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第三章 《第一部》ヒーラー 愛の逃避行篇
第40話 「ミスタリス王国陥落」【レイラ視点】
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アスフィが居なくなった。
レイラに黙って居なくなった、許せない。
でも、レイラも悪かったんだ。
怒りすぎた……でもアスフィもアスフィだ。
自分を殺そうとした女にデレデレして……。
私にあんな事までしたのに、すぐ他の女に目移りする。
でもアスフィは出会った時からからそうだ。
そういう男の子だった。レイラが悪い。
今度あったら謝ろう……。
……
…………
………………
アスフィが帰ってこない。
なんで?なんでアスフィ帰ってこないの?
レイラのことそんなに嫌いなのかな?
アスフィがあんなに大事にしていた母親の杖まで置いて。
アスフィはどうやらあのルクスとかいう女と出ていったようだ。
もうアスフィなんか知らない……!!
早く帰ってきてよ……アスフィ。
城の中がやけに騒がしい。
どうしたんだろう。
エルザの声がする。
エルザだけじゃない、城全体から声がする。
これは……悲鳴?何かあったのかな?
――すると部屋のドアが勢いよく開いた。
「貴様が、レイラ・セレスティアだな。悪いが死んでもらう」
え……なんで?誰この人。
この人の格好……黒いフード?
そういえば、アスフィのお母さんを『呪い』にかけた人達は黒いフードを被っていたって言ってた。それに、アスフィを奪ったあの泥棒女が着ているフードにも似ている。
「レイラ……!逃げろ!!」
「貴様!エルザ・スタイリッシュかっ!?がはっ!」
エルザがやってきた。黒いフードの人が切り伏せられた。
レイラは血が苦手だ。血を見ると、アスフィが盗賊に襲われた時を思い出す。アスフィが真っ二つに切られたあの感覚を……
「オエッ……」
「レイラっ!?大丈夫か?!
」
「……へ、平気。少し吐き気がしただけ」
「そうか……レイラ、ミスタリスを、この国を出ろ」
「……どうしたの?なにかあったの?」
「賊の襲撃にあった!」
「なら、レイラも戦う!」
「ダメだっ!君になにかあってはアスフィに合わせる顔がない!……くそっ!もう来たか!」
エルザは早く逃げろと言ってくる。でも、レイラだって剣士だ。今まで剣術修行だってしてきた。魔獣も倒してきた。
人は……斬ったことないけど、だけどこの国にはお世話になった。ならレイラも戦わなくちゃ。
「……エルザ・スタイリッシュ。お前に用は無い。そこをどけ」
「それは聞けないな。貴様らの狙いはなんだ」
「お前には関係ない、どけ」
「……レイラ!何をしている!さっさと逃げろっ!!」
「嫌!レイラも戦う!」
「この分からず屋が!!…… 『超身体強化(ハイブースト)』!」
「なに!?消えた……!?がはっ」
エルザがワイバーンの時に使った技を使った……?
全然見えなかった……これがエルザの本気なの?本気にならないと勝てない相手なの……?
これがエルザ固有の『強化技術』というもの ……?
「仕方ない、一緒に出るぞ!パパが今賊のリーダーと戦っている!パパだけでは不安なのだ!早く私もそっちに合流したい!レイラをこの国から出した後、私はもう一度ここへ戻る。レイラはアスフィの所へいけ!分かったな!?」
「で、でも……」
「うるさい!!!今の私に余裕は無い!!言うことを聞け!」
「わ、分かったよ……」
エルザは激怒していた。
レイラはエルザがこんなに怒っているとこを初めて見た。
エルザの後ろを着いていき、レイラ達は城を出た。
黒いフードの人達が何人かいたけど、全てエルザがあっという間に切り伏せた。
そして城を出たレイラ達。
レイラは立ち尽くした。その惨劇に。
辺りが燃えている……家が街が全てが。
壊れて、燃えて、崩壊している。
そして――
「オェェェェェェェェ――」
「レイラ!?」
レイラはその惨劇に吐いてしまった。
ミスタリスの住人が死んでいた。大量に。そこら中で。
首がない。足がない。体が……ない。
レイラは頭が真っ白になった……。
「おい!しっかりしろレイラっ!!こんなとこで立ち止まってはダメだ!!」
エルザが私に向かって叫んでいた。
だけど、レイラは動けない。何も考えられない。考えたくない。今まで仲良くしてきた人達が死んでいる。
レイラ達に声をかけ、店を紹介してくれた商人のおじさん。
アスフィがデートにと買ってくれた服屋の店の店員さん。
レイラが仲良くした街の人達が……惨たらしく死んでいる。
「レイラ……いいかよく聞け。君は死んではダメだ。アスフィが……好きな人がいるのだろう。ならこんなとこで死んではダメだ」
「エルザ……エルザは大丈夫なの?エルフォードさん助けたら帰ってくるよね?また皆で、レイラとアスフィとエルザとエルフォードさんでまた皆で……ご飯食べられるよね?」
「ああっ!もちろんだっ!!!」
エルザはレイラにとびっきりの笑顔で答えてくれた。
レイラはその言葉を信じる事にした。だってその笑顔はいつものエルザだったから。
夜にレイラとアスフィの部屋にゲームをしよう!と言ってくるあの時の笑顔だ。これ以上にない安心感だよ。
「うん……!分かった!レイラ、エルザのこと信じて――」
……
…………
………………
「レイラ………?レイラァァァァァァァァァァァ」
「……ターゲット処分確認。引き上げるぞ」
「おまえらぁぁぁぁぁぁぁぉぉぁぁぁぁぁぁぉぉぁ」
「なっ!エルザ・スタイリッシュ!?なぜここに!がはっ」
レイラは……アスフィになにかしてあげられたかな……?
