確率は100

５. ランクアップ

久々の旅路

「ホンマ、長いこと世話になりました」「こちらこそ！リューは覚えもいいし教えがいがあったよ。…いろいろとね、ありがとう」「リューがいなくなっちゃうと寂しくなるわ。ねぇ、あなた、私、薬を止めるわ」「！」今すぐにでも子作りを始めそうな２人に手を振ってギルドに向かう。この１年で俺のランクはＢに上がった。Ａになるためには王都で昇格試験を受けなければならない。「これからも精進しろよ。お前ならできる」ギルドの皆さんに励まされて町を出た。

「まったく、ずっと放っておかれたアタシの身にもなってよー」「すんません」「リューがいなくてつまんなかったわー」「すんません」子どもみたいに拗ねたふりをしてニヤニヤと笑うカミナさん。「またいろいろ上達したんじゃない？楽しみだわぁ。月イチじゃ全然足りなくて」「よそでシとったくせに」「そりゃそうだけどぉー、リューが足りてないの」「ご期待に応えるように頑張ります」青空の下、なんちゅう会話やねん。アノことしか頭にないんかい。そんなカミナさんが好きやけどな。

そんな余計な話をしながらも体は動く。動じることなく双剣を振るい、魔法を放つ。背が伸びてガタイも良くなった。あの頃はギリギリだったグリズリー相手に大剣を一閃。「あら、大剣でもいけるようになったのね」「フィアナの町のギルドに大剣の指導者がおってん。体がでけたから教えて貰えたわ。でもメインは双剣やからこれ以上デカならん方がええて」「そうね、機動力が下がりそう。さて次はヒュン。有名な鍛冶の村よ。そこを過ぎたら王都ゼクランド。この国の名前と同じね」「鍛冶か、刃こぼれとか自分で直せたら便利やろな」「そうね。鍛冶の修業できるといいわね。調薬はしっかり学んだんだろうし」流し目で嫌味。「すんません」「アハハ、じゃ夜を楽しみに魔力ガンガン使って行くわよー」「…ほどほどで頼んます」