悠久の大陸

彩森ゆいか

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第17話 触手の森

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 空には降るような満天の星が散りばめられ、辺りには鬱蒼と茂る木々が生えている。どうやら入って来た時とは違うところから出てきたようだった。村の端ではなさそうだ。
 ナツキはきょろきょろとした。
「……ここは?」
 リュウトがため息をつく。
「触手の森だ。いきなりここに着くとはハードだな。到着する場所はランダムだから、ちょっと運が悪い」
「……触手の森?」
 ナツキはきょとんとした。リュウトがうなずく。
「スタートの村の近くにこの森がある。全年齢のほうでは足や胴体に絡みついてきて、投げ飛ばされたりする。出て来るモンスターはそれほど強くない。ただ」
「ただ?」
 リュウトが苦い顔をした。
「アダルト空間では、つかまったら大変なことになる」
「え?」
 ナツキの足元に、植物の蔓のようなものが近づいてきた。音も立てず、ゆっくりと地面を這い、忍び寄って来る。
 いきなりぐるぐるとナツキの足首に巻きつき、グンッと引っ張った。
「うわっ!」
「ナツキ?」
「うわあああああああっ」
 いきなり地面に引きずられた。すごい勢いでどこかに引っ張られて行く。次にぶわっと全身が宙に浮き、身体が逆さまになった。吊るされている。
「な、な、な……」
 ナツキは呆然とする。リュウトが慌てた様子で追ってきた。ナツキが視線を向けると、遥か下のほうにいる。ぞくっと震えた。ここから落とされたら死んでしまう。
「う……」
 足首に巻きついている蔓とは別の蔓が、ナツキの足を這い進んできた。蔓は何本もあるようで、腕にも胴体にも巻きついてきた。足を大きく開かされる。
「えっ、嘘……っ」
 ビリビリと布を破る音が聞こえてきた。ズボンと下着を破る音だった。狙いすましたように尻の辺りを破られ、蔓がねっとりと這い進んできた。気持ち悪い。ぞぞぞと背筋が泡立つ。
 ぴとっと蔓の先端がナツキの剥き出しにされた尻に当たった。先端が妙に膨らんでいる。そして独特の匂いを放つ粘液を分泌していた。
「……まさか……」
 焦りながらナツキはもがいたが、複数の蔓にがっちりと固定されて身動きができない。左右に開かれた足の間に三本の細い蔓が近づいてきて、双丘の下の小さな窪みを狙おうとしている。ナツキからは見えないので、不安と焦りばかりが先立ち、このまま自分はどうなってしまうのかと泣きそうだった。
「助けて、リュウト……っ」
 必死で手を伸ばしたが、リュウトは遥か下の地面にいる。遠い。あまりにも遠い。絶望と諦めの気持ちがナツキに宿る。ぬるりとした感触が尻を這った。垂らされた粘液で尻がべたべたになっていく。
 閉ざされている窄まりに、蔓の先が優しくぶつかってきては離れていく。入る場所を探しているかのように、尻を撫でていく。
「んっ、くっ」
 一本の細い蔓が、ナツキの窄まりに進入してきた。
「ひゃっ、あぁっ……」
 ぬるぬるとした粘液のせいで痛くはない。とにかく気持ちが悪かった。細い蔓は容赦なく尻の奥まで進み、内壁にぶつかると、緩やかに抜き差しを開始する。内臓を触られているような、変な感じだった。
「やっ、あっ」
 ナツキは青ざめた。
 宙吊りのまま得体の知れない蔓に犯されている。信じたくない状況に、ナツキは目に涙を滲ませ、地面に立つ遠くのリュウトを見つめた。助けて欲しいのに彼はそこから動いてくれない。様子を見ているような素振りに腹が立った。まさか、鑑賞しているのだろうか。
(……俺は、AV女優じゃねぇぞ……っ)
 蔓は中でうねうねと得体の知れない動きを見せる。ぬるぬるとしながら内壁を撫でたり、押したり、擦ったりしてくる。
「たす……けて……っ、リュウ、トォ……ッ」
 気持ちが悪いだけではなく、とてつもなく怖かった。
 なぜなら、身体がだんだん快感に支配されはじめていたからだ。
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