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第1章 転生したけど・・・

君のためなら (セフィウス視点)

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「はぁ、お前あそこでいい雰囲気をぶち壊すなよ。」


 テオを寮の部屋まで送り届けた後、ニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべている侍従を睨む。

 俺の侍従兼護衛でもあるコイツ・・・セスは俺の乳母兄妹で王城で唯一信頼しているやつだ。

 テオを守るために画策するなかで他にも仕事を任せられる奴らを見つけたがコイツほど心を許しているわけではない。


 テオとのことを話しているのもコイツだけだ。

 だが、今目の前にあるこのニヤけた面はいただけない。


「だって~これまでの殿下の努力があの笑顔を守るためだったと思うと、、、感動で!」


 我らが冷徹殿下が想い人の前であんなに腑抜けになるのも驚きました。なんて無礼なことも言っているが埋めてやろうか。


 まあ、あの王妃相手に自分の未熟さを痛感したがコイツのおかげでうまくいったこともあったからな・・・








 5年前、テオの魔力が暴走しかけた時俺は生きた心地がしなかった。


 王妃が嫁いでからずっと俺は目の敵にされてきた。国王ちちが目を光らせていたために直接俺の命を狙ってくることはなかったが嫌がらせは頻繁に行われていた。

 元王妃ははが死んでから一時腑抜けになった父を恨む。

 まんまと乗せられてあれよあれよと後妻を迎えることになったがために俺は今こんな目に遭わなくてはいけない。

 王妃も王妃で婚前は猫をかぶっていたのだから相当な役者だ。


 それでも幼い俺は王妃をどうこうする力はついておらず国王ちちも王妃に退妃するほどの罪がないためどうもできないでいる。


 俺は死ななければしばらくはそれでもいいかと考えていたがテオに危険が及ぶとなると話は別だ。



 テオを公爵てに運んだ後俺はすぐに城に帰って行動を始めた。

 テオが倒れた茶会の現場はそのまま保存させていたからあの時何が起こったのかをお受け直属の魔法師たちに解析させた。

 そして、かれらがテオに対して攻撃しようとしていたことを知る。

 腑が煮え繰り返る思いがして自分がこの手で殺してやりたいと思ったがセスに諭され冷静さを取り戻した俺はすぐに彼らを憲兵に引き渡した。

 幸いテオの家は公爵家という身分でその令息に手を出したとなると罪も重い。

 公爵令息への殺人未遂にして彼らの家ごと罰せられることになった。

 しかし、彼らを生かしたのはそのためなんかではない。

 令息たちに近づき半ば拷問のようなことをした際に王妃に命じられたという言質をとった後きちんと家ごと没落させた。


王妃はその後知らぬ存ぜずで、それどころか魔力の暴走しかけたテオを危険人物だなんだと喚き始めた。


俺はその日から王妃の毎日飲んでいるお茶に幻覚剤を少しずつ混ぜて王妃に虚言癖があるのだと周りに信じさせていった。

王妃の次女のひとりに俺の傀儡を潜り込ませるまでに時間を要したがそれも終わった。


世間には伏せられているが王妃は今政務ができる状態じゃないということで王城の一角に幽閉されている。

そのうち錯乱した王妃が塔から墜落するという品書きだ。






テオには長いこと会えなかったが今のところうまくいっている。

このまま何事もなければいいが・・・




















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