「あああああああそんな……レイラ死ぬな!!」
「………………死ぬ……の?レイラ……まだアスフィに……」
そっかアスフィと喧嘩したまま死んじゃうのか。
最後に謝りたかったな……レイラまだアスフィとなにもしてないのに……キスだけしかしてない。
その先のことまだなんにもしてないのに。
アスフィ……ごめんね。アスフィ………………会いたいよ。
「ああああくそ!血が止まらない!どうしてだ!!やめてくれ!死ぬなレイラァァァ!!」
「エルザ…………アスフィ……に」
せめてエルザに伝えてもらおう。
アスフィに……レイラの言葉を。
「やめろ喋るな!!アスフィの『ヒール』なら助かる!そうだ……!アスフィの『ヒール』は私の腕も治したんだ!だから――」
エルザってばなんて顔してるの……
レイラはもう死ぬ……そんなのはレイラが一番よく分かってる。アスフィはここには居ない。それにもう間に合わないよ。
エルザは色んな人を巻き込む人だった……アスフィとの大事な時間を台無しにする時もあった。けど、エルザはレイラの大切な『友達』だ。
「アス……フィに……ごめんねって……言っといて……」
血が止まらない。視界がぼやけてきた。
「レイラ……?そんな………………私はアスフィになんて言えば……」
ごめんね、エルザ。最後に大変な役目を押し付けちゃって。
エルザがアスフィの事を好きなのはレイラも知ってるよ?
皆、アスフィが大好きなんだ。だからこんな形でお別れするのは嫌だよ……
《アスフィ。ごめんね》
「わた……私は…………すまないアスフィ」
ミスタリス王城前にて。
レイラ・セレスティアは黒フードの男に大剣を投擲された。それが腹部に命中した。
レイラ・セレスティアは齢十四にしてその人生の幕を閉じた。
レイラに黙って居なくなった、許せない。
でも、レイラも悪かったんだ。
怒りすぎた……でもアスフィもアスフィだ。
自分を殺そうとした女にデレデレして……。
私にあんな事までしたのに、すぐ他の女に目移りする。
でもアスフィは出会った時からからそうだ。
そういう男の子だった。レイラが悪い。
今度あったら謝ろう……。
……
…………
………………
アスフィが帰ってこない。
なんで?なんでアスフィ帰ってこないの?
レイラのことそんなに嫌いなのかな?
アスフィがあんなに大事にしていた母親の杖まで置いて。
アスフィはどうやらあのルクスとかいう女と出ていったようだ。
もうアスフィなんか知らない……!!
早く帰ってきてよ……アスフィ。
城の中がやけに騒がしい。
どうしたんだろう。
エルザの声がする。
エルザだけじゃない、城全体から声がする。
これは……悲鳴?何かあったのかな?
――すると部屋のドアが勢いよく開いた。
「貴様が、レイラ・セレスティアだな。悪いが死んでもらう」
え……なんで?誰この人。
この人の格好……黒いフード?
そういえば、アスフィのお母さんを『呪い』にかけた人達は黒いフードを被っていたって言ってた。それに、アスフィを奪ったあの泥棒女が着ているフードにも似ている。
「レイラ……!逃げろ!!」
「貴様!エルザ・スタイリッシュかっ!?がはっ!」
エルザがやってきた。黒いフードの人が切り伏せられた。
レイラは血が苦手だ。血を見ると、アスフィが盗賊に襲われた時を思い出す。アスフィが真っ二つに切られたあの感覚を……
「オエッ……」
「レイラっ!?大丈夫か?!
」
「……へ、平気。少し吐き気がしただけ」
「そうか……レイラ、ミスタリスを、この国を出ろ」
「……どうしたの?なにかあったの?」
「賊の襲撃にあった!」
「なら、レイラも戦う!」
「ダメだっ!君になにかあってはアスフィに合わせる顔がない!……くそっ!もう来たか!」
エルザは早く逃げろと言ってくる。でも、レイラだって剣士だ。今まで剣術修行だってしてきた。魔獣も倒してきた。
人は……斬ったことないけど、だけどこの国にはお世話になった。ならレイラも戦わなくちゃ。
「……エルザ・スタイリッシュ。お前に用は無い。そこをどけ」
「それは聞けないな。貴様らの狙いはなんだ」
「お前には関係ない、どけ」
「……レイラ!何をしている!さっさと逃げろっ!!」
「嫌!レイラも戦う!」
「この分からず屋が!!…… 『超身体強化(ハイブースト)』!」
「なに!?消えた……!?がはっ」
エルザがワイバーンの時に使った技を使った……?
