婚約者を幼馴染にとられた公爵令嬢は、国王陛下に溺愛されました

佐倉ミズキ

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8.新王妃誕生

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ついに、結婚式当日がやってきた。
昨日、一日身を清めたセシリアは穏やかな心で式の朝を迎えられていた。

とはいっても、朝早くから準備に追われてバタバタと忙しい。

ウエディングドレスを着て長いベールをかぶると、周囲から感嘆の声が漏れた。

「大変お美しいですわ」
「こんなにお美しい方が王妃になられるなんて、国民として鼻が高いです」
「あぁ、素敵」

口々に褒められて恥ずかしくなる。
教会の前に立つと、さらに緊張が頂点となった。

何度も目を閉じて深呼吸を繰り返す。
背筋を伸ばすと、ゆっくりと扉が開いて音楽が聞こえてきた。
大きい教会。左右には身内だけでなく、国賓や警備の者など数えきれない人が一斉にセシリアに注目した。
しかし、セシリアにはその視線など気にならなかった。
歩いた先にはアレンが正装をして微笑みながらセシリアを待っている。
それだけで、自然と笑みがこぼれた。
長いバージンロードを歩き、差し伸べられたアレンの手を握る。
こんなにも美しく絵になる国王と王妃がいるのかと、周囲は羨望と憧れの視線を向けていた。

(アレン様、素敵)

アレンの正装姿はとても凛々しく、気高く、美しかった。
誓いの言葉を聞きながら、セシリアは胸をときめかせる。
そして、誓いのキス。
そっと唇に触れると、アレンは小さく囁いた。

「セシリア、とても綺麗だ」
「アレン様……」

挙式が終わり、教会から移動して城下町が一望できるバルコニーへ降り立つ。
二人が降り立った途端、割れんばかりの歓声が聞こえた。
王宮から少し距離はあり小さな姿しか見れないのに、多くの国民がその姿を一目見ようと詰めかけていた。

「国王陛下、万歳!」
「王妃殿下、万歳!」

セシリアが手を振ると、さらに歓声が上がる。

「凄い人ですね」
「あぁ、俺たちが背負うものだ」
「はい。身が引き締まる思いです」

喜びとともに、こうした国民を支えていかなければならないと改めて感じる。
時々、その責任感に押しつぶされそうになるがアレンとなら乗り越えていけるだろう。
今日は王宮も国もどこもかしこもお祭り騒ぎだった。
他国の賓客や自国のお偉方を招いての披露パーティーもつつがなく執り行われた。

そうして、すべてが終わった時にはすでに夜になっていた。
休憩をしていると、オルガや他の侍女がやってきてセシリアをお風呂へ入れた。
体の隅々、指一本、髪の毛一本に至るまで徹底的に綺麗にされる。
上がった時には体中がすべすべで、香りも良く仕上がった。
夜着はいつもよりも透け感のあるシルク素材だ。
気合が入りすぎて、逆に恥ずかしい。
オルガたちが部屋を出て、少しすると扉がノックされた。

「はい……」
「入るぞ」

身支度を済ませたアレンが部屋に入ってくる。

(あぁ、緊張するわ……)

薄暗い部屋でアレンが微笑むのが分かる。

「セシリア、いい香りがするね」
「アレン様こそ……、素敵な香りがいたします」
「侍従や侍女らが張り切っていたからな。今日からこの部屋で一緒に寝るのだからと」

そう口に出されると恥ずかしいものがある。
セシリアは顔を赤くして俯くと、アレンが頬を撫でた。

「可愛い反応をするな……。誘っているのか?」
「えっ、誘ってなど……」
「そうか?」

そう言うと、セシリアの顎をクイッと持ち上げて唇を落としてきた。
目を閉じて、そのキスに応える。
セシリアの初めてのキスはアレンだから比較はできないが、アレンはキスがうまいと思っている。

(とろけてしまいそう……)

アレンの手が腰や臀部をゆっくり撫でまわすと、触れられたところの力が抜けてしまいそうだ。
真っ赤な顔で息を乱すセシリアに、アレンは嬉しそうに微笑む。
そして、横抱きにすると広いベッドにゆっくりと降ろした。

「セシリア、やっと俺のものにできる」
「アレン様……」

大きく開いた胸元にアレンは唇を落としていく。
ドキドキして呼吸が乱れていくセシリアにアレンはどこか満足そうだ。
気が付けば夜着は全て脱がされていた。
アレンはセシリアにまたがりながら、自分の服を脱いでいく。
月明かりが差し込む暗い部屋で、アレンの逞しい体をみたセシリアは体の中から熱が溢れるのを感じた。

「セシリア……」

吐息の合間に愛おしそうに何度も名前を呟かれる。
体と体が触れ合い、熱がまじりあい、セシリアは次第に甘い声しか出なくなっていた。
好きな人と体を重ねることがこんなにも満たされるということを初めて知ったのだ。

何度も何度も夢中で愛し合い、気が付けば外が明るくなり始めていた。
疲れ果ててウトウトと眠っていたセシリアは、ベッドが少し揺れて目が覚めた。
そっと振り向くと、アレンが気持ちよさそうに眠っている。

(綺麗な寝顔……)

と、同時に昨晩アレンと繋がった時に見せた恍惚とした熱い瞳を思い出す。
甘い声、吐息、体中に触れる熱い手、そして貫く熱い高ぶり……。
全てが初めてで、声を出して感じるしかできなかったがアレンは常に優しかった。

(思い出しただけで、なんだか……)

「またしたくなった?」

背中からかすれた色っぽい声が聞こえてドキッとする。

「アレン様……」
「部屋が明るくなってきたから、セシリアの体がよく見える」
「あっ……」

胸を隠そうとすると、両手をベッドに押さえつけられた。
丸見えになり、とても恥ずかしい。
真っ赤な顔でアレンを見つめると、アレンは口角を上げてほほ笑んだ。

「あぁ、セシリア。君は煽るのがとても上手いね」
「アレン様……、あぁ……」

丸見えの胸の先端を口に含んで舐められる。
甘い声で身もだえをしていると、アレンの体がするりと足の間に入った。
足を高くあげられたセシリアは、アレンの逞しい高ぶりに再び翻弄される。
アレンの気持ちよさそうな声や吐息に、セシリアは幸福感でいっぱいだった。
そうして、ふたりが次に起きてきたのは、昼をとっくに過ぎたころだった。

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