美少年は異世界でヤンデレに囲われます

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最強の補佐登場

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いよいよ今日から教会の仕事が始まる。

朝の9時からお昼12時まで。

早めに起きて朝御飯を済ませ、そわそわしながら時間が来るのを待っている。

「マオ、そんなに緊張しなくても大丈夫だ。今日は初日なんだから見学くらいに思えばいい」

落ち着きなく部屋のなかをウロウロしてたらリースさんに抱き上げられてしまった。

「そっそうですよね。僕産まれて初めての仕事だから緊張しちゃって…それに今日からリースさんも騎士団でのお仕事が始まるんですよね?お城に来てからずっと一緒だったから、なんだか不安になってしまって」

「そうだな。俺もマオと離れたくねぇよ。だが同じ敷地内にいるわけだし、何かあったらすぐに駆けつける。それに今日からマオには補佐を付けるつもりだ」

「補佐…ですか?エルマさんではなく?」

「エルマは従者だからな。補佐とはちがう」

補佐って誰だろう。そもそも僕なんかの補佐なんてしたいと思う人いるのかな?




そんなことを考えていると部屋がノックされた。

ドアの外にいる騎士さんから
「マオ様の補佐とおっしゃる方が来られました。お通ししてもよろしいでしょうか?」
と声がかかった。

「おっ!話をすればだな。入れ!」




扉が開き、部屋に入ってきたのは……


「ダンさん!!!」

久しぶりに会うダンさんにビックリしたと同時に嬉しくて、リースさんの膝から降りてダンさんに駆け寄った。

「マオ君!お久しぶりですね。元気そうでなによりです」

身体を屈めて目線を合わせながらニッコリと微笑むダンさんは相変わらず爽やかイケメンさんだ。

会えたことが嬉しすぎてそのままギュッと抱きつくと、軽々抱っこされる。
ダンさんは細身に見えてしっかり筋肉があるんだ。


「会えて嬉しいです!!でも、どうしてお城に?」

ヴェルディからお城までは結構な距離があるのにどうしてダンさんがここにいるんだろう。

僕が不思議に思っていると、突然後から身体をひょいっと持ち上げられて、足ぶらんぶらんの状態に。

「マオ…俺と言う旦那がいるのに他の男に抱き付くとは。お仕置きだな」

後からリースさんの低い声が聞こえ思わずビクッとしちゃった。

「ごっごめんなさい。嬉しくてつい…」

「はぁ~。早く自覚を持たせねぇといけねぇな」

リースさんが呆れた感じで言ってるけど、僕ちゃんと自覚してるよ?
体力がなくてひ弱だし、働いたこともないポンコツだってこと。

だから今日から頑張るんだ!!


そのままくるっと身体の向きを変えられてリースさんに抱っこされながら改めて気合いを入れる。
抱っこされてる状態では説得力がないって?
わかってるよそんなこと!

でも僕が降りようとしたらリースさんが悲しい顔をするんだ。
そっそれに僕も抱っこ…いっ嫌じゃ…ない…し。



「はぁ…。ギルマスは相変わらず心が狭いですね。せっかく久しぶりの再開を喜んでいましたのに。」

「うるせぇ。マオに触れていいのは俺だけなんだ。それに俺はもうギルマスじゃねぇぞ」

「そうでしたね。つい癖でそう呼んでしまいます。それはそうと、私がここに来た理由を早くマオ君にお話しするべきでは?」

いまだに状況を理解できずポケーッとしてる僕を見て二人はソファーに腰かけた。もちろん僕はリースさんの膝の上。

すかさずエルマさんが三人分の紅茶を入れてくれる。
ちなみに僕のコップは左右両方に取っ手が付いている。僕だけの特注品らしい。
以前、僕が普通のカップで紅茶を飲もうとしたとき手元が滑って溢しそうになったのを見て、両手で掴めるコップを用意してくれたんだ。

幼児が使うようなコップで、初めは恥ずかしかったけど、持ちやすさに負けて今では重宝してる。



「さっき言ってた補佐をダンに頼むことにしたんだ。」

「えぇ??ダンさんが僕の補佐に?」

ちびちび紅茶を飲んでいた僕はビックリして、後ろのリースさんを見た。

「そうだ。城に来たばかりでマオも知らず知らずのうちにストレスが貯まってるんじゃねぇかと思ってな。信用できて気楽に話せるヤツが必要だと思ったんだ。それにダンもギルドを辞めたらしいしな。」

「え?ダンさんもギルドを辞めたんですか?」

「えぇ、そうなのです。私は元々ギルマ…リースさんに拾って貰ってギルマス補佐をしていただけですから、リースさんが転職するなら私も付いていきますよ」

「そうですか…。なんだか僕のせいでごめんなさい。」

「マオ君が謝ることはありません。ギルドの仕事に執着していたわけではありませんから。それにマオ君に会えて嬉しいのですよ」

「僕もダンさんに会えて嬉しいです。でもリースさんの補佐じゃなくて僕の補佐でいいのですか?」

「えぇ!今回リースさんの仕事は騎士団の剣術指導ですから、書類仕事が殆どありません。なのでマオ君の補佐に付きたいと思っているのですが、よろしいですか?」

「僕はダンさんが付いていてくれるなら心強いです!ダンさんが良ければ、よろしくお願いします!」

「ありがとうございます。さっそく今日から補佐として頑張りますね。教会での仕事のときはもちろん、その他でも頼ってくださいね。」


ダンさんが居てくれるだけでこんなにも心強いなんて!
よぉーし!頑張るぞ!










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