全然見えなかった……これがエルザの本気なの?本気にならないと勝てない相手なの……?
これがエルザ固有の『強化技術』というもの ……?
「仕方ない、一緒に出るぞ!パパが今賊のリーダーと戦っている!パパだけでは不安なのだ!早く私もそっちに合流したい!レイラをこの国から出した後、私はもう一度ここへ戻る。レイラはアスフィの所へいけ!分かったな!?」
「で、でも……」
「うるさい!!!今の私に余裕は無い!!言うことを聞け!」
「わ、分かったよ……」
エルザは激怒していた。
レイラはエルザがこんなに怒っているとこを初めて見た。
エルザの後ろを着いていき、レイラ達は城を出た。
黒いフードの人達が何人かいたけど、全てエルザがあっという間に切り伏せた。
そして城を出たレイラ達。
レイラは立ち尽くした。その惨劇に。
辺りが燃えている……家が街が全てが。
壊れて、燃えて、崩壊している。
そして――
「オェェェェェェェェ――」
「レイラ!?」
レイラはその惨劇に吐いてしまった。
ミスタリスの住人が死んでいた。大量に。そこら中で。
首がない。足がない。体が……ない。
レイラは頭が真っ白になった……。
「おい!しっかりしろレイラっ!!こんなとこで立ち止まってはダメだ!!」
エルザが私に向かって叫んでいた。
だけど、レイラは動けない。何も考えられない。考えたくない。今まで仲良くしてきた人達が死んでいる。
レイラ達に声をかけ、店を紹介してくれた商人のおじさん。
アスフィがデートにと買ってくれた服屋の店の店員さん。
レイラが仲良くした街の人達が……惨たらしく死んでいる。
「レイラ……いいかよく聞け。君は死んではダメだ。アスフィが……好きな人がいるのだろう。ならこんなとこで死んではダメだ」
「エルザ……エルザは大丈夫なの?エルフォードさん助けたら帰ってくるよね?また皆で、レイラとアスフィとエルザとエルフォードさんでまた皆で……ご飯食べられるよね?」
「ああっ!もちろんだっ!!!」
エルザはレイラにとびっきりの笑顔で答えてくれた。
レイラはその言葉を信じる事にした。だってその笑顔はいつものエルザだったから。
夜にレイラとアスフィの部屋にゲームをしよう!と言ってくるあの時の笑顔だ。これ以上にない安心感だよ。
「うん……!分かった!レイラ、エルザのこと信じて――」
……
…………
………………
「レイラ………?レイラァァァァァァァァァァァ」
「……ターゲット処分確認。引き上げるぞ」
「おまえらぁぁぁぁぁぁぁぉぉぁぁぁぁぁぁぉぉぁ」
「なっ!エルザ・スタイリッシュ!?なぜここに!がはっ」
レイラは……アスフィになにかしてあげられたかな……?
「あああああああそんな……レイラ死ぬな!!」
「………………死ぬ……の?レイラ……まだアスフィに……」
そっかアスフィと喧嘩したまま死んじゃうのか。
最後に謝りたかったな……レイラまだアスフィとなにもしてないのに……キスだけしかしてない。
その先のことまだなんにもしてないのに。
アスフィ……ごめんね。アスフィ………………会いたいよ。
「ああああくそ!血が止まらない!どうしてだ!!やめてくれ!死ぬなレイラァァァ!!」
「エルザ…………アスフィ……に」
せめてエルザに伝えてもらおう。
アスフィに……レイラの言葉を。
「やめろ喋るな!!アスフィの『ヒール』なら助かる!そうだ……!アスフィの『ヒール』は私の腕も治したんだ!だから――」
エルザってばなんて顔してるの……
レイラはもう死ぬ……そんなのはレイラが一番よく分かってる。アスフィはここには居ない。それにもう間に合わないよ。
エルザは色んな人を巻き込む人だった……アスフィとの大事な時間を台無しにする時もあった。けど、エルザはレイラの大切な『友達』だ。
「アス……フィに……ごめんねって……言っといて……」
血が止まらない。視界がぼやけてきた。
「レイラ……?そんな………………私はアスフィになんて言えば……」
ごめんね、エルザ。最後に大変な役目を押し付けちゃって。
エルザがアスフィの事を好きなのはレイラも知ってるよ?
皆、アスフィが大好きなんだ。だからこんな形でお別れするのは嫌だよ……
《アスフィ。ごめんね》
「わた……私は…………すまないアスフィ」
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