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結婚します
しおりを挟むそれから3日後、僕たちは教会で婚姻届を出した。
リースさんは本当はもっと早くだしたかったらしいけど、僕の身分が保証されてからの方がいいと思って御披露目の後にしたみたい。
この世界での婚姻届は署名した後に自分の血を用紙に垂らさなくちゃいけなくて、ビビリな僕はリースさんに指先に針を刺して貰った。
ぼく本当に結婚したんだ。
こんな僕が異世界で結婚できるなんて思ってなかったからまだ実感がない。
教会での手続きを終えて、お城に戻ってきた。
リースさんの膝の上に向かい合わせで座りソファーで寛いでいると
「マオ。今日から正式に俺たちは伴侶だ。その証にマオの色を俺の耳に着けたいんだがいいか?」
「ぼくの色を耳に??どういう意味ですか?」
「…あぁそうだな。マオにはちゃんと説明してなかったな」
リースさんは僕のピアスを触りながら教えてくれた。
「この世界ではな、結婚した者は伴侶の色…つまり髪か瞳の色のピアスを身に付けるんだ。…マオにはちゃんと説明もせずに俺の色のピアスを着けさせて悪かった。誰にもマオを取られたくなくて騙すようなことをしてしまった。…怒っているか?」
「そうだったんですね。ピアスにそんな意味があるなんてビックリしたけど怒ってないですよ。リースさんの伴侶の証ですから…嬉しいです!」
「マオ…よかった。俺の我が儘で無理矢理着けさせたようなもんだからな。正直に話せば嫌われるんじゃねぇかと思ってたんだ」
「僕がリースさんを嫌いになることなんてありません。」
僕のことをまだ信用してくれてないのかも知れないと思って拗ねちゃった。
「はははっ。頬を膨らませてるマオも可愛いな」
「リースさんはもうちょっと僕のことを信用してください!!僕怒ってるんですからね!」
「すまねぇ。マオのことはちゃんと信用してるぜ。…それでマオの色、つまり黒色のピアスを着けてもいいか?」
「もちろんです!!」
「ありがとうマオ。ならさっそく黒のピアスを注文しよう」
「あのっ!そのピアス、僕がリースさんにプレゼントしてもいいですか?」
「えっ?マオが俺に?」
「はい。僕が着けてるピアスはリースさんがくれましたから。あっでも、今はお金がなくてすぐには買えません。教会の仕事を頑張って給金を稼ぎますから少し待ってくれませんか?」
「金のことなら心配いらねぇよ。これでもギルマスしてたからな。貯蓄は十分にある。」
「それじゃだめなんです。僕が自分で稼いだお金でプレゼントしたいんです。…だめですか?」
お金を稼ぐにも時間がかかるし、やっぱりそんなに待って貰えないかな。
リースさんにまともにプレゼントもできない自分が情けなくて涙が溢れてくる。
「マオ!すまない。泣かないでくれ!マオの気持ちはすげぇ嬉しいんだ。だが俺のせいでマオに無理させるんじゃねぇかと思って。マオは身体が強くねぇんだ。働きすぎて体調壊すかもしれねぇ」
「…確かに僕は体力がありませんけど、週3日の勤務ですし大丈夫ですよ。その分時間がかかってしまいますけど…待ってて貰えますか?」
「…わかった。マオから貰えるならいくらでも待つさ。だがちょっとでもしんどいと思ったら休むんだぞ?これは約束だ!」
「はい!わかりました。僕頑張ります!」
目の前のリースさんにギュッと抱きつくとリースさんも抱き返してくれる。
それから額、頬、瞼にちゅっとキスの雨を降らされて、いまだにキスに慣れない僕は顔が赤くなってしまう。
「ははっ!もっと凄いことしてるのに、これくらいで照れるのか?なら、もっとマオを愛して慣れさせてやらねぇとな」
それから朝方まで深く深く愛され、僕は3日間立ち上がれないのでした。
更新遅れてすいません。
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