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・・『開幕』・・

・・自宅壮行会・・3・・

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・・ダイニングルームに入っても、エドナとスコットには隣り合わせで座らせた・・本人達は照れ臭がっていたが、周りは温かく優しくやや強引に(笑)彼等を促している・・アリソンが初めに供したのはポトフだ・・この日の為に買い揃えた同じサイズとデザインのスープ皿を卸して、やや少なめに盛り付けたポトフをアリシアが受け取り、全員の前に置いていく・・。

「・・さあ、先ずはポトフで温まって下さいな・・沢山作りましたから、どんどんお替りして下さいね・・あともう2種類の料理がありますから、慌てないで下さいね・・」

「・・アリソンさん、美味しいです・・このポトフをもう1度食べたいと思っていたんです・・ご用意して頂いて、本当にありがとうございます・・実は頂いたレシピで3回作ってみたのですが、3回とも味を近付けられませんでした・・どうしてなんでしょうか・・?・・」

・・と、マレット・フェントンが身震いさせながら訊く・・。

「・・あらあら、残念でしたわね・・それはきっと私がスープ・ストックのレシピを書いていなかったからですわ・・本当にすみませんでしたね、マレットさん・・実はあの後私も気が付きまして、スープ・ストックのレシピを細かく書いて、昨日娘にプリントとコピーをして貰いましたので、後でお渡ししますね・・それを元に作って貰えれば近い味になると思いますよ・・」

「・・アリソンさん、私もそのレシピのコピーを頂きたいです・・!・・」

・・思わずマーリーが立ち上がって、そう言う・・。

「・・はい、分かっていますよ・・コピーは沢山とりましたので、皆さんにお渡しします・・後で読んで観て下さいね・・」

・・私は会話を聞きながらウィスキーグラスを全員分用意し、『グレンフィデック』18年の封を切って総てのグラスにツーフィンガーで注ぐと、全員の前にグラスを置いてから自分のグラスを掲げる・・。

「・・改めて皆、今日は寒い中をよく来てくれた・・本当にありがとう・・催される壮行会はこれが最後で、後1日と少しで開幕だ・・今日は私ではなく君達の壮行会として捉えて欲しい・・存分に持て成す積りだからリラックスして楽しんでくれ・・乾杯の前に一つだけ・・私が任命したスタッフ・クルーの全員は、明日の午前10時までに本社第2棟の1階に集合・・最上階の最重要金庫室を解錠して、保管されている君達の必須3種アイテムを再配布する・・今迄ありがとう・・そしてこれからこそが本番だから、宜しく頼む・・全員が健全なコンデションでこのゲームを楽しめるように・・乾杯・!!・・」

「・・乾杯・!!・・」

・・全員が立ち上がり、右手でグラスを掲げて唱和して飲み干した・・私はまた全員のグラスにツーフィンガーずつ注いで廻る・・。

「・・さあ、どんどん食べて飲んでくれ・・何でも沢山あるからな・・デザートとしてのアイスやスイーツも沢山用意してるから安心してくれ・・マスタードを付けたり、固めのブレッドをスープに浸して食べるのも旨いぞ・・ライスやパンが欲しかったら言ってくれ・・炊いてあるし、沢山用意してあるから・・お土産やプレゼントを持って来ている人は、酔っ払う前に渡してくれよ・・料理やケーキをお土産として持って帰りたい人は言ってくれ・・」

「・・先輩も食べて下さいよ・・」

「・・そうですよ、アドルさんも食べて下さい・・」

・・と、マレットも言う・・。

「・・(笑)・俺は後で好いよ・・今夜は先ず、君達を持て成すんだと言っただろ・?・君達が喜んで食べてくれるのを観るのは、俺も嬉しいよ・・それに・・後で食べる方が味が沁みて旨いからさ・・」

