

許可出す前に手を伸ばしてくるのやめて欲しい。
まぁルディだし別にいいけど他人なら払い除けてるよ。

「構いませんよ。」

笑顔で左腕を差し出す。テオ様は眉を顰めてる。可愛い。ボロいもんね。貴族に見せられるものじゃないもん。質はいいしテオ様がくれたから僕は別にいいけど。

少しだけ触れたルディは虫でも触ったかのように手を離した。


「うっわ。なにこれ。見た目の割に上等じゃん。」

「ですよね。今度量産しようと思ってるんです。」

「へぇ…。俺に1番に回せよ。」

「最初は試作品でいいですか?もちろん、製品化したらそれも送りますが。」

「使って感想言えって言うんだろ?いいぜ。こんなの売られたらいつ手に入るかわかんねぇし。恩は売っとくに限るからな。」

本当にルディは僕が考える通りに動いてくれる。僕の幼なじみっていうのもあるけど単調な頭をしてくれてるおかげだよね。
感謝感謝。

視線を感じて振り向いたら第2皇子。
この子、頭いいよね。

面倒だな。多分僕の考えにも気づいて僕を政界に入れたくないんだ。
僕も政界にはあまり興味無いから仲良くしたいんだけど。無理そうだなぁ。






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