林檎を並べても、

ロウバイ

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それからの日々

酒の悪癖

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「トキー新歓行こー!」
「お、おう…」

「トキ、サークルのメンツで花火大会行くってー!」
「俺、浴衣持ってないぞ…」
「俺の貸すから大丈夫だよ!多分トキには緑が合うよねー」

「え、トキもクリボッチなの?」
「逆にお前もなのか…?お前なら彼女の一人や二人は居るだろ」
「それがそうでもないんだよねぇ…」
「とりあえずケーキ買ってくから、夜は家居とけよ」
「やったー!トキありがとー!」

「トキ!初詣一緒に行こ!」
「新年早々見るのがお前の顔なことぐらい分かってたよ…」
「なんてー?」
「なんでもない」

そんな会話を何度繰り返したことだろう。
気付けば俺の大学生活の記憶には大体ソウがいて、入学前に思い描いていた華やかなものとはちょっとかけ離れたものになっていた。
ソウは一見すぐに彼女やらなんやらと作りそうに見えたが、結局作らず、そういった噂すらたたなかった。何度かさりげなく恋人の有無を聞いてみたりもしたが、あっさりと居ないと即答された。どうにも聞くと、ソウはモテてはいても、ありがたいものを崇める感覚でモテているらしい。ちょっと一般人代表の俺にはよくわからない話だが、とにかく恋愛感情はあまり抱かれていないということなんだろう。
イケメンでも、性格がちょっとアレだと避けらるんだろう。
そう思って内心小馬鹿にしていたから、バチが当たったのだろうか。 

朝目覚めて、喉が痛くて腰や体の節々に尋常じゃない痛みが走った時は本当に死のうかと思った。

「はは、マジかよ…」

情けない声とともに、思わず乾いた笑みが溢れる。喉の痛みを無視して声を出したせいで、イガイガとした痛みは悪化したような気がした。

俺の家で宅呑みをしていたある晩、酔った勢いでソウと身体の関係を持ってしまったのだ。
俺はビール一缶程度で酔うほどの下戸ではないが、流石に人並み以上の量を呑めば理性のタガが外れるものだ。対してソウは酒に耐性があるのか無いのかは分からないが、きっと彼も強い方ではなかったのだろう。

壁付けしている狭いシングルのベットの床に近いほうにソウは寝ているようで、顔を少し動かすと細かく上下するふわふわとしたソウのものであろう茶髪が見えた。同時に、気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。

頭のほうに転がっていたスマホの画面を明るくすると、時刻は午前五時だった。いつも俺が起きてる時間は七時を少し過ぎたぐらいだから、全然余裕があるし、早すぎるくらいで。今日は大学もない日だし、こんな場合じゃなければ普通に二度寝をキメているはずだった。
スマホの電源を消して、一度布団に潜り込む。
行為で汚れたからか、シーツは剥がしてあって薄寒い。少し身動げば、ソウの体に俺の体が触れた。当たり前のようにして、お互いの素肌が触れる。ソウと触れている腕は、火傷しそうなほど熱くて、びっくりした。だけど、その温度が心地いい。
いつまでもくっついていられそうだったけど、現実はそううまくはいかない。

とりあえず、ソウを起こさないといけない。
そう思いながら体を起こそうとすると、ガバりと隣のソウが動いた。
起きてたのか、と声をかける間もなく勢いよくハグされる。

「え?!」

目を白黒させていると、ソウが寝起きでまだ開ききっていないままの目でむにゃむにゃ言った。
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