・・そう言って、左眼でウインクして観せる・・。

・・リサが足元のトート・バッグを取り上げて中から何やら包みを取り出すと、バッグを置いて立ち上がり、アリシアに包みを差し出した・・。

「・・アリシアちゃん、これは私から貴女へのお土産と言うか、プレゼントなの・・受け取ってくれる・・?・・」

「・・!・わあ・!・リサさん、私が頂いても好いんですか・?・ありがとうございます・・嬉しいです・・開けても好いですか・・?・・」

「・・どうぞ・・気に入ってくれると好いけど・・」

・・ラッピングを外して包装紙を器用に外していき、箱を開けて取り出したのは最新型に観えるPADだった・・。

「・!・わあ!・リサさん、ありがとうございます・!・ちょうど欲しいと思っていたんです、でもこんなに高価な物を良いんですか・?!・私まだ1年生なのに申し訳ないです・・」

「・・好いのよ、アリシアちゃん・・勉強でもそれ以外の事にも、貴女にこれを役立てて欲しいと思って選んだんだから、受け取って使って下さい・・貴女に気持ち好く使ってくれれば、私も嬉しいから・・」

「・・本当に、どうもありがとうございます、リサさん・・感謝します・・期待に沿えるように役立てます・・」

「・・リサさん、本当に好いのかい・?・こんなに高い物を・・無理しなくても好いんだよ・・?・・」

「・・好いんです、アドルさん・・スコットさんも言っていましたけど、私も今期のボーナスにはとても期待していますので・・(笑)・・」

「・・本当にありがとうございますね、リサさん・・ご無理でなければ好いのですけれども・・アリシア・・こんなに結構な物を頂いたんですから・・勉強でも他の事でも、これからもっと頑張るのよ・・」

「・・は~い、頑張りま~す・・!・・」

「・・実はアリソンさん・・アリソンさんにも私から心からの気持ちで、用意させて頂きましたプレゼントがあるのです・・エプロンなんですけれども、気に入って頂けると本当に嬉しいです・・」

・・そう言って、またトート・バッグから包みを取り出すと、アリソンの前に立って恭しく差し出す・・。

「・・あらあら・・こんな私にもこんなに気を遣って下さって、本当に宜しいの・リサさん・・?・・」

「・・はい、大丈夫です・・私、アリソンさんの事を本当に心から尊敬していますので・・」

「・・分かりました・・ありがとうございます、リサさん・・有難く頂きますわね・・開けて観ても好いですか・・?・・」

「・・どうぞ・・恥ずかしいですけど・・」

・・包装紙を外し、箱を開けて取り出したのは・・真っ白な布地に真紅の薔薇を3つあしらった、とてもゴージャスなエプロンだった・・。

「・・あら~・・こんなに豪華なエプロンは観た事がありませんわ・・ありがとうございますね、リサさん・・似合うかしら・・ちょっと着けて観ますね・・?・・」

・・そう言って着けているエプロンを外すと、リサが贈ったエプロンを着けて観る・・凄く好く似合う・・。

「・・奥様・・とても好くお似合いです・・素晴らしいです・・」

・・スコットが立ち上がって、そう言いながら拍手する・・他の者達も座ったままで拍手を贈った・・。

「・・皆さん、本当にありがとうございますね・・大切に使わせて頂きます・・とても嬉しいです・・」

「・・それじゃ、今度はまた僕の番ですね・・」

「・・おい、まだあるのかよ・・?!・・大丈夫か・・?・・」

「・・大丈夫ですよ・・!・・少々赤字になったって好いんです・・!・・それだけ先輩にはお世話になっているんですから・・」

・・そう言いながら立ち上がって席を外したスコットは、少しの間を置いてライト・ピンクのギターケースと2つの包みを持って戻って来た・・。

(・・ギター・?・ハッ・!・)

「・・ハイッ・!・アリシアちゃん・・このギターとこっちの包みは、アリシアちゃんへのプレゼントだよ・・そしてこちらの包みは、奥様へのプレゼントです・・気に入って頂けるものと、確信しております・・アリシアちゃんはギターが欲しかったんじゃないのかな・?・違っていたら、ごめんね・・」

