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第1章 転生したけど・・・
学園生活-1
しおりを挟む1日目は朝からセフィウスと一緒だった。
部屋を出ると扉の前にセフィウスがいて驚いたところから始まり、授業もずっと隣でお昼ももちろん一緒。
ずっと背中に刺さるような視線を感じながら過ごすことになった。
初回のクラスでは簡単な自己紹介のようなものから始まったが、この時最初の人が自分の魔法の属性と家門も一緒に説明したために、後の人もそれに続く形となった。
遅かれ早かれ自分が闇属性だということは知られただろうが、初回からこうなるとは思っていなかった。
お茶会の時の嫌な記憶が浮かんできて気分が悪くなる。
ふと、右手に感触がありそちらの方を見るとセフィウスが僕の手を掴んでいた。
顔を見ると僕を安心させるように微笑んだ後、
「何があっても僕が守るからね。」と言った。
苦しさが和らぐと同時にセフィウスが優しすぎて涙腺がやばい。
自己紹介の順番的にはセフィウスが最後でその一つ前が僕だ。
自分の番が回ってきた時、少し震える声でなんとか自己紹介を終えた。
魔法の属性を言った時少し空気がピリつき
「やっぱり・・・」
と誰かが言ったこえが聞こえた。
その後家門の紹介で僕が公爵令息だと知ると驚いた表情が見えた。
僕はずっと屋敷に篭っていて顔出しも王城での陛下への謁見くらいだったから知られてなくて当然かと思った。
僕が自分の属性を明言してしまったことで今後公爵家には闇属性がいるという噂が広まるだろうな・・・
学校でずっと一緒にいてくれるセフィウスにもだけど両親にも迷惑をかけてしまう。
魔力測定では属性の再確認と魔力量を測る。
水晶に手をかざすと属性の色が光、その範囲で量がわかるようになっている。
僕がかざすと黒色に染まり誰かは悲鳴をあげた。魔力量は学校の平均が90に対して200ほどでかなり多い方だ。
その後のセフィウスの測定では僕と違う意味でどよめきが起こった。
色は5色で光属性と闇属性を除いた全属性だ。魔力量も500はゆうに超えている。
測定を担当している先生がこんなにすごい結果は見たことがないと興奮している。
僕もクラスメイトもポカンとしてその綺麗な光を眺めていた。
当の本人はのほほんと僕の隣に戻ってきた。
その後は魔法の実技が続き、僕とセフィウスはなんなくこなしていった。
他の人が魔力操作に苦戦しているのを見て、僕も先生に教わった頃はそうだったなと思い出した。
スパルタだったけどあの時頑張ってきてよかった。
それに先生の教え方も的確でわかりやすかったからなぁ
「わぁっ!」
なんて考えていると、炎魔法を練っていた1人の生徒が失敗し小さな爆発を起こしてしまった。
近かったので僕は咄嗟に弾き飛ばされそうになった彼を支え魔法を鎮火した。
「大丈夫?」
大事にならなくてホッとして彼の顔を覗き込むと
「さ、触るな!!」と押し除けられてしまった。
そうか、僕が闇属性だから触られるのも怖いのか・・・と落ち込んだ。
「せっかくテオが助けてあげたのにその態度はなに・・・?」
後からゴゴゴゴと禍々しい文字が見えそうな様子でセフィウスが現れた。
「へ!?で、殿下・・・。すみません・・・」
セフィウスに怒りをぶつけられた生徒は青くなって縮こまってしまった。
「セフィウス!僕は大丈夫だよ!急に触ったからびっくりしちゃっただろうし」
「テオ・・・大丈夫だった?」
そう言って僕の手や体に傷がないか確かめるセフィウスはクゥンと落ち込んだワンちゃんのようだ。
「僕はなんともないよ。」
監督の先生が慌てて駆け寄ってきて生徒の無事を確認した後僕にお礼を言ってくれた。
ここの先生たちは僕の髪色を見ても変な顔はしないし過ごしやすいところだなと思う。
その後洪水を起こしそうになった生徒の魔法を鎮静し、竜巻を起こしかけたらそれも押さえたりして、僕は授業の趣旨とは違うところで疲れていた。
解決するたびにセフィウスは泣きそうな顔で僕の心配をし、何度か僕より先周りして暴発した魔法を押さえ込んでくれた。
授業は終わった後、監督の先生が涙ながらに喜んでいた。
いつもは十数人は怪我人が出るらしいけど、今日は僕とセフィウスの功労で皆んな無事だったかららしい。
それはそれでどうなのかと思うけど・・・
周りはというと、僕が安定して魔力を扱っていて、それどころか他の人のを押さえているのを見て今朝のように嘲笑に混じっていた怯えた表情は見せなくなった。
それでも距離はあるのだが・・・
怖さもあったがセフィウスが一緒にいてくれたおかげでなんとか1日目を乗り切ることができた。
怖さもあった学園生活だったが、今のところ何事もなく済んでいる。
それどころか学園での生活はとても充実している。
応援ありがとうございます!
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公爵家なのに 陰でヒソヒソ言われるのね😢どうか 二人が幸せになりますように✨