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♡香苗と高速ピストンのマサ♡

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「近寄らないで!」

 香苗は交差点の真ん中で、近寄ってきた男たちに向かってそう言い放った。

「 私、大きな声、出すの、ん、苦手なんだ、けど、さすがに、これは、ダメでしょ!んっ! そんなの、あっ、わかりきってる事、んじゃないですか!」

「えっと、まず落ち着いて?」

 男たちは香苗に諭すように言った。

「 私は、ん、普通の町の、普通の、う、高校の、生徒で、結果的に、んふっ、毎日、歩いて、ハメながら通学して、ん、ハメてるだけ、なんです!っん別に、変なこと、してるわけでもないし、ん、変なこと、あっ、してるわけでも、ないんですけど!?」

「…えっと…おい!後ろの男!お前だ!マサ!!ピストン運動をやめろ!!」

「私、は、ただ、ん、私の目を、通して、んっ、世界を、見てみたい、あっ、だけなんです!っ私の目を、通しては見えない!?私は、んっ、私の、んっ、本当の姿を、見ることはできない!?」

  警官はお互いの顔を見合わせ、強制的に2人の行為を止めに入った。

「ちょっと!!触らないで!!私の目を、ん、見て!!私の心を、ちゃんと見て!大嫌いだ!私は、警官が、大嫌いだ!!」

 4人はくんずほぐれつなった。“高速ピストンのマサ“が、ウエストポーチに入ってあったローションを振り撒いた。交差点の真ん中で、4人はヌルヌルになった。

「お前なんか嫌いだ!私に近づかないで!近寄るな! 私はこの街にいる!毎日、この街にいる!普通に生きてるだけなのに、道路すら渡れない!!渡れない!! 道路を渡れない!!」

 ぬるぬるの中、警官2人はうまく香苗とマサを捕まえることができない。その間も、ピストンは続く、足がヌメッてうまく歩けないが、一歩一歩、少しずつ、押し出されるように進んでいく。

 周りにいる人々は、何事もないように横を通り抜けて、それぞれの場所へと向かう。

「近寄らないで!! なぜ、なぜ、なぜ!?なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!なんで!私の心を見て!私の心をちゃんと見透かして!お前なんか嫌いだ!!病院送りになるぞ! もしこれが現実の世界なら、私は病院にいるはずだ!病院で治療を受けているはずだ!もしこれが現実の世界なら、私は病院にいるはずだ!私は病院で治療を受けているはずだ!!あなた達がいつも邪魔をするからよ!!」

 香苗は、交差点の真ん中で、愛を叫んだ。
 
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