「・・スコット・・兄さん・・ありがとう・・とっても嬉しいです・・ギターが欲しかったです・・これでパパから習えます・・本当にありがとう・・大切にしますね・・やっぱりスコット兄さんのチョイス・センスは最高だね・・!・・」

「・・うん、確かにスコットのチョイス・センスは、俺を上回る・・このギターもかなりに良いギターだよ・・『スプルーストップ・41インチ・アコースティックギター・初心者セット』・・好いね・・ギターケースがピンクじゃなかったら、俺が貰いたいぐらいだよ・(笑)・それにスコットは俺の意表を突ける男なんだ・・俺はつくづくお前が俺の味方で善かったと思っているよ・・。

・・そう言って、2杯目を飲み干した・・これは飲み易いモルトだから、3杯目は気を付けよう・・。

「・・先輩は毎日、いつも僕の意表を突いて来ますよ・・だから心酔してるんですけどね・・それに・・僕には思い付かないんですよ・・先輩へのプレゼントが・・きっと何を選んでも、心から喜んでは貰えない・・」

「・・そんな事は無いさ・・お前が選んでくれるものなら、何だって嬉しいよ・・」

「・・それは僕を思い遣っての嘘なんですよね・・でも僕はそれでも好いんです・・さあ、それじゃこちらが奥様へのプレゼントです・・気に入って頂けるものと思いますので・・どうぞ・・」

「・・ありがとうございますね、スコットさん・・貴方のような弟がいたら好かったと、私も思いますよ・・開けて観ても良いですか・・?・・」

「・・どうぞ・・それに僕の事は、本当の弟だと思って下さい・・エルク家の皆さんを、出来る限り支えたいですから・・」

・・笑顔で応えたアリソンが、包みを解いて箱を開ける・・観えたのは88鍵のロール・アップ・シート・キーボードだ・・これも最新機種に観える・・。

「・・まあ・?!・本当にありがとうございます、スコットさん・・ピアノはずっと欲しいと思っていたのですけれども、置ける場所も無いので諦めていたのですよ・・このキーボードなら気軽に使えますね・・これでやっとアドルと演奏を合わせる事が出来そうです・・大切にさせて頂きますね、スコットさん・・お金を沢山使わせてしまって申し訳ありませんでしたね・・?・・」

「・・どう致しまして、アリソンさん・・そんな事は気になさらないで下さい・・ボーナスで回収出来ますから・(笑)・大丈夫です・・本当にたまにしかお邪魔出来ませんから・・皆さんが喜んで下されば、僕も嬉しいです・・」

・・壁に背中で寄り掛かってチビチビ呑んでいたのだが、座っているメンバーが少しずつ間を詰めてくれたので、空いた隙間に座らせて貰い、アリソンからポトフを受け取って食べ始める・・相変わらず、旨い・・。

「・・さあさ、皆さん・!・いよいよ今夜のメインディッシュですよ・!・ひとつは豚の肩ロースブロックを使ったロースト・ポークです・・そしてもうひとつは、野菜・肉・シーフードもたっぷりと使ったパエリアですよ・・どうぞ、沢山食べて下さいね・・皆さんがお代わりしても、大丈夫ですよ・!・」

・・そう言ってアリソンはアリシアに手伝わせ、皿に盛り付けたパエリアの上に切り分けたロースト・ポークを数枚乗せて、皆1人1人の前に供していった・・。

「・・いやあ、凄く美味しそうな香りですね・・食欲がそそられっぱなしですよ・・早速、頂きます・・」

・・スコットの目は、もう無くなっているようだ・・。

「・・このロースト・ポークの表面の、パリパリの焼け具合がたまらないですね・・感動します・・」

・・マレットもご満悦だ・・。

「・・香辛料や香味野菜が主張し過ぎないで、素材の旨味や甘味を引き出して引き立てているのが、すごく好いですね・・やはりベースとして使われている、スープストックの存在がとても大きいようです・・」

・・と、フィオナ・コアーは冷静に評した・・。

「・・奥様・・このロースト・ポークとパエリアのレシピも・・後程教えて頂けないでしょうか・・?・・」

・・と、ハル・ハートリーが訊く・・。

「・・はい、分かりました・・皆さんのメッセンジャー・アカウント・アドレスは私も承知しておりますので、後で細かく書いてメッセージとして送りますね・・?・・」

「・・ありがとうございます・・お手数をお掛けします・・」

「・・先輩・・思っていたより戦艦と重巡の数が多かったですけれども、どうするつもりですか・・?・・」

「・・まだ何も考えてないよ・・取り敢えず最初の4日間のフィールドは物凄く広いから、他の艦には出遭わない・・訓練をして過ごすさ・・でも、どうしてそんな事を訊くんだい・・?・・」

「・・いや・・先輩の性格からして、1人で皆を守ろうとするんじゃないかってね・・?・・」

「・・そいつは無理だよ、スコット・・そりゃあ最初は考えた事もあったけどな・・今じゃとても無理だと思ってるよ・・それに同盟はこれから増える・・新入艦も含めて、バランス良く練度を上げていける方法を考えるよ・・」

・・私とスコットはそう受け応えをしつつも、呑んだり食べたりの手は休めていない・・。

「・・ああ、シエナ副長・・今の処、接待の席を手伝ってくれるのは君も含めて8人なんだけど、訊いてくれた・・?・・」

「・・8人ですか・・じゃあ、あと10人くらいは大丈夫ですね・・今日ここに来ているメンバーは大丈夫です・・」

「・・そう・・7人プラスして15人か・・これくらいでも、大丈夫だろうけどね・・」

「・・取り敢えず、サブスタッフまで含めて声は掛けてみます・・」

「・・ありがとう・・頼みます・・って、ハルさんは大丈夫なの・?・無理しなくて良いんだよ・・?・・」

「・・大丈夫です・・いつも毎回辞退するのは、申し訳ないですから・・」

「・・そう・・ハルさんが大丈夫なら好いんだけどね・・」

・・私は気が付いて立ち上がり、皆のグラスに酒を注ぐ・・。

「・・他の飲み物もあるから、言ってくれな・・ミルクにオレンジジュース・・トマトジュースにアップルジュース・・あとはジンジャー・エールがあるからな・・」

「・・ミルクをお願いします・・」

・・と、ハンナ・ウェアー・・。

「・・トマトジュースでお願いします・・」

・・と、ハル・ハートリー・・。

「・・オレンジジュースでお願いします・・」

・・と、リーア・ミスタンテ・・。

「・・アップルジュースでお願いします・・」

・・と、エマ・ラトナー・・。

「・・ジンジャーエールでお願いします・・」

・・と、エドナ・ラティス・・。

「・・はい、畏まりました・・アリシア、飲み物のボトルを出して来てくれ・・」

「・・は~い・・!・・」

「・・ポトフもパエリアも美味しいですけど、こんなに美味しいロースト・ポークは初めてです・・どの料理も一口一口で震えます・・私も奥様を本当に尊敬します・・」

・・シエナ・ミュラーも一口食べる度毎にウットリとした表情だ・・。

「・・どうもありがとうございます、シエナさん・・私が得意分野だと人様に言えるのは料理だけですから・・それにせっかく皆さんを歓待出来るんですから、食事だけでも楽しんで貰いたいと思いましてね・・3日掛けて準備しましたのよ・・皆さんのお口に合ったようで、本当に好かったです・・」

「・・アドルさんのミルクティーもそうですけど、奥様の手料理も定期的に食べたくなります・・どうしましょう・・?・・」

・・エマ・ラトナーが食べながら、困ったような顔をする・・。

「・・大丈夫ですよ、エマさん・・それに皆さんも・・ご連絡の上でいらして頂ければ、皆さんのお好きな料理でお持て成し致しますから・・気兼ね無く・・気軽においで下さいな・・これから皆さんが・・アドルを支えて下さるんですから・・」

・・アリソンがそう言うとスタッフ達や同僚達も、時間差はあったが食べながら呑みながら涙ぐみ始める・・。

「・・あらあら・・湿っぽくさせてしまってごめんなさいね・・でもこれは・・私の本当の気持ちです・・」

「・・アリソンさん・・私は副長としてアドル艦長を全力で支え、補佐します・・どうかご安心下さい・・」

「・・私はカウンセラーとしてアドルさんの心を支え、守ります・・どうぞお任せ下さい・・」

「・・私は保安部長として、アドルさんの安全を完全・確実に守ります・・どうかご心配なさらずに・・」

「・・アリソンさん・・私達の方がアドルさんから計り知れない程の恩恵を受けているのです・・アドルさんと出逢わなければ今の私達はありませんでしたし・・私達が一つに纏まる事もありませんでした・・私達は皆、アドルさんに対しては感謝してもし切れないのです・・」

「・・皆さんに感謝されて、支えられて、愛されて・・アドルは幸せ者です・・でも普通の男ですから、間違えた時には遠慮なく叱ってやって下さいね・・どうぞ、これから宜しくお願いします・・」

「・・アリシア・・悪いがティッシュをボックスで頼む・・どうも涙で料理の塩味が増しているようだからさ・・(笑)・・」

「・・ところで・・アドルさん・・私以外で接待の席を手伝って下さる方は、どなたなんでしょうか・・?・・」

・・最初の1枚で涙を・・2枚目で鼻と口を拭いながらシエナが訊いた・・。

「・・うん・・アシュリー・アードランド艦長にエイミー・カールソン艦長・・副長としては、カーラ・ブオノ・マルティーヌ副長にシャロン・ヒューズ副長・・ローズ・クラーク副長にアレクシア・ランドール副長にトリッシュ・ヴァンサンティン副長だね・・まだ増えるかも知れないけど・・」

「・・あのバリバリのキャリア・ウーマンの方と、大学教授の先生ですよね・・?・・お二方とも、もうかなりアドルさんの事が好きになっていると思いますよ・・」

・・と、エマ・ラトナーがモルトを飲み干して言う・・。

「・・そのお二方だけじゃないでしょう・?・イラストレーターの方もシステム・エンジニアの方も、服飾店長の方もフッション・デザイナーの先生も、もうアドルさんに惚の字になっていると思うわよ・・?・・」

・・ハンナ・ウェアーが悠然と食べながら補足する・・。

「・・パパぁ・・お願いだから、もうこれ以上モテ過ぎないで・・!・・もう本当にヤバいから・・!・・」

「・・何ですか、アリシア・・!・・お客様の前でそんなハシタナイ言葉遣いはやめなさい・・!・・」

「・・だってぇ・・」

「・・アリソンさん・・アリシアさんは純粋に娘として、お父さんを心配して言われたのだろうと思います・・私共もその点が、心配の種ではあるのですけれども・・」

・・ハル・ハートリーが、何やら感慨深げな風に言う・・。

「・・?・・デボラ・ヴァジリーヴァさんが、私に対してそう思っていると言うのは違うんじゃないのかな・・?・・まあ、アリシア・・同盟に参画してくれた方に対して無下な扱いはできないだろう・・?・・話し掛けられれば適切に応答するのが、主宰としての立場だよ・・それに話をすると言ったって多くても週に一度だろう・・?・・平日に何かを思い付いたにしても、副長に頼んで伝えて貰ったって好い・・アリシアや皆が心配するような事にはならないと思うよ・・」

「・・いいえ・・ゲーム大会は長丁場ですので、何があっても不思議じゃありません・・その辺の想定も含めて我々保安部が、アドルさんの動向や周辺を観ます・・また、シーズンが進んで情勢の複雑化に伴い、『ディファイアント』の保安部だけでは手が足りなくなるようでしたら、他の同盟参画艦司令部に要請してその艦の保安部にも協力して貰います・・ですので・・例えどのような情勢下に於いても、アドルさんを含むエルク家の皆さんの安全は出来る限り我々が保証しますので、ご安心下さい・・」

「・・ありがとうございます、フィオナさん・・でも、ご無理のないように宜しくお願いしますね・・?・・」

「・・分かりました・お任せを・・」

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